小中学生の発達障害の割合とは?|クラスに2〜3人は“特性のある子”がいる時代

公開日:2026年1月19日
更新日:2026年1月19日

「最近、発達障害の子どもが増えている気がする…」そう感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、小・中学生における発達障害の割合を最新データとともにご紹介し、診断を受ける子が増えている背景や、学校での支援体制の変化についてもわかりやすく解説します。

目次

発達障害とは?|まずは基本的な理解から

子どもの「発達障害」という言葉を耳にする機会が増えていますが、その意味や背景を正しく理解している方は少なくありません。
ここでは、まず発達障害の基本的な考え方と主なタイプをわかりやすく整理し、支援を考えるうえで大切な視点を紹介します。

1. 「脳の発達の特性」によって得意・不得意の差が生まれる

発達障害は、脳の発達の特性によって、情報の受け取り方や考え方、行動の仕方に独自の傾向が見られる状態を指します。
例えば、ある分野では非常に優れた力を発揮する一方で、別の分野では極端に苦手さが出るなど、能力のバランスに大きな差が見られるのが特徴です。

これは「しつけの問題」や「努力不足」ではなく、生まれつきの脳の特性に関わるものであり、本人の意思で変えられるものではありません。
そのため、周囲の理解や環境の工夫によって、子どもが本来の力を発揮できるように支援していくことが大切です。

参照:厚生労働省「発達障害の理解のために」

2. 主な3つのタイプと特徴

発達障害にはいくつかのタイプがありますが、学校や家庭でよく見られるのは次の3つです。
それぞれの特徴を知ることで、お子さんの行動の「なぜ?」が少しずつ理解しやすくなります。

注意欠如・多動症(ADHD)|集中・衝動・切り替えの難しさ

ADHDの子どもは、注意が続きにくい・衝動的に行動してしまうなどの傾向があります。
興味があることには夢中になれる一方で、苦手な課題ではすぐに気が散ってしまうこともあります。
また、思いついたことをすぐ行動に移したり、順番を守るのが難しかったりするため、周囲からは「落ち着きがない」と見られがちです。ただし、発想力や行動力に優れている面もあり、環境が合えば大きな力を発揮できる特性です。

自閉スペクトラム症(ASD)|コミュニケーションやこだわりの特性

ASDの子どもは、人とのやりとりや言葉の理解に独自の特徴が見られます。
相手の気持ちを読み取ることが難しかったり、冗談やあいまいな表現を理解しづらかったりします。
また、物事の順序やルールに強いこだわりを持つことが多く、予定が急に変わると不安を感じる場合もあります。一方で、興味のある分野では深い集中力を発揮し、専門的な知識や観察力に優れている子も少なくありません。

学習障害(LD)|読み書きや計算など特定分野での困難

LDは、知的発達に遅れがないにもかかわらず、読み・書き・計算といった特定の学習分野でつまずきが見られる特性です。
例えば、文字を読むのに時間がかかる、文章を理解しにくい、計算手順を覚えにくいなどが挙げられます。本人の努力不足ではなく、脳の情報処理の仕方に違いがあるために生じるもので、早期の理解と支援が重要です。

3. 「できない」ではなく、「特性がある」という視点で理解する

発達障害を理解する上で最も大切なのは、「できない」ではなく「特性がある」という視点を持つことです。
苦手な部分にばかり注目するのではなく、「得意なこと」「興味を持てること」に目を向けることで、子どもは自信を取り戻し、学びに前向きになっていきます。

家庭や学校では、周囲の大人が環境を整え、理解を示すことが最大の支援になります。
一人ひとりの特性に合った関わりを通して、子どもが自分らしく成長できる道を一緒に探していくことが、何より大切です。

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小中学生における発達障害の割合|約11人に1人の割合に

子どもの発達特性に対する理解が広がる中で、「実際どのくらいの割合で発達障害の子がいるの?」という疑問を持つ保護者の方も多いでしょう。
ここでは、文部科学省が公表した最新データをもとに、小中学生における発達障害の割合や背景について解説します。

1. 文部科学省の最新調査では8.8% ― クラスに2〜3人の割合

文部科学省が令和4年度に実施した「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある児童生徒に関する調査」によると、小・中学生全体の約8.8%(約11人に1人)に、学習面や行動面で著しい困難が見られることがわかりました。
この割合を1クラス30〜35人で考えると、およそ2〜3人の子どもに特性がある計算になります。

この数値は、平成24年度の前回調査(6.5%)から約2ポイント増加しており、「特性を持つ子どもがより見つけられるようになった」ことを示しています。つまり、単純に発達障害が「増えた」というよりも、学校現場や家庭での理解と気づきが進んだ結果とも言えます。

参照:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」

2. 発達障害は男の子に多い?|男女比の傾向

発達障害は男女ともに見られますが、調査や臨床の現場では男の子の方が多い傾向があります。
文部科学省の報告によると、発達障害の可能性がある児童生徒のうち、男子は女子の約2倍程度とされています。

その理由のひとつに、男の子は行動面での特徴(多動・衝動など)が目立ちやすく、早い段階で気づかれることが多い点が挙げられます。
一方、女の子は集団になじむ力が高く、困りごとを内面に抱え込みやすい傾向があり、支援が必要になるまで気づかれにくい場合もあります。
性別によって現れ方が違うことを知るだけでも、子どもをより適切に理解する手がかりになります。

参照:国立特別支援教育総合研究所「自閉症が男子に多いのは?」

3. 診断を受けていない「グレーゾーン」の子どもも多い

実際の学校現場では、診断を受けていなくても、発達の特性をもつ「グレーゾーン」の子どもが少なくありません。
調査の「8.8%」には、医師の診断がある子どもだけでなく、担任の先生が「学習や行動で著しい困難がある」と感じた子どもも含まれています。

つまり、支援が必要な子どもの数は、診断の有無を超えてさらに多い可能性があります。
学習のつまずきや集団行動の難しさなど、小さなサインを早めに見つけ、学校や家庭が連携してサポートを始めることが重要です。

発達障害グレーゾーンの中学生についてもっと知りたい方はこちら
「発達障害グレーゾーンの中学生の特徴|判断の仕方やサポート方法について」

4. 数字の背景にある「気づきの広がり」と支援環境の変化

発達障害に関する認識は、ここ10年ほどで大きく変わりました。
教育現場では「合理的配慮」や「個別の教育支援計画」が整備され、通常学級に在籍しながら支援を受ける子どもが増えているのが現状です。

また、教員研修や発達支援センターなどの専門機関との連携も進み、“特性を理解し、支える”という意識の広がりが数字の上昇につながっています。
これは決して「発達障害の子が増えた」というネガティブな話ではなく、「一人ひとりの特性を見逃さず支援できる社会へ変わってきた」という前向きな変化といえます。

「発達障害の子が増えた」と感じるのはなぜ?|社会の3つの変化

「昔より発達障害の子が増えた気がする」という声をよく耳にします。
確かに、発達障害という言葉が一般にも浸透し、学校や家庭で話題に上る機会が増えました。
しかし実際には、“子どもが増えた”というよりも、社会全体の見方や支援の仕組みが変わってきたことが大きな要因です。
ここでは、その背景となる3つの変化を見ていきましょう。

1. 診断基準や支援制度の拡充で対象が広がった

一つ目の理由は、診断や支援の対象が広がったことです。
以前は発達障害という診断がつくのは、行動や学習の困難が明確に見られる一部の子どもに限られていました。
しかし近年では、国際的な診断基準(DSMやICD)の改訂などにより、より幅広い特性をもつ子どもが支援の対象として認識されるようになっています。

また、教育現場でも「発達障害」という枠組みを超えて、グレーゾーンを含む子どもへの支援体制が整備されてきました。
例えば、「合理的配慮」や「個別の教育支援計画(IEP)」など、特性に合わせた指導や環境調整が進んでいます。
こうした制度的な広がりが、「発達障害の子が増えた」と感じられる背景にあります。

2. メディアやSNSを通じた情報発信で認知が進んだ

二つ目は、情報発信の増加による認知の広がりです。
テレビや新聞だけでなく、YouTubeやSNSなどで専門家や当事者の声に触れられるようになり、発達障害が“特別なもの”ではなく身近な話題として理解されるようになりました。

特にSNSでは、実際に子育てをしている保護者や、発達特性を持つ大人の体験談がリアルに発信されています。
これにより、「うちの子にも似ているかもしれない」「もしかしたら特性があるのかも」と、早い段階で気づく家庭が増えたのです。
情報へのアクセスが容易になったことで、保護者自身が知識を得て行動できる時代になったとも言えます。

3. “個性”として見過ごされていた特性が、支援の対象として理解されるようになった

三つ目の理由は、社会全体の価値観の変化です。
かつては、「人と違う」「落ち着きがない」「こだわりが強い」といった特徴があっても、“個性”や“性格”の一部として片付けられることが多くありました。
しかし近年は、そうした特性の裏にある発達の違いが理解されるようになり、支援が必要なサインとして受け止められる社会に変わりつつあります。

この変化の背景には、教育現場での特別支援教育の推進や、多様性を尊重する考え方の広がりがあります。子どもの「困りごと」に寄り添う姿勢が社会的に重視されるようになったことで、早期支援・早期理解の体制が整ってきたのです。

学校での支援体制と実際の割合|通常級・支援級・通級指導の現状

発達障害や発達特性をもつ子どもたちは、現在では多様な形で学校生活を送っています。
「特別支援学級」や「通級指導教室」だけでなく、通常の学級に在籍しながら個別支援を受けるケースも増えています。
ここでは、学校で受けられる支援の仕組みと、実際の割合について見ていきましょう。

1. 学校で受けられる3つの支援スタイル

現在の小・中学校では、子どもの特性や支援ニーズに合わせて、主に次の3つの形で支援が行われています。

1. 通常の学級での支援

担任の先生が子どもの特性を理解し、学習の進め方や声かけ、座席の配置などを工夫して対応します。例えば、集中が途切れやすい子には課題を細かく区切る、感覚が過敏な子には静かな環境を整えるなど、日常の中で無理のない配慮が行われています。

2. 特別支援学級

発達障害や知的障害などの特性に応じて、少人数で学ぶクラスです。個々の理解度に合わせた指導を受けることができ、安心できる環境で学習や生活の力を伸ばすことを目的としています。

3. 通級による指導(通級指導教室)

普段は通常学級で学びながら、週に数時間だけ別室で専門の先生から個別の支援や訓練を受ける仕組みです。
学習面や社会面のサポートを並行して受けることができ、柔軟な支援スタイルとして広がっています。

特別支援学級についてもっと知りたい方はこちら
「特別支援学級に入る基準とは?|判断の目安と入級までの流れを解説」

2. 通常学級に在籍しながら支援を受ける子どもが増加

文部科学省の調査によると、通常の学級に在籍しながら特別な支援を受けている児童生徒の割合は年々増加しています。
2022年度の時点では、その割合は約8.8%。10年前(2012年度)と比べるとおよそ1.4倍に増えています。

この背景には、教師が子どもの特性を理解し、早期に気づいてサポートにつなげる体制が整ってきたことがあります。「支援が必要=特別扱い」ではなく、一人ひとりに合った学びを支える“当たり前”の取り組みとして定着しつつあるのです。

3. 特別支援学級・通級指導の利用状況と実際の割合

特別支援教育が制度化されて以降、特別支援学級や通級指導教室を利用する子どもの数も増加傾向にあります。

文部科学省の統計(令和5年度)によると、全国の小中学生のうち
・特別支援学級に在籍している児童生徒は約3.5%
・通級による指導を受けている児童生徒は約2.5%
となっています。

これらを合わせると、全体の約6%が何らかの形で専門的支援を受けていることになります。通常学級での支援も含めれば、10人に1人以上の子どもが特別な配慮や支援を受けているというのが、現在の学校の実情です。

参照:文部科学省「令和5年度通級による指導実施状況調査結果」

4. 学校と家庭の連携が子どもの成長を支える

子どもの特性に合った支援を続けていくためには、学校だけでなく家庭との連携が欠かせません。
学校での様子を共有し、家庭での過ごし方や声かけを一緒に考えることで、子どもが安心して生活のリズムを整えやすくなります。

また、担任や支援コーディネーターと定期的に話し合うことで、支援のズレを防ぎ、成長の変化を早くキャッチできるという利点もあります。
保護者と学校がチームとして連携することが、子どもが自分の力を発揮できる最良の環境づくりにつながります。

まとめ

発達障害の子どもが「増えた」と言われる背景には、特性への理解や支援の仕組みが広がってきたという社会の前向きな変化があります。
今や、クラスに2〜3人は発達特性をもつ子がいる時代です。大切なのは、数字にとらわれることではなく、一人ひとりの違いを理解し、安心して学べる環境を整えていくことです。
子どもの特性を正しく理解し、学校・家庭・地域が連携して支えていくことが、これからの教育に求められる大切な姿勢といえるでしょう。

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