不登校の定義とは?|文部科学省の基準と正しい理解、家庭の対応まで解説

公開日:2025年9月30日
更新日:2025年9月30日

「不登校」とはどんな状態を指すのでしょうか?
このコラムでは、文部科学省の定義をもとに、登校しない理由の多様化や誤解されがちなケース、ホームスクーリングとの違い、制度支援や学校復帰にとらわれない学び方について解説します。
不登校への正しい理解と対応を考えるための一助となる内容です。

目次

不登校とは?|文部科学省による定義をわかりやすく解説

不登校という言葉は広く知られるようになりましたが、「具体的にどういう状態を指すのか?」「誰が不登校と判断するのか?」といった定義面は意外とあいまいに理解されがちです。
ここでは、文部科学省が定める公式な定義をもとに、不登校の基準や含まれる・含まれないケース、誤解されやすいポイントなどについて、わかりやすく整理していきます。

1. 「不登校」の正式な定義とは?(年間30日以上の欠席+その理由)

文部科学省は、不登校を次のように定義しています。

「病気や経済的理由を除いて、年間30日以上学校を欠席している児童生徒のうち、
心理的・情緒的な要因等により登校しない者」

この定義のポイントは大きく2つあります。
1つ目は「欠席日数が年間30日以上」であること、2つ目は「登校しない理由が本人の内面の問題や環境的なストレスに関係している」ことです。

この「30日」という基準は、学期を通じて不定期に休みが続いたケースでも、合算すれば該当します。つまり、「月に2〜3日休む状態が長く続いていた」ようなケースでも、年間で見た時に30日を超えれば不登校としてカウントされる可能性があるのです。

2. 精神的・心理的な要因による欠席が対象になる

定義の中で特に重要なのが、「心理的・情緒的な要因」という部分です。文部科学省は、不登校の要因として以下のようなケースを含むとしています。

・学校でのいじめや人間関係のトラブル
・学習への不安や自己肯定感の低下
・起立性調節障害やHSC(敏感な気質)などの影響
・登校しようとするとお腹が痛くなる、気分が悪くなるといった身体症状を伴う登校困難

こうした要因は、本人の性格や家庭環境、学校での経験などが複雑に絡み合って生まれるため、一見すると“はっきりした理由がない”ように見えることも多いのが特徴です。
そのため、周囲が「なぜ行けないのか」を説明しきれなくても、「本人にとって登校が精神的に負担になっている」という状態が続いていれば、不登校に該当する可能性が十分にあります。

不登校の理由についてもっと知りたい方はこちら
「不登校の理由がわからない中学生|原因を探るチェックリスト付き」

3. 出席停止や病気・経済的理由は「不登校」に含まれない

不登校の定義では、「病気や経済的な理由による欠席は除外される」という点が明記されています。例えば、以下のようなケースは不登校とはみなされません。

・インフルエンザや骨折などの治療で長期欠席した場合
・家族の事情で引越しや経済的困難があり、一時的に通学できなかった場合
・コロナウイルスの濃厚接触者や感染などによる出席停止の措置

これらは「本人の内面の問題ではない」「学校側が登校を禁止している」などの理由で、学校に行けない理由の性質が異なると判断されます。
また、保護者の都合による海外赴任などでの長期欠席も、「不登校」とは扱われません。
このように、表面的には同じ“学校に行っていない”状態でも、その背景によって定義上の区別がされることは非常に重要ポイントです。

4. 「学校に行かない=不登校」ではない? 誤解されやすい例

不登校という言葉は、時に「学校を休んでいる子すべてを指す」ような誤解を招くことがあります。しかし、文部科学省の定義上は、30日未満の欠席では不登校にカウントされません。
一方で、登校日数が少ないにもかかわらず、以下のような理由で「不登校」とは見なされないケースもあります。

・フリースクールなど学校外の学び場に通い、出席扱いとして認められている場合
・自宅でICT学習を受けていて、校長判断で「在宅学習」が認定されている場合
・医療機関での治療を受けながら、訪問教育や院内学級を利用しているケース

こうした子どもたちは、「学校に物理的に行っていない」状態であっても、制度上は不登校とはカウントされないのです。
逆に言えば、表面的には学校に通っていても、心身の不調で毎朝強いストレスを感じているような場合には、未然にサインを見つけて対応する必要があります。

参照:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査-用語の解説」
参照:文部科学省「不登校に関する基礎資料」

不登校になる背景には何がある?|よくある原因とその多様性

文部科学省の定義によれば、不登校は「心理的・情緒的な要因等によって登校できない状態」が該当します。しかし、その原因は一つに絞られるものではなく、実際にはさまざまな要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。
このセクションでは、特に多くの子どもに見られる不登校の主な背景について、それぞれのパターンを詳しく解説していきます。

1. いじめや人間関係のトラブル

不登校の原因として最も広く知られているのが、「いじめ」「友人関係のストレス」です。
特に小学校高学年〜中学生にかけては、人間関係が急激に複雑化し、集団の中での立ち位置や空気を読む力が求められるようになります。

いじめのように明確な攻撃がある場合だけでなく、「グループに入れない」「無視される」「LINEでのやりとりから外される」など、目に見えにくい孤立も深刻なストレス要因となります。
さらに、教師との関係がうまくいかないことも影響します。先生の叱責が強すぎる、信頼関係が築けないといった状況が続くと、「学校に行く=嫌な人間関係の場に行く」という認識が定着してしまいます。

2. 学業不振や教室の雰囲気になじめない

「勉強がわからない」「授業についていけない」という状況も、不登校の大きな要因の一つです。
特に中学進学後に急に成績が落ちた子や、小学校の時からつまずいていた子は、「教室にいること自体がつらい」と感じるようになってしまうことがあります。
理解できない内容が日々積み重なり、「どうせ自分なんか何をやってもダメだ…」と自己否定感が強くなると、登校意欲はどんどん低下します。

また、教室の雰囲気や学級内のノリが自分に合わない場合も、苦痛の原因になります。
騒がしすぎる、落ち着かない、誰にも話しかけられないといった状況があると、学校生活全体がストレス源となってしまうのです。

3. 身体的・精神的な不調(不安・起立性調節障害など)

「朝になると頭が痛い」「お腹が痛くなる」などの身体症状が続くことで登校が困難になるケースも非常に多く見られます。
この場合、単なる体調不良というよりも、心の不調が体に現れている(心身症)ことが多いのです。

また、思春期以降に多く見られる「起立性調節障害」も注目すべきポイントです。これは自律神経のバランスが崩れ、朝起きられない・めまい・だるさといった症状が出るもので、「朝だけ学校に行けない」ように見えるために誤解されがちですが、れっきとした医学的状態です。

不登校傾向の子どもには、こうした目に見えにくい不調があることも多いため、無理に登校を促す前に、状態を丁寧に観察することが大切です。

起立性調節障害についてもっと知りたい方はこちら
「起立性調節障害なのに、なぜ遊びには行けるのか?|理由や症状を詳しく解説」

4. 不登校のきっかけは“複合的”であることが多い

実際の現場で多く見られるのが、原因が一つではなく複数の要因が重なって不登校になったケースです。
例えば、「勉強につまずいて自信をなくし」「教室で浮いた存在になって」「先生にも相談しづらい」といった流れの中で、子どもは徐々にエネルギーを失っていきます。
本人もなぜ学校に行けないのかを説明できない状態になってしまうことも少なくありません。

また、最初の欠席は軽い風邪や家庭の事情だったとしても、その間にクラスの雰囲気が変わってしまったり、取り残された感覚が強くなったりしてしまい、復帰のタイミングを逃すケースもあります。

こうした複合要因を考えると、「この子は○○が原因で不登校だ」と単純に決めつけることができないことがわかります。支援の現場では、さまざまな背景に耳を傾ける姿勢が何よりも求められます。

5. コロナ禍以降に増えた「新しい不登校」のかたち

2020年以降の新型コロナウイルスの流行は、学校生活や子どもたちの価値観に大きな影響を与えました。
オンライン授業や分散登校を経験する中で、「一人で勉強した方が落ち着く」「集団行動が苦手だと気づいた」という子どもが一定数存在し、学校という集団空間そのものが合わないと感じるようになったのです。

また、マスク生活や感染への不安によって、「人と関わること自体に強いストレスを感じる」子どもも増えました。こうしたタイプの不登校は、「いじめや学力の問題」などの従来型とは異なる背景を持つため、本人の意思や感覚を丁寧に尊重する必要があります。

文部科学省も近年、「新しいタイプの不登校」の存在を認め、多様な学びの場の整備や支援体制の強化を進めています。

「学校復帰」だけがゴールではない|不登校の理解に必要な視点

かつては「不登校=学校に戻るべき状態」と捉えられることが一般的でした。しかし現在では、文部科学省自身が「学校に戻すことだけを目的としない支援」を強調するようになっています。
つまり、不登校の子どもにとって大切なのは、「どこで学ぶかより、どう学ぶか」であり、本人にとって安心できる学び方が確保されていれば、それは立派な“学びの継続”であるという考え方です。
このセクションでは、そうした文科省が進める「多様な学び」の全体像や、具体的な支援制度について解説します。

1. 文科省が示す「多様な学びのかたち」とは?

文部科学省は、不登校児童生徒への対応について、「学校に戻ることのみを目的とせず、子ども一人ひとりの実情に応じた支援を行うことが重要である」と明記しています。
これは2016年に成立した「教育機会確保法」によって明文化され、制度としても“学校外の学び”を肯定的に捉える方針が打ち出されたことを意味します。

現在、不登校の子どもが学ぶ場としては以下のような選択肢があります。

・学校内の別室や相談室(校内フリースペース)
・教育支援センター(適応指導教室)
・フリースクールやNPOによる学びの場
・ICTを活用した在宅学習やオンライン授業
・地域の学習支援団体や家庭教師などの個別学習支援

文科省はこれらを「多様な学びの場」と位置づけ、出席扱いや指導要録の記載などにも柔軟に対応するよう、全国の教育委員会にガイドラインを示しています。

参照:文部科学省「不登校児童生徒等への支援についての法律「教育機会確保法」って何?」

2. 学びの多様化学校(不登校特例校)という新しい選択肢

2023年度以降、文部科学省が特に力を入れているのが「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」の整備です。
これは、通常の公立小中学校とは別に設置される制度で、少人数・柔軟なカリキュラム・ICT活用・個別最適な学びを実現できる新しいタイプの学校です。
対象は「不登校傾向のある子どもたち」であり、形式的な登校や集団行動よりも、子どもの安心と自信を優先した教育活動が行われます。

この制度は、2023年度の文部科学省の事業「学びの多様化学校設置促進事業」によって制度化が進み、2025年以降、全国でさらに導入が加速する見込みです。

学びの多様化学校の主な特徴は以下の通りです。

・校長の裁量で柔軟な教育課程を編成できる
・個別の時間割・学習内容の調整が可能
・校舎の設計や人員配置も、子どもの安心感を重視
・在籍先の学校との連携もとりながら、復学・進学の道も選択できる

これまでの「別室登校」や「支援センター」とは異なり、正式な学校として認可されている点が大きな違いです。

不登校特例校についてもっと知りたい方はこちら
「学びの多様化学校(不登校特例校)で叶える多様な学びのカタチ」

3. ICT・フリースクールも「出席扱い」になることがある

学校以外の場で学ぶことが、単なる“休学”ではなく「出席扱い」として認められる制度があるのをご存知でしょうか?

文部科学省は「不登校児童生徒への出席扱いに関する通知(2016年)」を発出しており、次のような条件を満たす場合、ICT学習やフリースクールでの学びを“学校に登校したもの”として認定できるとしています。

【出席扱いとなる主な条件】
・在籍校の校長が教育的効果を認めていること
・指導計画・記録が適切に管理されていること
・保護者との連携があり、学習状況が定期的に報告されること

この制度を活用すれば、たとえば「平日はフリースクールに通いながら、必要に応じてICT教材で自宅学習する」というスタイルも、学校に通っているのと同様に扱われる場合があります。
ただし、出席扱いの判断は校長の裁量に委ねられているため、地域や学校によって対応に差があるのが現状です。保護者としては、事前に学校側とよく相談することが大切です。

参照:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」別記1

4. COCOLOプランや教育機会確保法が支える新たな支援体制

現在、国全体として不登校支援を進めるために整備されている大きな枠組みが、「COCOLOプラン」「教育機会確保法」です。

「COCOLOプラン」とは、正式名称は「誰一人取り残さない学びの保障に向けた不登校対策推進事業」です。2023年度から文部科学省が本格導入した施策で、以下の柱があります。

・ICTを活用した学びの継続支援
・フリースクールなど民間学習支援機関との連携強化
・教育支援センターの整備・人材配置の充実
・スクールカウンセラーやSSW(スクールソーシャルワーカー)の拡充

不登校の子どもたちが、自宅や地域での学びを継続できるよう、全国の自治体に補助金を交付して取り組みを後押ししています。

「教育機会確保法」とは2016年に成立した法律で、「学校復帰の強要をしてはならない」という考え方を制度的に支える基盤となっています。
この法律の主旨は、「不登校の子どもも、その子らしい学び方を通じて将来の社会的自立につながる教育機会を保障する」ことです。

つまり、「学校に行っていないから問題」なのではなく、「学ぶ機会が失われることが問題」だという視点への大きな転換です。

参照:文部科学省「COCOLOプラン」

「不登校」と「ホームスクーリング」はどう違う?|混同しやすいポイントを整理

不登校が続いている家庭の中には、「自宅で学んでいるならホームスクーリングとして認められるのでは?」と考える方も少なくありません。
確かに近年は、フリースクールやオンライン学習の普及もあり、「学校に行かない=学びが止まっている」という状況ばかりではなくなってきました。しかし、日本の制度においては「不登校」と「ホームスクーリング」は明確に異なる扱いとなっています。
このセクションでは、混同されがちなポイントを整理しながら、法制度や現実の運用について詳しく解説します。

1. ホームスクーリングとは?

ホームスクーリングとは、学校に通わずに、家庭を拠点として子どもに教育を行うスタイルのことを指します。
主に欧米諸国で普及している学習形態で、親が教師役となったり、外部の教材やオンライン教育を活用しながら、自宅で子どもに必要な知識やスキルを身につけさせる方法です。

この言葉は直訳すると「家庭での教育」という意味で、英語圏では「homeschooling(ホームスクーリング)」として知られています。アメリカなどでは、公立・私立以外の“第三の教育スタイル”として制度的にも広く認められています。

日本でも近年「ホームスクール」という言葉がメディアやSNSで取り上げられることが増えましたが、日本国内では明確な法制度が整っているわけではありません。
そのため、「不登校の延長線上にあるもの」と誤解されることも多く、制度的な取り扱いを理解することが重要です。

2. 義務教育の「就学義務」は子どもではなく保護者にある

まず大前提として、日本の義務教育制度においては「義務が課されているのは子ども本人ではなく保護者」です。具体的には、学校教育法第26条において、「保護者は、子どもを小学校・中学校に就学させる義務を負う」と定められています。
つまり、「学校に行く・行かない」は本人の選択のように見えても、実際は保護者に“就学させる責任”があるという点が重要です。

そのため、保護者が独断で「うちは家庭で学ばせるから学校に行かなくていい」と判断した場合、それは制度上のホームスクーリングとは認められず、就学義務違反に該当する可能性もあります。
日本では、ホームスクーリングに関する法的な制度はまだ整備されていないため、ここを誤解すると行政とのトラブルになる恐れもあります。

3. ホームスクーリングは出席扱いになる?法律上の扱いとは

結論から言えば、日本においては「家庭学習=ホームスクーリング」を制度として認める法律は存在しません。
アメリカやイギリスなど一部の国では、家庭学習を選択する権利が法制度として整っており、自治体への申請・承認を経て「正規の教育」として扱われます。

しかし、日本の場合、家庭学習を正規の出席扱いとするには、次のような条件が必要です。

・在籍している学校(校長)が、指導計画とその内容を教育的に有効と認めること
・学習の記録がきちんと残され、学習状況が確認できる体制になっていること
・保護者・学校・教育委員会との合意形成があること

これらの条件を満たせば、フリースクールやICTを活用した在宅学習も「出席扱い」になることがありますが、あくまで例外的な措置であり、「家庭で自由に勉強させていれば出席扱いになる」わけではないのです。

4. 文科省が示す「学びの保障」と「登校」の違い

文部科学省は、近年の不登校支援において「登校だけが学びではない」という姿勢を打ち出しています。教育機会確保法やCOCOLOプランなどを通じて、子ども一人ひとりに合った学びの場の提供が求められるようになりました。

ただし、ここで強調されているのは「学びの保障」であって、「就学義務の免除」ではありません。つまり、登校しない状態を認めることと、家庭だけでの教育を制度的に認可することとは別問題だということです。

不登校の子どもが学び続けることは重要であり、フリースクールやICT教材の活用も大いに推奨されていますが、それは「制度の中で代替手段として位置づけられている」ものです。
文科省は、学びの多様化を認める一方で、就学義務を外れる制度としてのホームスクーリングまでは想定していないというのが現状です。

5. 海外との違いにも注意|日本ではまだ制度化されていない現状

海外、特にアメリカ・イギリス・オーストラリアなどでは、ホームスクーリングが制度として確立されており、保護者が届け出を行えば家庭での教育が正式に認められる国も多くあります。

例えばアメリカでは、各州によって要件は異なるものの、カリキュラムの提出や学力評価の報告を条件に、ホームスクーリングが選択肢として存在しています。親が教師役となり、教育の責任を家庭が担うという考え方が制度に組み込まれているのです。

しかし、日本ではそのような制度はなく、学校に籍を置かずに家庭で教育する方法は法的に整備されていないのが現状です。
そのため、海外の事例を参考にしながら「うちもホームスクールでいいだろう」と進めてしまうと、思わぬ法的リスクや行政指導を受ける可能性もあります。

家庭でできるサポートとは?|保護者が知っておきたい不登校への関わり方

不登校になった子どもに対して、家庭でどのように接すればいいのか__。これは多くの保護者が抱える悩みです。
「励ますべきか、静かに見守るべきか」「無理に登校させるべきか、様子を見ていいのか」など、正解の見えにくい選択が続きます。

ただ一つ確かなのは、家庭が「安心できる場所」であり続けることが、子どもの回復や再出発の鍵になるということです。ここでは、今日からできる家庭での具体的な関わり方を4つの視点からご紹介します。

1. 「怠けている」と決めつけない

不登校の子どもに対して最も避けたいのが、「甘えてるだけじゃないの?」「怠けてるんじゃないの?」といった言葉をかけてしまうことです。
本人は学校に行けない自分を責めている場合も多く、そこにさらに否定の言葉を重ねられると、自信や自己肯定感が大きく損なわれてしまいます。

実際に、多くの不登校の子どもは「どうしても行けない自分をわかってほしい」と感じています。表面的にはダラダラしているように見えても、心の中では葛藤し続けていることが少なくありません。

「行けなくていいよ」とまで言う必要はありませんが、「無理して行かなくても大丈夫」「あなたの気持ちをちゃんと考えたい」といった受容の姿勢を伝えることが、長期的には子どもの回復を助ける第一歩となります。

2. 安心できる居場所を家庭の中につくる

学校に行けなくなっても、家庭の中に「自分が認められる場所」があるかどうかは非常に重要です。特に、家でも責められたり、沈黙が続くような状況では、子どもはさらに自信をなくしてしまいます。

ポイントは、「何をしてもいい空間」や「話しても話さなくてもいい時間」を意識的に用意することです。
例えば、リビングで一緒にテレビを見たり、何気ない会話を交わしたりするだけでも、子どもは「存在を否定されていない」という感覚が得られます。

また、本人が部屋にこもることを選んだとしても、「干渉しないけど気にかけている」という姿勢をさりげなく示すことが大切です。言葉よりも、「そっと飲み物を置いておく」「手紙で気持ちを伝える」など、非言語的なコミュニケーションが効果的な場合もあります。

3. 学校以外の相談窓口・支援先を知っておく

不登校の対応は、家庭だけで抱え込む必要はありません。むしろ、外部の力をうまく借りることが、家庭の負担を軽くし、子どもにとっても安心できる道を広げます。

現在は、次のような支援機関があります。

・教育支援センター(適応指導教室)
・フリースクールや地域の居場所支援
・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー
・NPO・行政による家庭訪問型支援
・不登校に詳しい家庭教師や学習支援サービス

これらの窓口に相談することで、「学校に戻る」以外の選択肢が見えてくることもありますし、子どもの話を第三者が聞くことで、家庭では見えなかった気持ちが引き出されることもあります。
支援を受けることは決して“諦め”ではなく、前向きな選択肢を増やすための手段だと考えてください。

4. 子どものペースに寄り添う関わり方が回復のカギになる

不登校の子どもは、回復までに時間がかかることがほとんどです。調子が良くなったと思ったらまた落ち込む、という波を繰り返しながら、少しずつ自信と安心感を取り戻していきます。

このプロセスにおいて大切なのは、「いつまでに元の状態に戻すか」ではなく、「今どんな気持ちか」に目を向けることです。

保護者が焦ると、つい「来週から行けそう?」「何か目標を決めたら?」と急かしてしまいがちですが、子どもにとっては「また否定される」「理解されていない」と感じてしまうこともあります。
小さな前進を見つけて「昨日より元気そうだね」「今日は顔を出してくれてうれしいよ」と伝えることで、自己肯定感が育ちやすくなります。

本人のペースに合わせて、「今日は動けなかったけど、何か一つ一緒にできることある?」など、関わりの形を調整する工夫も効果的です。

まとめ

今回のコラムでは、不登校とは何か、その定義や背景、支援の選択肢、家庭での関わり方について整理してきました。
かつてのように「学校に戻ること」だけが正解ではなくなった今、子ども一人ひとりに合った学びの形を受け入れ、多様な視点で支えていくことが求められています。
まずは正しい知識と制度を知ることが、理解と支援の第一歩になります。

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