不登校になりやすい家庭の特徴|その注意点や改善策もわかりやすく解説

公開日:2024年3月1日

このコラムでは、「不登校になりやすい家庭」の特徴や注意点、その改善策について解説します。
近年、不登校になるこどもは急激に増加しています。不登校になる原因はお子さんによって様々ですが、実は、家庭環境や生活面からの影響が大きいことをご存じでしょうか?
不登校に至るまでの「お子さんの心理」や「家庭環境の影響」について、小学生・中学生を持つ親御さん必見の情報をご紹介します。

子供が不登校になる原因

不登校になる原因はお子さんによって様々ですが、文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和4年度)」によると、「家庭に係る状況」「本人に係る状況」が原因となっている割合が高いことが分かります。
特に「親子の関わり方」「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が原因となる比率は、小・中学生共にトップ5に入っており、学校内での問題だけではなく、家庭環境やお子さんの生活環境による影響が大きいことがわかります。

参照:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和4年度)

子供が不登校になりやすい家庭の特徴

子供に対する関心が低い

子供に対する関心が低い家庭では、お子さんが不登校になりやすい傾向があります。
関心が低くなる背景としては、「親が共働き・仕事が忙しい」「過度な放任主義」などが考えられます。親が子供のことをあまり気にかけない家庭では、お子さんが自分のことを話しにくく感じることがあります。親が、学校や友達について聞いたり、一緒に話したり遊んだりする機会が少ないと、お子さんは孤独感を感じてしまい、親に悩みをうまく伝えられなくなることで不登校になりやすくなります。

また、子供に対する関心が低いと「学習の遅れ」についても見過ごしがちになります。勉強が分からないことから不登校につながるお子さんはとても多いのですが、親が早期に気付いてあげられないことで、その遅れは深刻になり不登校になりやすくなります。

家庭内のコミュニケーション不足

家族間のコミュニケーションが少ない家庭も、お子さんが不登校になりやすい傾向があります。家族同士が話し合ったり笑ったりする時間が少ない家庭では、お子さんが自分の気持ちや考えを表現しにくくなります。
例えば、親が家事や仕事に追われていて、お子さんとのコミュニケーションに割く時間が不足している場合があります。このような状況では、お子さんが自分の感情や悩みを打ち明けづらくなり、悩みを心の内に秘めてしまうことになります。
また、親がお子さんとの関わりを怠ると、家族との絆を十分に感じられず、心の安定を得ることが難しくなります。その結果、学校や社会での孤立感が増し、不登校になる可能性が高まります。

また、小学校低学年のお子さんの場合、自分の気持ちを上手く伝えられない、言葉で表現できないことがあり、小学校高学年や中学生・高校生のお子さんは反抗期に入り、親との接触を避けたがる傾向があります。このような背景から、尚更、家庭でのコミュニケーション不足に拍車がかかることもあります。

過保護すぎる接し方

特に小学校低学年に多いのですが、過保護な親が子供のことを常に守ろうとし過ぎると、お子さんは自分で問題を解決する機会を奪われます。
例えば、親が代わりに学校のこと(宿題や登校の準備)を過度に手伝い過ぎたり、友達との交流を制限しすぎたりすることがあります。このような過保護な接し方は、自己肯定感や自立心を育む機会を奪うことにつながります。
親が何でもかんでも子供に代わって解決しようとする姿勢は、「自分では何もできない」というメッセージとなり、お子さんの成長を阻害する可能性があります。その結果、お子さんは将来への不安や依存心を抱えてしまい、不登校という形でその影響が現れることがあります。
また、過保護すぎることで、親への甘えが過度になってしまうこともあります。
「親がいない学校へ行くのが不安、怖い」と感じてしまい、登校時に親にしがみついて離れなかったり、泣き出してしまったりする子もいます。

過度な親の期待やプレッシャー

親がお子さんに対して過度な期待やプレッシャーをかけると、お子さんは自分に自信を持てなくなることがあります。
例えば、親が成績や結果を期待しすぎて、お子さんがそれに応えられないと失敗したように感じることがあります。親の期待に応えようとする一方で、思うような結果が得られないと、「こんな成績では親に叱られる…」「期待に応えられない自分はダメな人間だ…」などと、過度なストレスや不安を抱えてしまい、自己肯定感が低下してしまいます。
親がお子さんに対してポジティブな期待や励ましを与えることは重要ですが、過度な期待やプレッシャーはお子さんの心理的負担や自己肯定感の低下へとつながり、不登校の原因となることがあります。

家庭が不安定な状況

家庭が経済的な問題や家庭内のトラブルに見舞われると、お子さんは不安定な状況下で育つことになります。
家庭が安定した状況であれば、お子さんは安心して成長することができますが、不安定な状況下では、お子さんが精神的な安定を得ることが難しくなります。
例えば、親の離婚や失業、家族間の不和などが挙げられます。家庭が不安定な状況になると、子供への目が行き届かなくなりがちです。「学習の遅れ」や「学校での人間関係のトラブル」を見過ごしてしまい、お子さんの状況は更に悪化してしまいます。また、お子さん自身も家族に相談しにくく感じ、1人で問題を解決できずに抱え込んでしまう傾向があります。
不安定な環境では、お子さんが安心して学校に通うことが難しくなり、不登校のリスクが高まる可能性があります。

不登校になりやすい家庭の注意点

早期のサインを見逃さない

お子さんが不登校の危険性を示すサインには、様々なものがあります。
例えば、学校へ行くことに抵抗を示したり(なかなか起きたがらない、準備がいつもより遅い、など)、体調不良を訴えたりする(学校に行こうとするとお腹が痛くなる、原因不明の熱や頭痛など)ことが挙げられます。
また、学校や友人関係に関する不安やストレスをさりげなく口にする場合もあります。これらの症状を見逃さず、早期に対処することが重要です。親はお子さんの様子を常に注意深く見守り、いつもと違う様子を感じたら、些細なことでも聞いたり、話したりすることで、不登校の予防に繋がります。

自己肯定感の低下に注意する|厳しすぎない

お子さんの自己肯定感が低下すると、不登校になる可能性が高まります。
親はお子さんに対して肯定的に接し、彼らの努力や成果を認め、応援してあげる姿勢が大切です。
また、失敗や困難に直面した際には、厳しさよりも「サポート」と「共感」を示し、安心感を与えることが大切です。親がお子さんの苦境や不安に寄り添い、一緒に解決策を考えたり、困難を乗り越える手助けをしたりすることで、お子さんは安心感を得ることができます。お子さんが自信を持ち、自分を受け入れることができるようにすることが、不登校の予防に繋がります。

過保護・過干渉を避ける

過保護や過干渉な親の姿勢は、お子さんの自立心や問題解決能力を阻害し、不登校の原因になることがあります。
お子さんには適度な自由と責任を与え、自分で考え行動する機会を与えることが大切です。何でもかんでも親が代わりにやってあげるよりも、自分でできそうなことはなるべくやらせるようにして、親はそのサポートをしてあげると良いでしょう。自分でやってみて失敗することもありますが、それがお子さんの経験として積み上がり、自立することへ繋がっていきます。
お子さんが「自己管理能力」や「問題解決能力」を少しずつ身に付けていく為の機会を提供することが、不登校の予防につながります。

家族で会話する時間をつくる|安心できるよりどころを作る

家族でコミュニケーションを取り、支え合うことは、お子さんの「心の安定」に大きく影響します。家族一緒に話し合ったり、笑ったり、親や兄弟姉妹と何気ない会話をする時間があると、お子さんの不安や孤独感が軽減され、心の安定を得られます。特に、お子さんが自分の気持ちや悩みを率直に話せる場を作ることが大切です。
家族全員が互いを尊重し、「家族みんなで困難を一緒に乗り越える」という信頼関係が築かれると、お子さんは「家族が自分の味方」であることを実感し、外の世界での困難にも立ち向かう勇気を持つことができます。
家族の支え合いがある環境では、お子さんは自分の気持ちを表現し、学校や社会での問題にも対処しやすくなります。その結果、不登校のリスクが減少します。

不登校になりやすい家庭の改善策

ポジティブな家庭環境を整える

家庭がポジティブな雰囲気に満ちていることは、子供の心の安定に重要です。
家庭内での笑顔や楽しい時間の共有は、お子さんの心を明るくします。
家族全員が楽しめる遊びや趣味を見つけ、定期的に家族で楽しい時間を過ごすことも一つです。

例えば、家族でキャンプに行ったり、ゲームをしたり、一緒に料理を楽しんだりすることで、家族で楽しい時間を過ごすことができ、ポジティブな雰囲気になります。
また、家族で映画やドラマを一緒に観たりすることでも楽しい時間を作ることはできます。「次はどんな展開になるのかな?」「真犯人は誰だと思う??」などと、気軽に雑談するだけでも良いと思います。
家庭内でのストレスや緊張を最小限に抑え、リラックスした気持ちで家族と楽しい時間を過ごすことで、お子さんはリフレッシュすることができ、学校への不安を軽減できます。

お子さんの話に耳を傾ける

お子さんの気持ちや考えに対して真剣に耳を傾けることは、家庭のコミュニケーションを深める上で重要です。
お子さんが自分の気持ちや悩みを気兼ねなく話せる環境が家庭内に整うことで、親子関係がより信頼できるものになります。
親が子供の話に興味・理解を示し、助言やサポートをすることで、お子さんは安心感を感じ、不登校の原因となる不安や悩みを減らすことができます。そのためには、親が積極的にコミュニケーションを取る機会を作り、お互いに気軽に話せる環境を整えることが大切です。例えば、子供が学校での出来事や友達との関係について話すとき、親は積極的に耳を傾け、子供の気持ちや悩みを理解しようとする姿勢が大切です。軽く聞き流したり、「それは違うでしょ」などと頭ごなしに否定することは避けましょう
子供が自分の感情を話しやすいような環境を作るために、夕食の時間や家族での散歩など、日常の中でコミュニケーションを深める時間を設けることが効果的です。また、子供が興味を持っている話題については、親が興味を示し、一緒に話題を楽しむことも大切です。

日常生活で「責任」を与える

子供には適度な「責任」を与えることが大切です。
家事や学校での課題など、日常生活に関わる責任を通じて、子供は自己管理能力や問題解決能力を身に付けていきます。
親が子供に適度な責任を与えることで、子供は自分の行動に責任を持つようになり、自己解決能力が向上します
また、お子さんが与えられた責任をこなしていれば、当たり前のように扱うのではなく、その取り組みを褒めてあげてください。成功体験(ちゃんとやっていること、継続してできていること)を積極的に認め、褒めることで、お子さんの自信や自己肯定感を育みます。

例えば、一部の家事やペットの世話、自分の持ち物の管理など、子供が自分の行動に責任を持てる範囲から始めてみましょう。親が適切なサポートや指導を行いつつ、子供が自分で問題を解決する経験を積むことで、自己解決能力が向上します。家族全員で家事を分担することで、子供は責任を感じつつ、家族と協力して問題を解決する方法を学ぶことができます。この経験が、学校や友人関係でのトラブルや問題を解決する力につながるのです。

成功体験を作り、自信をつける|自己肯定感の向上

子供の自己肯定感を向上させるためには、成功体験を積極的に作り出し、その成果を褒めてあげることが大切です。親が子供の努力や成果を認め、肯定的なフィードバックを与えることで、子供は自己価値感を高めることができます。成功体験を通じて得られる自信は、子供が学校や社会でのさまざまな課題に立ち向かう原動力となります。

例えば、子供が困難な課題を乗り越えたり、スポーツや趣味で目標を達成したりしたときに、親が子供の努力や成果を積極的に認め、「よく頑張ったね!」「すごいね!」と褒めてあげることが大切です。また、「結果」を褒めるだけではなく、継続してきたことや努力して取り組んできたことなどの「プロセス」についても褒めてあげて下さい
親が子供に対して「よくやったね!」と褒めることで、子供は自分の能力や価値を肯定的に捉えることができ、自己肯定感が向上します。子供が自分の成長や達成感を実感し、自信を持つことができるよう、親が積極的にサポートすることが大切です。

学習意欲を引き出す方法を探る

特に小学生のお子さんは「勉強って何のためにやるの?」「勉強は面白くない…」という気持ちを持ってしまうことがあります。この気持ちが学習の遅れや無気力感につながり、「学校へ行きたくない」という気持ちへとつながってしまいます。子供が勉強や学びたいと思う気持ちを引き出すには、親が子供の好奇心や興味に耳を傾けて、一緒に楽しい学びの場を作ることが大切です。親が子供の興味を大切にし、楽しい学びの機会を提供することで、子供は自然と学びたいという気持ちを持つようになります。
例えば、子供が興味を持っている本や映画を一緒に読んだり、観たりする時間を作ったり、子供が自分で興味を持ったことについて一緒に調べたりすると良いでしょう。また、親子で科学の実験をしてみたり、外で自然や歴史を体験することで、子供の好奇心や学びたい気持ちを刺激することができます。親が子供の学びの楽しさを感じて一緒に楽しむことで、子供は学校や勉強に興味を持つようになるのです。

まとめ

不登校とは「学校に行きたくない」ということなので、「その原因のほとんどは学校での人間関係にある」と考えがちですが、家庭環境やお子さんの学力が原因となることも多くあります。
家庭環境を整えることで、不登校になる前に問題を解決できることもありますので、まずは生活環境面を見直してみることが重要です。このコラムが、「子供が不登校になるかも…」と心配されている方のお役に立てれば幸いです。

家庭教師のマスターでは、不登校になったお子さんへの学習フォローも行っています。ご相談だけでも構わないので、心配事がありましたら気軽にご連絡ください。少しでも力になれれば嬉しく思います。

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