高校推薦(スポーツ推薦)で進学する方法とは?

公開日:2024年4月10日

本コラムではスポーツ推薦での高校進学について詳しく解説します。
「自分のやっている競技の強豪校に入りたい!」「今やっているスポーツを高校入学後も続けたい!」そんなスポーツ大好き中学生の方へ、スポーツ推薦の概要、選考方法、スカウトの目にとまるコツ、メリットやデメリットなどを詳しくご紹介します!

スポーツ推薦とは?

スポーツ推薦の概要

高校推薦入試の「スポーツ推薦」とは、中学校の部活・クラブチーム・個人の活動など、学校の内外問わずスポーツで優秀な成績を修めた生徒に対して設けられている高校入試の推薦枠のことで、特色選抜、特別推薦とも呼ばれています。
当然ですが、希望者が誰でもスポーツ推薦をもらえるわけではありません。また、受験当日には実技試験が行われるのが一般的です。

スポーツ推薦の条件

スポーツ推薦で受験するには、都道府県教育委員会や各学校ごとに定められた出願要件を満たさなければなりません。また、どのスポーツで募集を行うかは高校ごとに異なります。
例えば、野球推薦の場合、以下のような要件が一般的です。

  • 運動能力・野球の技術に優れていること
  • 中学時代に所属チームが都大会(県大会)でベスト8以上の成績を修めてること
  • 部活もしくはクラブチームではレギュラーとして活躍していること
  • 部活動と学業を両立させていること
  • 高校入学後3年間、その部活動で精一杯取り組む意欲があること

これらの要件を満たしている場合、スポーツ推薦での受験が可能となります。ただし、各学校の要件や受験時期、試験内容などは学校によって異なるため、具体的な情報は各学校や教育委員会の公式サイトなどで確認しましょう。

スポーツ推薦の選考方法

スポーツ推薦の入試は、通常の学力試験だけではなく面接実技試験が伴うことが一般的です。
ただし、試験内容や配点は各都道府県や学校によって異なるので、ここでは一般的な概要をご紹介します。

学力試験

学力試験の問題内容は、一般入試の問題と同じものを出題する学校もあれば、スポーツ推薦クラス専用の問題が出題される学校もあります。
スポーツ推薦専用の入試であれば、数学の計算問題や国語の漢字の問題など、比較的易しい問題が出題されるケースが多いです。過去問などを利用して、確実に点数が取れる問題を優先して勉強しましょう。

面接

スポーツ推薦入試の面接では、一般入試の面接とは違い、自分が取り組んでいるスポーツについての質問を多くされる傾向があります。
例えば、その競技を始めたきっかけや、高校で部活動を続ける意志があるかどうかの確認などを質問されることが多いです。
また、スポーツの技術だけではなく、「礼儀」や「素直さ」などの人間性も見られています。
スポーツ全般として、礼節やルールを守ることなどが重んじられています。スポーツ推薦の面接では、高校のチームに所属した際にチームワークを乱すような人物ではないか?といった確認もなされています。

実技試験

実技試験では該当競技についての技術を披露し、高校側からの評価を受けることになります。高校や該当競技によって実技試験の内容は異なります。
例えば、東京都立東高等学校のサッカー推薦の実技試験では、

  • リフティングの技術
  • パスの技術
  • シュートの技術
  • ドリブルの技術

など、4つの項目で試験が行われ、独自の基準で点数化されます。
受験する学校によって基準が異なるため、事前に試験内容を確認し、試験に向けて技術を練習することで合格に近づくことができます。

参照:東京都公式ホームページ 文化・スポーツ等特別推薦の実技検査内容等一覧

進路選択のポイント

もし、複数の高校からオファーがあるのであれば、各高校の練習会に参加してみて「自分のプレースタイルに合ったチームかどうか?」を確認してみましょう。
チームの雰囲気が合わないと、後々後悔することになるので、、練習会の中で先輩や顧問の先生、チームの雰囲気などを体験し、自分が求める高校像かどうかも確認しておきましょう。

また、学校のレベルと自分の学力を比較して検討することも重要です。
スポーツ推薦で高校に入学した場合、部活動が忙しくなることが多く、学業との両立が困難になるケースもあります。競技に専念するためにも、学習面についても考慮しましょう。

スポーツ推薦で高校の目に留まる方法

スカウトの目に留まる方法

高校の部活関係者(スカウト)は、中学の地区大会や全国大会を日常的に視察し、チームに必要な選手をリストアップしています。
優れた選手は、早ければ中学1年生から声をかけられることもあり、生徒本人だけではなく、保護者や部活の顧問とも接触します。最終的には、中学3年の春から秋にかけて「うちの高校に来て欲しい!」といった具体的な打診が行われます。

スカウトされるには、「都大会(県大会)で上位の成績を修めること」が必要になるケースが多いです。
ただし、団体競技の場合は例外もあります。例えば、チームでは実績が残せていないが、個人で目を見張るような活躍をしている場合です。その場合、地域選抜チームに選出されるなどの実績があれば、スカウトを受けやすくなります。

しかし、スカウトされたからといって、入学試験まで免除される訳ではありません。あくまでも高校の設定した合格点に達しない限りは不合格となります。

練習会やオーディションに参加する

怪我や故障によって試合に出場できず、スカウトから声がかからなかった場合でも、スポーツ推薦を諦める必要はありません。
学校によっては、スポーツ推薦志願者のための練習会やオーディションを開催しています。練習会やオーディションに参加することで高校側の注目を集め、スポーツ推薦を受けることもできます。
ただし、このような練習会・オーディションは志願者が非常に多く高倍率になる傾向があるため、準備はしっかりと行う必要があります。

スポーツ推薦のメリット・デメリット

スポーツ推薦|4つのメリット

1. 自分の得意な競技を高校受験に活かせる!

スポーツ推薦の最大のメリットは、実技試験の点数が加算される点です。
実技試験は自分が今まで努力を重ねた競技で行われるため、高評価を受けやすいのが大きなメリットです。
ただし、スポーツ推薦で受験する場合でも、勉強を全くしなくてよい訳ではありません。スポーツ推薦では「調査書」も重要な合否判定資料として扱われます。
スポーツ推薦の話をもらえたにも関わらず、調査書(内申点)が足りず、推薦が取り消しになるケースもあります。
ですから、定期テストの成績を大きく落とさないよう注意しましょう。また、観点評価を重視する学校もよくあるため、授業は積極的な態度で受け、提出物は遅れずきちんと提出しましょう。

調査書(内申書)についてもっと知りたい方はこちら
「調査書(内申書)について徹底解説!|高校受験に向けて正しく理解しましょう!」

2. 特待生制度を使える可能性がある!

大会などで取り分け優秀な成績を修めている場合、高校の「特待生制度」の対象になることもあります。
特待生制度とは、入学金や学費の全額または一部免除などを行い、経済的な負担を軽減する制度です。ただし、特待生制度は金額や人数の上限があるため、誰でも受けられるわけではありません。
高校側が特待生制度を設けている場合は、お子さんの実績が特待制度の対象になるかどうかを確認してみても良いでしょう。

3. 強豪チームでプレーできる!

スポーツ推薦で強豪校に入学できれば、優れた指導者やチームメイトに恵まれる可能性があります。また、強豪校は練習施設が充実していることも多く、競技の実力をより高めることができる環境が整っています。強豪校のチームに入ることで、甲子園、春高、インターハイなど、その種目をしている人なら誰もが憧れる舞台へ行ける可能性も高まります。競技によっては、オリンピックに出場することも夢ではありません。

4. 競技に専念できる

スポーツ推薦で高校に入学することが決まれば、中学3年の受験期でも競技に専念できるメリットがあります。
一般入試で高校を受験する場合は、一時的に競技を引退するので体力や技術が落ちてしまうこともありますが、スポーツ推薦であればそういった心配はありません。むしろ、進学予定の高校の練習に参加し、早期からチームに合流することも可能です。

スポーツ推薦|3つのデメリット

1. 周囲に気を遣う

スポーツ推薦は、一般入試よりも早い時期に合格が決まることが多いです。
ですから、自分の進路が決まってるからといって浮かれた発言などをしないよう、周りの同級生に対する配慮が必要です。
周りの同級生は高校受験に向けて緊張感を持って勉強しています。そのタイミングで一人だけ浮かれた雰囲気でいると、周囲の緊張感を乱してしまい、思わぬ軋轢が生じることもあります。

勿論、スポーツ推薦も立派な受験方法であり、これまでの部活動やクラブチームでの努力が合格に繋がっているため、喜んではいけない訳ではありません。
一般入試が終わるまでは頑張っている同級生を応援しつつ、気遣いのある行動を心がけましょう。

2. 部活を辞めにくくなる

スポーツ推薦は、高校入学後に同じ競技を続ける前提で受けることができる入試制度です。ですから、入学後に「別のスポーツをやりたくなった」「思った環境と違う」となったとしても、簡単には辞めることができません。
もし、高校入学後に部活を辞めた場合は、次年度以降のスポーツ推薦枠が無くなる可能性もあります。また、スポーツ推薦によって特待生制度を受けていた場合は、金銭的な援助も打ち切られます。
スポーツ推薦を利用して高校受験も目指す場合は、「よっぽどのことがない限り、3年間は部活動を辞めない」という強い意志が必要です。

3. 学業との両立の大変さ

スポーツ推薦で入学するような強豪校では、早朝練習などの厳しい練習スケジュールが組まれることが多く、学業とスポーツの両立が難しい場合があります。
また、成績が悪く赤点を取ってしまうと、部活動への参加を禁止されたり、大会に出場できなくなることもあります。
スポーツ推薦で高校を選ぶ際には、厳しい練習をこなしつつも平均程度の成績は取れるような「学力に余裕のある高校」を選択することが大切です。

まとめ

スポーツ推薦という制度は都道府県によって異なるため、最初はやや複雑に感じるかもしれませんが、志望校を絞り込んで調べればそこまで難解な制度ではありません。
スポーツ推薦を受けるためには、競技の技術だけでなく調査書(内申点)も重要になるので、まずは学業と競技の両立を目指して頑張っていただきたいと思います。

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