発達障害のある高校生の特徴について

公開日:2024年5月13日

このコラムでは「発達障害のある高校生」について詳しく解説します。発達障害(ASD・ADHD・LD・SLD)を抱える高校生の具体的な特徴や困りごと、そのストレスを軽減するための解決策についてもご紹介します。

発達障害とは?

発達障害は、一般的に下記のタイプに分類されます。

  1. ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)
  2. ADHD(注意欠如多動症)
  3. LD・SLD(限局性学習症)

1人のお子さんが複数のタイプに分類されることも多く、明確な境界線はほとんどありません。例えば、「突発的な行動が多い(ADHDの特徴)」と「こだわりが強い(ASDの特徴)」が併発しているケースもよくあります。
ですので、発達障害の傾向がある高校生の場合、保護者と生徒本人が、自分の特性について正しく把握し、学校生活の中でどのような困難があるのかを見極めることが非常に重要です。
「適切な対策方法」を知ることによって、問題なく学校生活を送り、希望する進路選択ができる子も多いため、まずは自分自身の特徴について知ることから始めましょう。

発達障害のある高校生の特徴とは?

ASD(自閉スペクトラム症)の場合

ASDは「自閉スペクトラム症」「アスペルガー症候群」の2つの症状があります。これらの症状を持つお子さんは、人間関係の構築コミュニケーションに困難を抱えやすい傾向があります。
特に高校生になると、学校内の友人だけではなく、外部との新しい出会いも増えるため、様々なコミュニティーにうまく馴染めず、トラブルや困難を抱えることが多くなります。

自閉スペクトラム症の高校生

ASDの中でも「自閉症の傾向」が強い人は、以下のような特徴がみられます。

  • 自分の興味がある話ばかりを続ける
  • 相手の話を遮ってまで自分の話をすることがある
  • 文化祭や体育祭などの活動の参加に消極的

これは、「相手の気持ちを理解することが難しい」ために起こる行動です。また、特定の事柄に対するこだわりが極端に強く、例えば、既存の予定やルールが変更されることに対して過度のストレスを感じてしまうことや、「制服の肌ざわり」などを必要以上に気にしてしまう傾向(感覚過敏)があります。

アスペルガー症候群の高校生

ASDの中でも「アスペルガー症候群の傾向」が強い人は、以下のような特徴がみられます。

  • 悪気なく失礼な発言をしてしまうことがよくある
  • 冗談を言葉通りに真に受けてしまう
  • 「もう少し」「だいたい」などの曖昧な表現を理解できない
  • 言葉のニュアンスをキャッチできない

これらは、表情や仕草といった非言語的なニュアンスを読み取ることが難しいために起こる行動です。言葉の裏の意味やそれとなく匂わせるような発言を理解できず、周囲の人たちとトラブルに発展したり、誤解を招いたりすることがあります。

ADHD(注意欠如多動症)の場合

ADHDには「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状があります。それぞれには異なった症状が見られます。

「不注意」の傾向がある高校生

ADHDの中でも「不注意」の傾向が強い人は、以下のような特徴がみられます。

  • マークシートの解答欄がすべてズレてしまうようなミスをよくする
  • テストで氏名などを書き忘れてしまうようなミスをよくする
  • 集中力が持続できない、授業を最後まで聞けない
  • 頻繁に忘れ物や落とし物をする
  • 重要な書類などを頻繁になくしてしまう

これらは「集中力を継続することが難しい」ために起こる行動です。
高校生になると提出物や課題の量や種類が増えるため、これらを適切に管理することができず、提出期限までに終わらせることができないなどの問題が頻繁に生じます。

「多動性」の傾向がある高校生

ADHDの中でも「多動性」の傾向が強い人は、以下のような特徴がみられます。

  • 一つのことを継続して集中できない
  • 貧乏ゆすりなどの細かい体の動きが止まらない
  • 計画通りに物事を進めることができない
  • 中長期的な物事を最後まで継続できない

これらは「行動のコントロールが苦手」なために起こる行動です。高校生になるとテスト範囲が広くなるため、計画的にテスト勉強を進めることが必要となるのですが、多動性の傾向が強い人は勉強を継続して集中できず、十分な学習時間を確保できないことがあります。その結果、テストの点数が悪くなり、留年退学といった危機に直面するようなこともあります。

「衝動性」の傾向がある高校生

ADHDの中でも「衝動性」の傾向が強い人は、以下のような特徴がみられます。

  • カッとなってしまい暴言を吐いてしまうことがよくある
  • 衝動的にゲームやスマホアプリへの多額の課金をしてしまう
  • 異性とのトラブルを起こしてしまう
  • よく考えずに突発的な行動や判断を行う(暴走してしまう)

これらは「感情のコントロールが苦手」なために起こる行動です。自分の感情や衝動をうまく制御できないため、学校生活では同級生との喧嘩やトラブルが起こりやすくなり、学校外では非行に走りやすい傾向があります。また、トラブルの結果「停学」や「退学」といったことに発展する可能性もあるので注意が必要です。

LD・SLD(限局性学習症)の場合

LD・SLDは、学習分野で困難が生じる発達障害です。具体的には「読字障害」「書字障害」「算数障害」の3つの症状があります。

「読字障害」の傾向がある高校生

「読字障害」は、コミュニケーション能力や他の科目に問題がない一方で、文章の読解だけが極端に苦手といった特徴があります。「読字障害」の傾向が強い人は、以下のような特徴がみられます。

  • 似た形の文字を区別できないことがある
  • 文章を読んでいる時に、読んでいる場所を頻繁に見失う
  • 文章を逆から読んでしまう
  • 文章の文字がかすむ、文字が動くように見えてしまう
  • 黒板の板書ができない

高校生になると、読解問題や文章問題が長文化し、その複雑度は増します。解き方自体は理解できているのに、問題文の趣旨や指示を読み取ることができず、解答できないようなことがよくあります。その結果、思うようにテストで点数が取れず、特定の科目において単位が取得できないようなことがあります。

「書字障害」の傾向がある高校生

「書字障害」は、コミュニケーション能力や他の科目に問題がない一方で、文字の書き取りや作文にのみ困難が生じるという特徴があります。
「書字障害」の傾向が強い人は、以下のような特徴がみられます。

  • 文章は理解できるが、ノートに書き写すことができない
  • 鏡文字を書いてしまう
  • 自分でも読めないような文字を書いてしまう
  • 作文などで、書いた文字がマスから大きくはみ出てしまう
  • 句読点を適切に入れることができない

高校生になると、複雑な英単語や漢字が増えるため、「書字障害」の傾向が強い人は苦労しやすくなります。また、大学受験では小論文が必要とされる学校も増えているため、不利になることがあります。

「算数障害」の傾向がある高校生

「算数障害」は、コミュニケーション能力や他の科目に問題がない一方で、数学の能力(計算)のみが極端に苦手な特徴があります。
「算数障害」の傾向が強い人は、以下のような特徴がみられます。

  • 計算問題はできるが、文章題の式が立てられない
  • 図形問題だけが極端に苦手
  • 時計を読むことに異常な時間がかかる
  • 九九をよく間違える

「算数障害」を持つ人は、特に理系科目について大変苦労するので、理系分野を諦めて、文系での入試を考える人が多くなります。
また、日常生活においても「お釣りの計算ができない」「簡単な計算に時間がかかる」などの困りごとが増えます。

高校生の発達障害が引き起こす二次障害

高校生になると周囲の人たちは成長し知識も増えていくので、自分の苦手な部分がより目立つようになります。
発達障害による困難やトラブルが続くことで、自分自身への自信や自己肯定感が下がる現象を「二次障害」と呼びます。二次障害によって引き起こされるトラブルには以下のようなものがあります。

  • うつ病などの精神疾患
  • 不登校
  • 学業不振による留年
  • 非行による停学や退学

二次障害を防ぐためには、生徒の困難に対し適切な対応をとることが重要です。
また、学校生活の中で生きづらさを感じた場合は、周囲からのメンタル面のフォローや自己肯定感が上がるための適切なサポートが必要となります。

高校生の発達障害に対する3つの解決策

1. 学校への相談

2016年4月に施行された障害者差別解消法により、国公立学校は障害のある生徒とそうでない生徒が平等に学べる環境を整えることが義務化されました。
具体的には、障害のある生徒が学校生活において不利にならないよう、ルールを変更したり調整したりする「合理的配慮」が義務づけられています。
この「合理的配慮」は小中学校だけではなく、高校でも適用されています。

ただし、高校生の場合、発達障害であること自体が認識されづらく、「合理的配慮」を受けられないことがあります。そのため、保護者は積極的に子供に関する情報を学校と共有し、適切な対応を求める必要があります。
学校との情報共有により、プリントのフォントをより見やすいものに変更する、生徒がパニックになりにくい席を用意するなど、生徒の特性に合わせた学習支援が提供されやすくなります。

参照:千葉県HP「合理的配慮事例集」

2. 学習面のフォロー

高校に進学すると、授業の難易度が飛躍的に上がり、授業のペースも速くなります。また、中間テストや期末テストなどの定期試験の範囲も広くなるため、目標に向けて計画を立て、実行する能力も必要となります。
しかし、発達障害のある高校生は、毎日の自宅学習やテスト勉強の計画を継続・実行することを苦手とする傾向があります。これらをお子さんの特性に合わせて柔軟に学習支援を行ってくれる塾や家庭教師にサポートしてもらうことも一つの有効な手段として考えられます。

3. 通信制高校への転校

通信制高校では、生徒が自宅で学習を行うことができ、学校への通学が不要になります。自分の選んだ場所で学べるという柔軟性が、通信制高校の魅力の一つです。
この柔軟性により、発達障害のある生徒や不登校の生徒など、さまざまな背景を持つ生徒が受け入れられています。
通信制高校では、通学の頻度や学習場所も生徒の特性に合わせることができるため、発達障害を持っていてもストレスなく学習を続けることができます。また、通信制高校は、全日制高校と同じく、高校卒業資格が得られますので、大学や専門学校への進学も可能です。
ですから、全日制高校に通い続けることが困難な場合は、通信制高校へ転校するという選択も一つの方法です。

通信制高校についてもっと知りたい方はこちら
「通信制高校とは?気になる仕組みを徹底解説!」

まとめ

今回は、「発達障害のある高校生」について解説しました。
高校生になると様々な地域から人が集まるため、小中学生の頃と比べ、人間関係に関する悩みが多くなると思います。本コラムが、発達障害に悩むお子さんや親御さんへの手助けになれば幸いです。

家庭教師のマスターでは、発達障害の傾向が強い高校生への学習フォローも行っています。ご相談だけでも構わないので、心配事がありましたら気軽にご連絡ください。

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この記事は、家庭教師のマスターを運営している株式会社マスターシップスの「家庭教師のマスター教務部」が企画・執筆・監修した記事です。家庭教師のマスター教務部は、教育関連で10年以上の業務経験を持つスタッフで編成されています。
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