大学受験の調査書とは?|調査書の内容や役割を徹底解説!

公開日:2024年4月4日

大学受験において必ず必要となってくるのが「調査書」です。「何が書かれているのだろう?」「受験にどのくらい影響するの?」など疑問に思っている方も多いはずです。2025年度からの様式変更も含め、調査書の内容や受験への影響まで徹底解説していきます!

大学受験の調査書とは?

調査書とは、在籍している高校または既卒の場合は卒業した高校から発行される書類のことで、高校での成績活動内容出席状況などが記載されている書類となります。
大学受験においては、「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」のいずれの方式においても、調査書の提出は必須となります。
特に、「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」などの推薦入試においては、調査書の内容が選考の際に重視されることも多く、また「一般選抜」においても学力検査と調査書の評価割合が同程度だった場合には、調査書の内容が重視されることがあります。

大学受験の調査書|記載される9つの項目

まずは、調査書には具体的に何が書かれているのかを見ていきましょう!
高校受験の場合、都道府県ごとに調査書の様式が異なりますが、大学受験の場合は文部科学省が指定した様式を使用することが定められています。
実際の調査書の様式を見ながら、項目別に内容を解説していきます!

参照: ※文部科学省「大学入学者選抜実施要項 調査書(様式)」

1.氏名、現住所、学校名、入学した年、卒業見込みの年

志願者の氏名、現住所、学校名、入学した年、卒業見込みの年などの情報がそのまま記載される欄です。

2.各教科・科目等の学習の記録

高校1年生~3年生の1学期までの全教科・全科目ごとの5段階評価取得単位数を記載する箇所になります。基本的に高校の通知表の結果をそのまま記載する形となります。

3.各教科の学習成績の状況

「科目ごとの平均」「全体の平均」それぞれの成績を記載する欄です。
「全体の平均」というのは、いわゆる「評定平均」のことです。「評定平均」とは全科目の評定(5段階)を足して、それを科目数で割った数字のことです。
「科目ごとの平均」というのはその中の科目別の成績となります。高校1年生~高校3年生の1学期までの全成績の平均を計算します。

4.学習成績概評

「評定平均」をA~Eの5段階に分けて見やすく表記した欄となります。

と決められています。
また、学年内でのA~Eのそれぞれの人数も併せて記載されます。

5.総合的な探求の時間の内容・評価

2022年度に変更された高校の学習指導要領にて新たに盛り込まれた、「総合的な探求の時間」に関する活動内容や、それに対する評価を記載する欄です。

6.特別活動の記録

学校行事における係や、委員会・生徒会での活動を記載する欄です。

7.指導上参考となる諸事項

「学習における特徴等」「行動の特徴・特技等」「部活動、ボランティア活動、留学・海外経験等」「取得資格、検定等」「表彰・顕彰等の記録」「その他」の6項目を学年別に記載する欄です。

8.備考

ここまでの項目において記載しきれなかったことや、大学側に伝えておきたいことを、高校側が記載する欄です。また、大学が指定する特定の分野で優れた学習成果があった場合も、この備考欄に記載する形となります。

9.出欠の記録

学年ごとの出席日数・欠席日数を記載する欄です。

大学受験の調査書|様式変更について

大学受験における現行の調査書は、2021年度の入試から変更されたものです。その際の変更点としては、上記「7. 指導上参考となる諸事項」の欄が現在の6項目に細分化されたという点です。また、「8. 備考欄」に「大学が指定する特定の分野での優れた学習成果」を記載するようになったのもこの変更時からです。
しかし教員の負担が大きすぎるという理由で、2025年度の入試から再度調査書の様式が変更されることが決定しています。既に変更内容は発表されており、また2021年度以前のように簡素化が進む形となります。

具体的な変更点としては、

  • 「6. 特別活動の記録」の簡素化
  • 「7. 指導上参考となる諸事項」の簡素化

の2点です。
「6. 特別活動の記録」に関しては、現在は学年ごとに文章で記載する形式となっていますが、変更後は「学校行事」「生徒会活動」「ホームルーム活動」の3項目に分類され、活動内容に問題が無ければそれぞれの項目に〇を付ける形式となります。
「7. 指導上参考となる諸事項」に関しては、現在の6項目の分類が無くなり、学年ごとに箇条書きをするような形式となります。

大学受験の調査書が合否に与える影響

ここまで調査書の各項目について見ていきましたが、そもそも調査書は大学受験の合否にどれほど影響を与えるものなのでしょうか。
「推薦入試」と「一般選抜」に分けて見ていきましょう。

1. 推薦入試の場合

いわゆる推薦入試と呼ばれる「総合型選抜」「学校推薦型選抜」においては、出願条件の中に、評定平均の基準が設けられていることがほとんどです。その際は、調査書の中の「3.各教科の学習成績の状況」が見られることになります。

さらに、「学校推薦型選抜」の中の「公募推薦」においては、面接・小論文・学科試験などの点数に加え、調査書を点数化したものをプラスして、選考を行う大学も多くあります。点数化の例としては、評定平均を×10倍して、50点満点にしたものをプラスする、という方式です。
面接の際に、調査書を見ながら質問をされるケースもよくあります。
また、私立大学の公募推薦においては、「調査書を加味する方式」と「調査書を加味しない方式」を選べるようになっている大学も近年多く見られます。

いずれにせよ、調査書の扱いに関しては各大学ごとに異なるため、志望校の入試要項をよく確認しておくことが大切です。そして、調査書が見られる場合には、項目の中でも「評定平均」が最も重視されることが一般的です

2.一般選抜の場合

大学受験においては、一般選抜でも調査書の提出は必須です。しかし、一般選抜における調査書の影響は限りなく少ないと言えます。
学力試験の結果、合格のボーダーライン上に複数人の受験者がいた場合に調査書を参考にすることがあるようですが、基本的には一般選抜において調査書は合否に影響しない。と考えて良いでしょう。


調査書を入手する際の4つの注意点

1. 申請は余裕を持って依頼する

調査書は自動的に配布されるものではなく、各自が「発行願」という書類を提出することで入手することができます。
「発行願」には保護者の署名・捺印が必要であることが多く、また、調査書の作成から発行までには時間を要するため、ほとんどの高校では「出願の〇週間前までに申請してください」といったルールを設けています。ですから、志望校の出願スケジュールを把握した上で、余裕を持って申請するようにしましょう。
特に、総合型選抜は9月頃から、一般選抜は1月頃から出願が始まるので、直前の申請となると夏休みや年末年始の休みと重なってしまい、最悪の場合「発行が間に合わない」という事態も有り得るので、注意が必要です。

2. 1件の出願ごとに調査書1通が必要

たとえ同じ大学の同じ学部・学科だったとしても、原則1件の出願ごとに1通の調査書が必要となります。
例えば総合型選抜で不合格だった大学・学部を、再度学校推薦型選抜や一般選抜で出願する際には、また調査書が必要になるということです。大学によっては、同じ大学の複数の学部に同時出願する場合は、調査書は1通で良いとされている場合もあるので、志望校の入試要項を確認し、合計何通の調査書が必要かを事前に把握しておきましょう。

3.開けたら無効

実際に調査書を受け取ると分かりますが、調査書は1通ずつ封筒に入れられ、しっかりと封がしてあります。これを開けてしまった場合は、その調査書は無効となります。もし中身が気になる場合は、事前に担任の先生に内容を質問してみましょう。高校の方針によっては、書かれている内容を教えてくれることもあります。

4. 調査書に記載して欲しい内容を先生に伝える

これは注意点というよりも、プラスαで出来ると良いことになりますが、前述のとおり、2025年度の入試から調査書は再び簡素化されることが決定しています。簡素化されるということは、高校の先生が記載をする際にこれまでよりも記載事項を限定する必要が出てくるということです。その結果、生徒側が調査書に記載して欲しい内容が記載されずに作成されてしまう。ということも考えられます。

生徒側の目線で言うと、調査書には、志望大学のアドミッション・ポリシー(入学者の受け入れ方針)に合う内容を記載してもらいたいところです。
そのような相談をすることによって、高校によっては調査書の記載内容を考慮してくれることもあるようなので、積極的に相談してみるのも良いでしょう。

まとめ

今回は大学受験における「調査書」について解説していきました。調査書は通常中身を見ることが出来ない分、その記載内容が気になる所ではあります。この記事によって、大学受験を考えている皆さんの調査書に対する理解が少しでも深まれば幸いです。

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