ヤスコのコラム:週末に休めない親とも楽しめる「ラーケーション」拡大中!
公開日:2024年7月2日
子どもが小さいうちは、いろいろなところに連れて行って、たくさんの体験をさせてあげたいですよね。
でも「平日、子どもに学校を休ませて、家族で出かけるのはちょっと……」という保護者のみなさんも少なくないはず。
そんなみなさんに朗報! 実は今、平日に学校を休んでも欠席扱いにならない「ラーケーション」という制度が、全国で広がってきています。
ラーケーションとは、「ラーニング(学び)」と「バケーション(休暇)」からなる造語。ざっくり説明すると、「保護者と校外学習をするのであれば、児童や生徒が自由に休める」という制度です。
2023年に愛知県で、一部を除く公立小中高校と特別支援学校で導入されたのが始まり。今は、大分県別府市や茨城県、栃木県日光市など、導入する自治体は少しずつ増えてきています。
これにより、自営業やサービス業などで「土日や祝日に仕事がある」というご家庭でも、平日に家族で博物館や史跡巡りに出かけたり、自然観察などで学びや体験ができるようになりました。
では、具体的なルールはどうなっているのでしょう?
制度の呼び名やルールは、自治体や学校によって違いはありますが、例えば愛知県の場合は……
◎ 事前に親子でラーケーションの計画を立て、学校に届け出をする。
◎ 当日は、保護者と一緒に行動する
◎ 年に3日まで取得可能(翌年への繰り越しはできない)
◎ 年度はじめや運動会の準備中など、一定の期間には取得できない
などがあります。
ちなみに、学校に届ける計画書はこのようなイメージです。
愛知県「小・中学校用ラーケーションカード」
体験や学びの場は、遠方への旅行でもよいですし、身近な場所や家庭でも「公園でスケッチ」「キッチンで、家庭科で習ったあの料理に挑戦!」など、アイデア次第でさまざまなことができます。
ラーケーションに限りませんが、最近では食品工場などの企業ミュージアムも親子で楽しめることもあり人気です。
お菓子のポッキーやプリッツの製造工程が見られる「グリコピア・イースト」は、埼玉にありながら新宿など都内からのアクセスもよく、体験コーナーもあります。また、神奈川なら「カップヌードルミュージアム 横浜」も食欲をそそります。
愛知県教育委員会の調査によれば、実際にラーケーションを取得した生徒や保護者からは
「混雑を避けて、平日に家族で行動できることがうれしい」
「子どものやりたいことや行きたい場所、見てみたいものなどについて、普段とは違う会話ができ、新しい挑戦をするきっかけになった」
などの声があがっているそうです。
メリットばかりではなく「休んだ分の学習は、自習で補わなければいけない」「家庭間の経済格差が、体験に影響しないか」など、改善や議論の余地はありそうです。ただ、学校でできなかった分の学習については、家庭教師が大きなサポーターになってくれそうですね。
ブラッシュアップを遂げながら、制度としては今後も広がっていきそうなラーケーション。みなさんがお住まいの自治体はいかがでしょうか。ぜひチェックしてみてくださいね。