「中学受験は意味がない」と言われる理由とは?
公開日:2024年6月3日
中学受験をする子は年々増え続けており、その割合は20%を超えています。
小学校低学年のお子さんを持つ保護者の方は、「中学受験をさせるかどうか」について1度は悩まれることがあるでしょう。お子さんの将来にとって重大な決断の1つとなるため、慎重に判断したいところです。
一方で、「中学受験は意味がない」という声もたくさん聞かれます。では、なぜそのような声が多く聞かれるのでしょうか?
今回のコラムでは、「中学受験は意味がない」と言われる理由について検証したいと思います。
「中学受験は意味がない」と言われる7つの理由
1. 詰め込み勉強の弊害が出る
中学受験の勉強は、普段は夜遅くまで進学塾で勉強し、夏休み・冬休みも講習で長時間の勉強をします。
そのため、「中学受験は詰め込み勉強だ!」と言われることがよくあります。
そして、このような詰め込み勉強は、中学以降の勉強に対応できないのでは?とも言われることがあります。
しかし、中学受験の問題は「単純な詰め込み勉強」で対応できるものではありません。もちろん、前提となる一定量の知識は覚える必要がありますが、全体的には思考力・判断力が問われる問題がメインとなります。そのため、進学塾では沢山の時間をかけて、その考え方や解き方を教えているのです。
塾で教わる内容は時間がかかるものが多いですが、決して「詰め込み勉強」とは言えない内容がほとんどです。
2. 子供に過度なストレスがかかる
中学受験の試験は、小学校では習わない内容が多く出題されます。ですから、中学受験をする子供たちは、進学塾で小学校で習う範囲を超えた内容を勉強をしています。
学校でも習わないような難しい内容を勉強させることは、「子どもにストレスを与え、成長に悪影響があるのではないか?」と考える人もいます。
確かに、中学受験用の難解な学習をすることで過度なストレスがかかっているようであれば、無理に推し進めることは良くありません。
一方で、中学受験の勉強に対してストレスを感じていない子も多くいます。むしろ、簡単な問題をやらされることの方がストレスになる子もいます。
つまり、中学受験の勉強がストレスになるかどうかは、子供次第ということです。
中学受験に向いている子ついてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「中学受験に向いてる子の特徴とは?|受験向きの子に育てる方法も解説」
3. 内部進学ができない可能性がある
中学受験を経て進学する中学校の大半は、中高一貫校もしくは中高大一貫校です。
ですから、中学受験をする場合、中学への合格だけをゴールにしているケースは少なく、その後の高校・大学への進学を見据えて中学受験をするといったケースがほとんどです。
しかし、どの学校でも100%内部進学できる保証はありません。
内部進学のためのテストを設けている学校もあれば、普段の定期テストの結果を元に内部進学の可否を判断する学校もあります。
そのため、苦労して中学受験をしても内部進学できない可能性があるのなら、わざわざ中学受験をする意味がない、と考える方もいます。
ただ、実際のところは「100%内部進学できるとは限らない」というだけで、外部受験をして高校・大学に入学する難易度と比べると、内部進学はかなり緩い基準が設定されています。
そのため、高校や大学への進学を考える場合には、中学受験をすることは意味がない、ということはありません。
4. 小学生から競争させるのは良くない
中学受験の入試は学力テストによる選抜となるため、倍率の高い学校に入るためには「競争」を勝ち抜く必要があります。
進学塾では、模試の成績によりクラス分けが定期的に行われ、クラス内の席順も成績順に並べ替えるようなこともあります。
つまり、中学受験をすると常に競争と隣り合わせになると言えます。
このような激しい競争環境が、幼い小学生の成長にとって良くないのではないか?と考える方もいらっしゃいます。
確かに、過度な競争によって子どもに心理的ストレスをかけ過ぎてしまうのでは良くありません。
しかし、実際に塾で競い合っている子ども達を見ると、「人を蹴落としていくような競争」ではなく、「お互いに切磋琢磨し、認め合いながら成長していくような競争」であることが分かります。
このような経験を小学校時代に積むことが、お子さんにとってプラスに働くこともあります。
5. 金銭的な負担が大きい
中学受験をする場合、ほとんどの子は進学塾に通います。塾に通い始める時期は、一般的に小学3〜4年生頃からになることが多く、早い子は小学1年生頃から通い始めます。
そのため、中学受験をする場合は多くの教育費がかかります。
例えば、小学校4年生から3年間塾に通った場合は、総額300万円程度かかると言われています。また、私立の中学に進学した場合は、3年間の学費として総額400万円程度かかると言われています。
一方で、公立中学に進学した場合は、教材代や制服代などの費用を除けば、特別にかかる費用がほとんど無いため、教育費にかなりの差が生じます。
そのため、「高い費用をかけてまで中学受験をする意味はない」と考える方もいらっしゃいます。
中学受験でかかる費用についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「中学受験にかかる費用はいくら?|中学受験にまつわる費用を徹底解説!」
6. 中学入学後に勉強しなくなる
せっかく中学受験に成功して入学したのに、その後は全く勉強をしなくなり、結局、学力が落ちてしまうようなことがあります。
受験が終わり、日々の競争や緊張感から解放され「中学受験で燃え尽きた…」となってしまうのです。
しかしここで考えるべきは、仮に中学受験をせずに公立中学に行っていたとしても、積極的に勉強をしていたのか?ということです。
実際には、「中学受験を経験した子供たちは、みんな勉強しなくなる…」といったことはなく、むしろ、学習習慣が身についているので、平均以上に勉強している子の方が多いです。
実は筆者も中学受験をしてその後勉強をしなくなってしまった一人なのですが、中学受験で学んだ知識は、簡単に抜けてしまうようなものではありませんでした。
特に、1度身に付いた勉強のやり方や考え方・思考力などは、そう簡単に抜けてしまうことはありません。
7. 習い事や好きなことをやめなければいけない
中学受験をするためには、「続けてきた習い事や趣味をやめなければいけない」と思っている方も多いですが、そんなことは全くありません。
例えば、スポーツやバレエ、絵画などを充実した環境で継続していくために中学受験をする、という子も沢山います。
このような場合、続けてきた習い事をやめずに中学受験の勉強を進めていく方が、モチベーション維持にもつながり、受験勉強にもメリハリがつきやすくなります。中学受験の勉強は小学生にとって過酷なので、適度な休息も必要です。そのような息抜きの時間として、習い事や好きなことを継続しているケースもよくあります。
中学受験をするメリット5選!
「中学受験は意味がない」と言われることもありますが、そういった声がある中で、依然高い人気を誇る中学受験のメリットとはいったい何なのでしょうか?
次は中学受験をすることによるメリットについて検証します。
1. 高い学力と学習姿勢が身に付く
私立中学受験に合格するためには、高い学力が求められます。そこを目指して勉強することによって、基礎学力は比例して向上します。
ただ、中学受験のメリットは学力向上だけではありません。学力向上の過程で身に付く「学習に対する姿勢」こそが最大のメリットです。
学習に対する姿勢とは、「自ら考える力」や「努力を継続することの大切さ」などのことです。
このような能力や姿勢は、1度身に付いたらそう簡単に抜けることはなく、勉強以外の面でもお子さんの将来にとって大きなプラスになります。
2. 自分に合った学校で6年間を過ごせる
中学受験をするメリットの1つとして、「自分に合った学校を選ぶことができる」という点が挙げられます。
私立の中学は首都圏に300校前後あり、東京都だけでも180校以上の中学があります。公立中学でも、地域の枠を超えて学校を選べる自治体はありますが、私立中学の選択肢に比べると遠く及びません。
中学から高校の6年間という時期は、子供の成長期の真っ只中にあり、周囲の環境から多大な影響を受けます。例えば、校風・施設・教育環境・先生・友達など、あらゆる面で多くの影響を受けることになるでしょう。6年間を過ごす環境を自分の意思で多くの選択肢の中から選ぶことができる点は、中学受験の大きなメリットです。
3. 大学への進学・受験が有利になる
ほとんどの私立中学には高校が併設されており、中高一貫で6年間教育を行います。
大学までの一貫校であれば、大学進学に有利なのはもちろんですが、大学まで一貫では無い学校でも受験には有利になります。
中高一貫校は高校受験が無いため、6年間を通した学習カリキュラムで進められます。そのため、中学ではしっかりと学習の土台を作り、腰を据えて高校の勉強に取り組むことができます。また、大学受験を前提としたカリキュラムとなっているため、大学受験の対策にも安心感があります。
つまり、高校受験という区切りが無い分、余裕を持って大学受験に臨むことが出来るのです。
4. 強い精神力が育まれる
合格・不合格がハッキリと決まるのが中学受験ですが、ほとんどの小学生のお子さんにとってそのような経験は初めてとなります。
また、常に小学校の内容よりも難しい勉強をしていくので、解いていく問題は常に未知の問題となります。ですから、どんなに出来る子でも壁にぶつかりながら試行錯誤して進んでいくような過程となります。
このような状況を自らの力で解決し進んでいく中で、子どもは強い精神力が確実に育まれていきます。
また、「受験の困難を乗り越えて合格することができた!」という経験は心に深く刻まれ、後の人生で困難に直面してもすぐには諦めないという強い精神力を身に付けることができます。
実際、中学受験を乗り越えた保護者の方で「子どもが精神的に成長した!」と感じる方はとても多いです。
5. 高い基準に身を置くことができる
中学受験をする場合、常に偏差値を意識しながら勉強を進めることになります。
高校受験や大学受験の場合は、受験者数が多く多く、成績のばらつきも大きいため、おおよそ「偏差値50=全体の平均」ということになります。
しかし、中学受験においては、そもそもの受験者が成績上位者に偏るため、中学受験での「偏差値50=平均よりも上」ということになります。
つまり、中学受験をすると、自然と高い基準の環境に身を置いていることになり、そのこと自体が自信にもなり、自己肯定感の向上にもつながります。
また、高い基準の中で切磋琢磨することで、自己成長にもつながるでしょう。
まとめ
今回のコラムでは、「中学受験は意味がない」と言われる理由や、中学受験をするメリットについて検証しました。
過酷な中学受験にチャレンジするかどうかは、お子さんの適性や保護者の方の考えをもとに、ご家庭でしっかり話し合って決めることが大切だと思います。この記事が、その判断材料の1つとなれば幸いです。
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