学校推薦型入試(旧・推薦入試)とは?他の選抜方法との違いも解説!

公開日:2024年3月25日

推薦入試で大学受験を考えているけれど、「そもそも推薦入試ってどんな仕組み?」「他にはどんな選抜方法があるの?」といった疑問を分かりやすく解説します!このコラムでは、「学校推薦型入試の特徴」や「選考までの流れ」「推薦入試の対策方法」まで徹底解説します!

大学入試の選抜方法は3種類

大学入試の選抜方法は大きく分けると3種類あります。
まずはそれぞれの違いを見ていきましょう。

1. 一般選抜

一般選抜とは、「大学が定める出願条件」を満たしていれば受験できる選抜方法です。
「高校を卒業した者」「高校卒業見込みの者」または「高校卒業と同等の学力と認められる者」を条件としている大学が多く、幅広い層が受験できる選抜方法となります。
選抜は毎年1月〜3月に行われ、「共通テスト」や「大学の個別試験」などの学力検査が重視されることが多いです。

2. 総合型選抜(旧・AO入試)

総合型選抜とは、書類審査面接を通して、志願者本人の能力や大学入学への適正を「総合的に判断」する選抜方法となります。
「3. 学校推薦型選抜」との大きな違いは、出身高校からの推薦が不要で、自己推薦であるという点です。
実施される時期は大学ごとに大きく異なり、毎年8月〜12月頃に行われることが多く、学校推薦型選抜と比べると選抜期間が長い傾向にあります。

3. 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)

学校推薦型選抜とは、出願時に出身高校の推薦書が必要となる選抜方法のことです。(※2021年度より「推薦入試」から「学校推薦型選抜」に名称が変更されました。)
高校での成績や経験が重視されるため、高校の評定平均が一定水準を超えていないと出願できないことが多いです。
選抜は毎年11月〜12月頃に行われることが多く、「公募推薦」「指定校推薦」の2種類に分かれます。

近年では、2. 3. のいわゆる推薦型の入試を利用した入学者が増加しており、私立大学ではその割合が50%を超えています。

今回は、「3. 学校推薦型選抜(旧・推薦入試)」に焦点を当てて解説していきます。

学校推薦型選抜の特徴

学校推薦型選抜の最大の特徴は、「出身高校の推薦書が必要」であることです。
つまり、評定平均などの推薦基準を満たし、高校からの推薦書をもらうことが、受験する上での大前提となります。

また、出身高校から推薦されているという性質上、合格した場合は必ずその大学に入学する必要があります。そのため、複数の大学に出願することはできず、1つの大学を専願受験することになります。

また、2021年度以降、学校推薦型選抜における選考方法は多様化が進んでおり、調査書や推薦書などの書類審査だけではなく、いわゆる学力の3要素(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性」)を測ることが原則となっています。そのため選考の際は、「小論文」「口頭試問」「実技」「学力検査」「資格・検定試験の成績」「大学共通テスト」等のうち最低1つを活用するように定められています。

参照:文部科学省「令和6年度大学入学者選抜実施要項について」

学校推薦型選抜は2種類ある!

学校推薦型選抜は、「公募推薦」「指定校推薦」の2種類に分かれます。
どちらも出身高校からの推薦が必要な点は同じですが、「公募推薦」はどの高校からも出願できるのに対し、「指定校推薦」は大学から推薦校として指定されている高校からしか出願できません。
それでは、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

1. 公募推薦

出身高校の校長からの推薦があり、大学の出願条件を満たしていれば出願することができるのが「公募推薦」です。
公募推薦はさらに「公募制一般選抜」「公募制特別推薦選抜」に分かれます。

公募制一般選抜

高校の成績など、大学が定める出願条件を満たしていて、校長からの推薦がもらえれば誰でも出願することができるのが「公募制一般選抜」です。
この選抜方法は、私立大学だけではなく、国公立大学でも実施されています。
ただ、出身高校の制限がなく全国のどの高校からも幅広く出願ができるため、人気大学や学部に関しては高倍率になることが多く、後述の「指定校推薦」のように高確率で合格できるわけでは無いことが特徴です。
公募制一般選抜は、高校の定期テストなどで高い点数を取っており、評定平均が高い人が有利になる選抜方法となります。

公募制特別推薦選抜

「公募制特別推薦選抜」とは、いわゆる「特別推薦」「ユニーク推薦」と呼ばれる選抜方法になります。
高校での評定や成績以外の部分、例えばスポーツ、文化活動、課外活動、資格などの特定の分野で優れた実績がある人を対象に選抜が行われる制度となります。
どのような分野・内容で選考が可能かは、大学によって大きく異なるので、各大学の募集要項を確認する必要があります。

例えば、大学によっては「一芸一能」という評価基準もあり、ダンス、カルタ、将棋など、自身の趣味や好きなことに関連した内容で出願することも可能です。
ただし、出願には高校の校長からの推薦が必要となるので、大会での実績等が無ければ、そもそも高校からの推薦を貰うことが難しいです。

高校の推薦入試についてもっと知りたい方はこちら
「公募推薦ってどんな仕組み?│指定校推薦との違いも解説!」

2. 指定校推薦

「指定校推薦」とは、基本的に私立大学が実施している選抜方法で、大学が指定している高校の生徒のみ出願が可能な制度となります。
高校ごとに指定校推薦の枠は限られているため、その枠よりも希望者が多い場合は、校内選考が行われることになります。
あらかじめ高校内で厳しい選考が行われている前提となるため、高校からの推薦が貰えた場合は、かなりの高確率で合格することができます。
しかし、大学入学後に「素行が悪い」「成績が著しく低い」というようなことがあった場合、出身高校の推薦枠が減らされてしまうことがあるなど、入学後の責任が伴う制度となります。

学校推薦型選抜についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「大学指定校推薦の仕組み|校内選考の基準や対策を解説!」


学校推薦型選抜の「出願条件」から「選考方法」まで

ここまで、大学入試における選抜方法や、学校推薦型選抜に関する基礎知識を解説しました。次は、実際の出願条件や、具体的な選考の方法を見ていきましょう!

1. 出願条件

学校推薦型選抜においては、基本的に「高校の評定平均」に対して一定の基準を設け、それを出願条件としていることが多いです。
基準は大学ごとに様々で、単純に「全科目の評定平均が4.0以上」のような場合もあれば、「全体が4.0以上で、かつ英語は4.5以上」のように特定の科目が重視されることも多いです。
また、「高校で生物を必ず履修していること」や「英検〇級以上、TOEIC〇〇点以上」など、評定以外にプラスαの基準を設けている大学や学部もあります。
高校での文理選択などにも関わって来るので、志望校の出願条件は早めに確認しておきましょう。

2. 評定平均とは?

「評定平均」とは、全科目の評定(5段階)を足して、それを科目数で割った数字のことです。
小数点第2位以下は四捨五入されるので、3.5や4.2というような数字で表されます。また、高校1年生〜高校3年生の1学期までの全ての成績を対象に計算されるので、高校入学時から気を付けておく必要があります。

高校によっては、10段階評価の高校もありますが、その場合は高校ごとの基準で10段階を5段階に換算した数値で計算がされます。ただし、その換算の計算方法は高校によって違いがあるので注意が必要です。(例えば、9,10のみを5に換算する高校もあれば、8,9,10を5に換算する高校もあるということです。)

また、評定点は定期テストの点数だけで決められるわけではありません。
特に2022年度から実施されている新学習指導要領では「知識および技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つの観点を評価に加味することが推奨されているので、これらの評価にも注意が必要です。

3. 選考方法

学校推薦型選抜においては、調査書や推薦書などの出願書類が最も重視されますが、それだけではなく、その他の選考方法も用いて総合的に合否判断がなされます。
その他の選考方法は、主に「書類審査」「小論文」「面接」ですが、他にも「学力試験」「大学入学共通テストの結果」を用いる場合があります。
いずれにしても、短期間で対策することが難しいものが多いので、志望校の募集要項は早めに確認し、対策しておくことが重要です。

参照:
文部科学省「令和6年度大学入学者選抜実施要項 第3-1」より
文部科学省「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告」

学校推薦型選抜への3つの対策

1. 高校の評定を上げておく

学校推薦型選抜で大学受験を考えているのであれば、高校の評定を上げておくことは必須となります。
前述の通り、評定は基本的に高校1年生から加味されるので、入学当初から学校の勉強に真摯に取り組むことが大切です。
また、評定は定期テストの点数だけではなく、学習に取り組む姿勢や生活態度なども含めて評価されるため、提出物や欠席日数などにも配慮しておく必要があります。

2. 志望校の募集要項を確認

志望校の募集要項も早い段階で確認しておく必要があります。
大学入試において、その仕組みや内容をしっかりと理解しておくことが合格への近道と言えます。

特に学校推薦型選抜においては、2021年度以降、多面的な選考を行っていくことが定められており、大学ごとに選考方法が多様化しています。
出願条件に何らかの資格の基準があるのであれば、それに対する対策を早めに取り組む必要がありますし、特定の科目を履修していることが条件になっているのであれば、その科目を履修しなければ出願できなくなってしまいます。

また、選考において「小論文」が課せられるのか、「面接」なのか、「学力試験」なのか、によっても学習プランは大きく変わってきます。
大学から資料を取り寄せたり、募集要項をしっかり確認するなどして、早めに対策の方向性を決めておくことが重要となります。

3. 大学入学共通テストなどへの対応

近年、学校推薦型選抜においては、「書類審査+学力試験+面接」というような形で学力試験を課す大学も増えてきており、その学力試験が「大学入学共通テスト」であることがよくあります。そのため、共通テストなどの「学力試験」に対する対策は行っておくべきです。
また、学校推薦型選抜での入学をメインで考えていたとしても、万が一不合格であった場合のことも考えておく必要があります。特に学校推薦型選抜は毎年11月〜12月頃に行われるため、その結果を受けてから一般選抜の準備をするのでは到底間に合いません。そういった意味でも、学力試験に対する対策は行っておくようにしましょう。

まとめ

今回のコラムでは、大学の推薦入試に関して解説しました。
既に私立大学入学者の半数以上が利用していると言われる選抜方法で、今後もさらにその枠は増加することが予測されます。まずは推薦入試の仕組みを理解することが合格への第一歩です。この記事が少しでも、推薦で大学入学を考えている方の助けになればと思っています。

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