「学校に行きたくない…」中学生が抱える理由と親子でできる対処法とは?
公開日:2025年6月9日

「学校に行きたくない」と感じる中学生には、人間関係や体調の問題などさまざまな背景があります。このコラムでは、原因をわかりやすく整理し、本人や保護者ができる対処法・相談先を丁寧に紹介します。無理せず、今できることから始めたい方に読んでほしい内容です。
中学生が「学校に行きたくない」と感じる主な7つの理由
中学生が「学校に行きたくない」と思う背景には、さまざまな理由が隠れており、明確なきっかけがある場合もあれば、はっきりとは説明できない不安に悩まされることもあります。
ここでは、よく見られる7つの主な原因について、それぞれ解説していきます。
1. 理由1:いじめやからかいなどの人間関係の問題
学校生活での「人間関係の悩み」は、中学生が登校を嫌がる最も大きな要因の一つです。
からかわれたり、仲間外れにされたり、陰口を言われたりと、言葉や態度による「見えにくいいじめ」は特に深刻です。
表立っていない場合や些細な出来事であったとしても、本人が強く傷つき、学校という場が「行きたくない場所」になってしまうことがあります。
登校は毎日のことだからこそ、我慢し続けると心の負担がどんどん積み重なっていきます。
中学生のいじめから身を守る為にもっと知りたい方はこちら
⇒ 「中学生のいじめへの解決法とサポート|いじめから身を守る為には」
2. 理由2:先生やクラスに馴染めない
友達関係や部活動での先輩・後輩の関係だけに限らず、「先生との相性が悪い」「クラスの雰囲気がどうしても合わない」といった理由でも、学校に行きづらくなることがあります。
大人からは些細なことに見えても、敏感な思春期の子どもにとってはとても大きな問題に感じることがあります。
授業中の発言で笑われた、先生にきつい言い方をされたなど、小さなきっかけが積み重なることで「学校に行きたくない」という気持ちにつながります。
3. 理由3:学力不振や授業についていけない不安
「勉強がわからない」「授業についていけない」ことが、学校に行きたくない理由になることも多いです。
テストの点数が悪かったり、先生に当てられて答えられなかった経験などが「もう行きたくない」という思いにつながることがあります。
特にまじめな子ほど、できない自分に自信をなくし、劣等感から登校しづらくなってしまうケースもあります。
4. 理由4:朝起きられない・体調不良が続く(起立性調節障害など)
朝どうしても起きられない、頭痛や腹痛など体の不調が続くという場合、「怠けている」のではなく、身体的な理由が隠れている可能性があります。
その代表が「起立性調節障害」と呼ばれる自律神経の不調です。これは思春期に多く見られ、睡眠は取れているのに朝動けなかったり、午前中に強いだるさを感じたりします。
本人にも理由がわからず、「なんで行けないんだろう…」と自分を責めてしまうこともあります。
起立性調節障害についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「起立性調節障害なのに、なぜ遊びには行けるのか?|理由や症状を詳しく解説」
5. 理由5:過度なストレスやプレッシャー
成績や受験、部活動や親からの期待など、思春期の中学生はさまざまな場面でプレッシャーを感じています。
「もっと頑張らなきゃ」「失敗しちゃいけない」と思えば思うほど、気持ちが追い込まれ、学校そのものに行くのがつらくなってしまうことがあります。周囲は励ましているつもりでも、本人には「期待に応えなきゃ」というストレスとして伝わっている場合もあります。
6. 理由6:SNS・ネットトラブルでの心の負担
SNSやチャットアプリが、中学生の間で当たり前に使われている今、これらによる「学校の外でのトラブル」が登校をためらわせる原因になることも急増しています。
LINEのグループ内で仲間外れにされたり、SNSで陰口を書かれたりと、見えにくい“ネットいじめ”が、子どもの心を深く傷つけています。
学校に行くと、その相手と顔を合わせなければならないため、「行きたくない」という気持ちが強まるのです。
7. 理由7:漠然とした不安・行きたくない気持ちに理由がない場合も
中には、「理由はないけど、とにかく学校に行きたくない」と感じている子もいます。
これは決して甘えではなく、心が疲れているサインかもしれません。
理由をはっきり言えないからこそ、周囲に理解してもらえず、さらに苦しむこともよくあります。
無理に理由を探すよりも、「今はそういう気持ちなんだ」とそのまま受け止めることも、時には大切です。

できることからでOK!中学生本人ができる対処法5選
「学校に行きたくない」という気持ちは、自分でもどうしていいかわからないほど重く感じることがあります。そんな時、「我慢してでも行かなきゃ…」と思い詰めるのではなく、まずは自分の心と体に目を向けてみましょう。
ここでは、無理なくできる5つの行動を紹介しますが、すぐに全部できなくても大丈夫です。「ちょっと試してみようかな」と思えるものから、少しずつ取り入れてみてください。
1. 自分の気持ちを書き出す・話してみる
気持ちがぐちゃぐちゃになっている時は、まずそれを「外に出す」ことが大切なので、ノートやメモ帳に、頭に浮かんだことを思いつくままに書いてみましょう。
「学校いやだ」「行きたくない」「誰にも会いたくない」など、どんな言葉でもOKです。誰かに見せる必要はありません。
文字にしてみることで、自分の中の気持ちが少し整理されて、「あ、自分はこう感じていたんだ」と気付くことができます。
また、信頼できる人に話すことで、心が軽くなることもあります。うまく話せなくても、「今つらい」という気持ちだけでも伝えてみてください。
相手の反応が優しかった時、あなたの心も少しずつほぐれていくはずです。
2. 思い切って休んでみる勇気を持つ
「休むこと」に罪悪感を持っていませんか?
でも本当は、心や体が限界を感じている時こそ、休むことが必要です。
例えば、風邪をひいたときは体を休めるように、心が疲れたときもちゃんと休ませる必要があるのです。
「休んだらもっと行きづらくなるかも…」「周りからどう思われるかな…」と不安になるかもしれませんが、今の自分を守ることを最優先にしてください。たった1日でも、安心してゆっくり休む時間を持つだけで、心の重たさが少し良くなることもあります。
休むことは、「逃げ」ではなく「立ち止まって自分を整える行動」です。必要な休みは、次の一歩への準備期間なのです。
3. 信頼できる大人に相談する
つらい気持ちを一人で抱えていると、どんどん苦しくなっていきます。
もし、「この人なら話してもいいかも」と思える大人(親、先生、保健室の先生、スクールカウンセ
ー、塾や家庭教師の先生、親戚など、誰でもかまいません。)がいたら、思い切って相談してみてください。
すべてを完璧に説明する必要はありません。例えば、「最近、学校に行くのがつらい」「朝になるとおなかが痛くなる」といった、断片的な言葉でも十分です。
大人が状況を理解し、必要なサポートにつなげてくれることもあります。
「こんなこと話したら怒られるかも…」と思ってしまうかもしれませんが、本当に信頼できる大人は、あなたを否定せずに受け止めてくれるはずです。
4. 学校以外で安心できる場所を探す・つくる
「学校に行けない=ダメなこと」ではありません。学校だけがあなたの居場所ではないということを、まず知っておいてください。
図書館や地域の施設、フリースクール、家庭、習い事、オンラインでの趣味仲間など、心がほっとする場所や人とのつながりがあるだけで、気持ちは大きく変わります。
誰にも会いたくない時は、家の中で落ち着ける空間を作るだけでもいいです。
好きな音楽を聴いたり、絵を描いたり、本を読んだり、「自分が安心できること・場所」は、一人ひとり違います。小さな楽しみでも、それがあなたの「居場所」になります。
5. 自分に合ったペースで少しずつ動き出す
「少し気持ちが落ち着いてきたな」と感じたら、無理のない範囲で小さな一歩を踏み出してみましょう。
「朝ちょっとだけ早く起きてみる」「外に5分だけ出てみる」「昨日より1問だけ多く問題を解いてみる」など、どんなに小さなことでも構いません。大切なのは、自分のペースを守ることです。
周りのペースや「普通」に合わせようとしなくて大丈夫です。
たとえ1歩進んで2歩下がっても、ゆっくりでも、ちゃんと進んでいます。「前みたいに戻らなきゃ」と思わずに、「今の自分を大切にすること」から始めていきましょう。

親ができるサポート6選
子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時は、親として戸惑いや不安を感じるものです。時には「どうして?」「甘えてるのでは?」と不安に思うかもしれません。
しかし、まず大切なのは、子どもの気持ちに寄り添い、安心できる環境を作ることです。
ここでは、親ができる6つの具体的なサポート方法を紹介します。
1. 否定せず、まずは気持ちを受け止める
「またサボろうとしてるの?」「そんなことで休むの?」と否定された経験は、子どもの心を深く傷つけてしまいます。
まずは、「そうなんだ」「つらいんだね」と事実や気持ちをそのまま受け止めることが何より大切です。
理由がはっきりしない場合でも、「そう感じていること」自体に意味があります。
受け止めてもらえる安心感があって初めて、子どもは自分の本当の気持ちを話す準備が整います。
2. 「なぜ?」と責めず、共感的に関わる
「どうして学校に行きたくないの?」と問い詰めたくなる気持ちもあるかもしれませんが、この「なぜ?」という問いは、時に子どもを追い詰める言葉になってしまうかもしれません。
中学生の場合、理由が自分でもわからない場合も多く、「説明できない=親に理解されない」という孤独感を生みかねません。
代わりに、「何かあったのかな?」「つらかったよね」と共感から始める言葉を意識しましょう。
3. 本音を話しやすい雰囲気をつくる
いざ話を聞こうとしても、子どもが心を開いてくれないこともあります。
そんなときは、「ちゃんと話しなさい!」と問い詰めるのではなく、普段の会話や過ごし方を通して、少しずつ信頼関係を深めることが大切です。
例えば、無理に勉強や進路の話ばかりをせず、雑談や一緒に好きな番組を見るなど、何気ない時間を積み重ねることが、本音を引き出す土台になります。
「本音を話しても大丈夫かな」と子どもが思える空気感が、何よりのサポートになります。
4. 生活リズムや体調を一緒に整える
心の不調は、体にも影響します。そしてその逆もまた同じです。
夜型の生活が続いていたり、食欲がなかったりすると、心も不安定になりやすくなります。
「まずは朝一緒に起きる」「3食だけは整える」など、無理のない範囲で生活リズムを整えることも、回復への第一歩です。
「一緒にやってみようか」という声かけで、子どもが孤立感を持たずにすむこともあります。
5. 学校との連携・相談をサポートする
親が一人で抱え込まず、学校側と状況を共有しながら連携を取ることも重要です。
担任の先生や養護教諭、スクールカウンセラーなどに相談することで、登校の仕方を調整してもらえたり、クラスの様子を把握したりすることができます。
また、子どもが学校に戻る準備ができた時にも、段階的な復帰のサポートを受けられる可能性があります。
学校と対立するのではなく、「子どもの味方として協力をお願いする」姿勢が信頼関係につながります。
保健室登校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 保健室登校とは?|メリット・デメリットや教室復帰への流れを解説
6. 必要に応じて専門機関へつなぐ
体調不良が続いていたり、気持ちの落ち込みが強かったりする場合は、早めに専門機関へ相談することも大切です。
例えば、教育支援センター、子ども家庭支援センター、児童精神科・心療内科など、子どもの状況に合わせた支援を受けられる場所は沢山あります。
親だけでは判断が難しいケースもあるため、「早すぎる相談はない」という気持ちで動いてください。
専門家とつながることで、親自身の不安も軽くなり、適切な対応を見つけやすくなります。

必要なときは、外部の力を借りてもOK|相談先と支援サービス
子どもが「学校に行けない」と感じている時は、家庭だけで抱え込まず、外部の力を借りたとしても決して甘えではありません。むしろ、早い段階で信頼できる相談先とつながることが、子どもにとっても、親にとっても大きな支えになります。
ここでは、状況に応じて頼ることのできる5つの相談先・支援サービスを紹介します。
1. 学校内の相談窓口(養護教諭・スクールカウンセラーなど)
まず頼りやすいのが、学校の中にある相談窓口です。
例えば、保健室の先生(養護教諭)は体調の相談だけでなく、心の不調にも理解があります。また、多くの学校にはスクールカウンセラーが定期的に来ており、悩みや不安を話す場として活用できます。
子どもが直接話しに行きづらい場合は、保護者が代わりに相談することも可能です。担任以外の大人とつながることで、違った視点で子どもを見るきっかけにもなります。
2. 教育相談センター・子ども家庭支援センター
自治体が運営している公的な相談窓口として、教育支援センター(教育委員会や各都道府県が設置)や子ども家庭支援センターがあります。
これらの機関では、学校生活や家庭での困りごとについて、教育や福祉の専門職が無料で相談に応じてくれます。特に「学校に行けない状況が続いている」「家庭内でも対応が難しくなってきた」と感じたときは、学校外の第三者に相談できる場所として、非常に心強い存在です。
対面だけでなく電話やオンライン対応をしている自治体も増えています。
不登校カウンセラーの役割についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「不登校カウンセラーの役割とは?|利用方法やメリットを解説します」
3. 学びの多様化学校(不登校特例校)・フリースクールという選択肢
どうしても今の学校に戻ることが難しいと感じた場合、別の学び方を選ぶことも一つの手段です。
「学びの多様化学校(不登校特例校)」とは、不登校の子どもたちが安心して学べるように配慮された公立校で、少人数制や個別対応を特徴としています。
また、フリースクールは民間団体などが運営しており、学習だけでなく、子どもが自分らしく過ごせる「居場所」としての役割も担っています。
「学校に行けない=学びをあきらめる」ではなく、子どもに合った方法で学び直す環境を探すことも大切です。
不登校特例校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「学びの多様化学校(不登校特例校)で叶える多様な学びのカタチ」
4. オンライン学習・家庭教師などの学び直しサポート
教室での集団授業が合わない子どもには、自宅で学べるオンライン学習や家庭教師の活用も効果的です。
特に近年は、不登校の子どもを対象とした学習支援サービスも増えており、
「今の自分のペースで学びたい」「少しずつ勉強のリズムを取り戻したい」というニーズに対応しています。マンツーマンで安心感を持てる環境であれば、少しずつ「できた!」という達成感も積み重ねやすくなります。また、勉強を通して自己肯定感を取り戻すきっかけにもなり得ます。
もっと知りたい方はこちら
⇒【不登校コース】について
⇒ オンライン家庭教師のマスター【不登校コース】について
5. 心療内科・思春期外来の受診も検討しよう
子どもが長期的に体調不良を訴えていたり、気持ちの落ち込みや不安が強い場合には、医療機関の受診も選択肢の一つです。
とくに「朝になると動けない」「頭痛や吐き気が続く」などの症状がある場合は、起立性調節障害などの身体的な原因が関係しているケースも少なくありません。
思春期専門の外来や児童精神科、心療内科では、心と体の両面から状態を見てもらえます。
受診することで、「病気ではないとわかって安心できた」「対応の方針が見えてきた」と前向きに動き出せたという声も多くあります。

まとめ
「学校に行きたくない」と感じるのは、子どもからの大切なサインであり、原因は一つではなく、心・体・環境など、さまざまな要素が絡み合っています。
だからこそ、無理に答えを急がず、子どもの気持ちに寄り添いながら、小さな一歩を一緒に探していくことが大切です。家庭だけで抱え込まず、必要なときには外部の力を借りながら、子どもが自分のペースで前を向ける環境を整えていきましょう。
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