内申点の上げ方を徹底解説!|志望校合格に向けた勝利への方程式

公開日:2024年2月26日

今回のコラムでは、高校受験を控える保護者の方やお子さんに「内申点の上げ方」についてわかりやすく解説します。内申点とは、調査書に記載される「各教科の学習記録」の点数のことですが、保護者や生徒には公開されないため不安に思う方も多いのではないでしょうか?
内申点の仕組みやその計算方法、内申点アップのためのポイントや注意点を正しく理解し、志望校合格への最短距離を進みましょう!

内申点って何だろう?

内申点とは?

内申点とは、高校受験時に作成される「調査書」に記載される9科目の評定合計点のことです。この評定点は、これまでの通知表の成績(1〜5の5段階評価)を元に計算されます。ただし、「何年生の成績から加味するか?」「どの学年や科目を重視するか(特定の学年や科目を2〜3倍で計算する)」などは、各都道府県によって異なります。

調査書とは?

調査書とは、生徒の学力、学習態度、学校での活動などを総合的に評価し、学校の先生によって作成され、志望する高校へ提出される書類です。(内申書と呼ぶこともあります。)
調査書は生徒や保護者には公開されず、進学先の高校が入学を受け入れる際に、生徒の総合的な能力や素養を理解するための判断材料として使用されます。
つまり、「内申点」とは調査書の中に含まれる評価点(評定点)の部分を指します。

調査書に記載される内容

調査書は各科目の成績や授業態度、出席状況、学校での活動記録などを総合的に評価して記載されます。
都道府県によって書式は異なりますが、概ね、

  1. 基本情報
  2. 各教科の学習記録
  3. 学習時間(出欠)の記録
  4. 特別活動の記録(学校行事、生徒会・部活動など)
  5. 行動の記録
  6. 総合的な学習の記録

の6項目に分けて評価がされます。

勉強の成績だけではなく、「生徒の授業態度」「出席日数」「校内外での活動」なども評価の対象とされますが、これらは高校受験において均等に評価されるわけではありません。「2. 各教科の学習記録(内申点)」が最も重視されることを知っておきましょう。

内申点の重要性

内申点が高校受験に与える影響

内申点は、高校受験の合否に大きく影響します。内申点が高校受験の合否に影響する割合は、各高校や受験の形態(一般入試か推薦入試か?など)によって異なりますが、多くの場合約30〜50%程度です。
学力検査(入試テスト)を受ける前に、内申点によって志望校がある程度決まっていると言っても過言ではありません。
内申点が足りなければ、希望する高校を受験することすらできないこともあります。

内申点の採点の仕組み

内申点の計算方法は各都道府県によって様々です。各都道府県の教育委員会の判断で決まっています。ただ、共通していることは、

  • 9科目すべてが5段階評価される。
  • 中学3年生の成績は必ず加味される。

という点です。どの都道府県においても、直近の成績である中学3年生の成績が重要視されています。
また、「中学3年生の成績」や「技能4科目の成績」などは「2〜3倍計算」される傾向がよく見受けられます。「中学3年生の成績」は、直近の学力を表していることで重視される、と推察され、「技能4科目の成績」については、学力テストが実施されないため加点される、という理由が考えられます。

例として、関東1都6県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)と関西2府4県(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)の内申点計算方法をご紹介します。

関東1都6県の内申点計算方法
[東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県・栃木県・群馬県]

関西2府4県の内申点計算方法
[大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県]

このように、「何年生の成績から加味するか?」「どの学年や科目を重視するか?」は、各都道府県によって様々です。詳しくは、お住まいの都道府県教育委員会ホームページで詳細はご確認ください。

内申点を上げるためには?

次に、内申点を上げる具体的な方法について解説します。「何をすれば内申点が上がるのか?」が分かれば、逆に「やってはいけないこと」「やってもあまり意味が無いこと」にも気付くことができます。

定期テストの点数を上げる!

内申点は通知表の成績を基に計算されています。その通知表の成績に最も影響しているのは、断トツで「定期テストの点数」です。ですから、毎回の中間テストや定期テストで、少しでも良い点数が取れるように努力しましょう!

中学1年生・2年生の成績が加味される都道府県の場合は、その時点からテストの点数を意識するようにしましょう。
「1回1回のテストの成績によって、少しずつ自分の志望校の合否が決まってきているんだ」という認識を持つことが、テストへのモチベーションアップにもつながります。

逆に中学3年生からしか加味されない都道府県の場合でも、「中1・2年の間は内申点と関係ないからどうでもいいや。。」といったような油断は禁物です。なぜなら、中学3年生の勉強は中1〜2年生で習ったことが土台となっているからです。中1〜2年生でサボってしまった子が、突然中学3年生から良い点数を取ることはとても困難です。しかも、学力検査(当日のテスト)では中1〜3までの内容からまんべんなく出題されます。ですから、「中学3年生から勉強を始めればよい」といった考え方は大きな間違いなので注意しましょう。

勉強法やテスト対策についてもっと知りたい方はこちら
「学校の成績を確実に上げる方法|勉強法やテスト対策のやり方を伝授!」

提出物をきちんと出す!

通知表の成績では、「5段階評価(定期テストの点数)」とは別に「観点別評価」というものがあります。「観点別評価」はA・B・Cの3段階で評価されており、9科目すべてに対して評価されています。観点別評価は、下記の3項目について評価されます。

  1. 知識・技能
  2. 思考・判断・表現
  3. 主体的に学習に取り組む態度

このうち「3. 主体的に学習に取り組む態度」とは、簡単に言えば「授業態度」のことで、授業に取り組む生徒の姿勢や態度について評価する項目となります。
具体的な評価方法としては、ノートや提出物等における記述内容、授業中の発言や態度、学校生活における行動などになります。

つまり、提出物や宿題をきちんと出していることが評価につながるのです。 ただし、出していれば良いという訳でもなく、「答えを丸写ししたもの」や「書き方も乱雑でいい加減にやっているもの」などは、かえって逆効果になることもあるので注意しましょう。

私たちが過去に教えてきた子の中でも、「とにかく提出物と宿題だけはきちんと出していれば1は付かない=2にしてもらえる」や、「テストの点数は抜群に良かったのに、提出物を全く出さなかったことで4になってしまった」といった例は沢山耳にしてきました。
この項目は、定期テストの点数が悪い人でも評価を上げることができるので、しっかり点数を取っておきたいところです。

授業態度を改善する!

授業態度も同じく「3. 主体的に学習に取り組む態度」の評価に影響しています。 授業態度を評価してもらうためには、ただ真面目に授業を聞いているだけでは評価につながりません。私語や居眠り、ボンヤリ、落書き、失礼な態度や言動などをしないことは当たり前のこととして評価されるので、やっていれば悪い評価につながることこそあれ、やっていなかったからといって良い評価が付くこともありません。
良い評価につながる具体的な行動としては、「授業で積極的に発言・発表する」「わからない問題があれば質問する」といった積極的な学習姿勢が評価に繋がるのです。
この項目も、定期テストの点数が悪い人でも評価を上げることができるので、しっかり点数を取っておきたいところです。

調査書(内申書)についてもっと知りたい方はこちら
「調査書(内申書)について徹底解説!|高校受験に向けて正しく理解しましょう!」

成績以外で評価を上げるには?

上述したとおり、内申点とは調査書の「各教科の学習記録」に記載される内容ですが、それ以外の項目もあります。具体的には下記になります。

  • 学習時間(出欠)の記録
  • 特別活動の記録(学校行事、生徒会・部活動など)
  • 行動の記録
  • 総合的な学習の記録

これらの項目も評価の対象とされているのですが、影響は少ないと考えてください。

「学習時間(出欠)の記録」は出席日数のことですが、「欠席が多いと内申点に響くのでは?」と過度に心配する方がよくいらっしゃいます。
年間で10日以上の欠席がある場合はその主な理由が記載されますが、病欠などの一般的な欠席であれば問題ありません。また、欠席が1度も無いからといって評価が上がるわけでもありません。

また、「特別活動の記録(学校行事、生徒会・部活動など)」について、「部活に入っていれば内申点が上がる」「生徒会に参加すれば内申点が上がる」ということを期待している方もいらっしゃいますが、残念ながらほとんど加点されることはありません。

「行動の記録」は、中学生活についての所見や参考情報を担任の先生が短文で記載する項目です。「総合的な学習の記録」は「総合的な学習の時間」で取り組んだことについて記載されますが、どの生徒も似たような内容になることが多いと言われています。
どちらも、高校側は参考程度にしか扱わないので、内申点への影響はほとんど無いと考えてください。

また、一部の学校や学科では、英検漢検などの外部試験の結果を調査書に加点する、または合否判定の判断材料とすることがあります。
特に私立高校の英語学科などでは英検3級〜準2級以上を優遇することがよくあります。学校によってどの程度優遇するかにはばらつきがありますが、特に準2級以上を取得している場合は、高校の選抜要項などを確認しておきましょう。

英検取得による優遇制度についてもっと知りたい方はこちら
「高校受験で英検取得は有利になる!|内申点や加点の優遇措置について」

つまり、内申点を上げるためには「定期テストの点数」「提出物」「授業態度」を頑張ることが重要と言えるでしょう。その中でも「定期テストの点数」が断トツに影響が大きいので、頑張って成績を上げることが志望校合格へ直結する方法となります。

まとめ

内申点を上げるためには裏技や近道はありません。毎回の定期テストや提出物・授業態度を頑張り、コツコツ積み上げていくことこそ内申点アップへの最短ルートです。
長期戦になるので大変に感じるかもしれませんが、逆に言えば、何度かの失敗があったとしても、後々挽回することも可能であるということです。着実に積み上げていけば、きっと受験期になった時に大きな成果やアドバンテージになっているはずです。焦らず、根気強く頑張りましょう!

この記事を企画・執筆・監修した人

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この記事は、家庭教師のマスターを運営している株式会社マスターシップスの「家庭教師のマスター教務部」が企画・執筆・監修した記事です。家庭教師のマスター教務部は、教育関連で10年以上の業務経験を持つスタッフで編成されています。
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