古文が苦手な中学生へ|高校入試に向けた“つまずかない”勉強法
公開日:2025年6月4日

古文って、何をどう勉強すればいいのか分かりづらい…そんな悩みを抱える中学生のための古文勉強法ガイドです。よく出る単語・文法の覚え方から、読み方のコツ、過去問の使い方までをやさしく解説。古文が「わかる!」「読める!」に変わる勉強法で、自信を持って入試に臨みましょう!
苦手を克服!高校入試に向けた古文の勉強ステップ
古文が苦手だと感じる中学生は少なくありません。
言葉づかいが現代と違う、文の構造が複雑に見える、読んでも意味が分からない…。
でも安心してください。古文は「覚えること」と「読み方のコツ」を押さえれば、確実に点数が稼げる科目です。
このセクションでは、古文が苦手な人でも着実に力がつく4つのステップを紹介します。
1. ステップ1|よく出る古文単語をしぼって覚えよう
古文が読めない最大の要因のひとつが、「単語の意味が分からない」ということです。
現代語と違う意味をもつ言葉が多いため、まずは入試でよく出る古文単語から優先して覚えることが大切です。
すべての単語を覚えようとすると大変なので、まずは入試頻出の100語前後を目標にしましょう。市販の古文単語帳を使っても良いですし、学校の授業やワークに載っている語から始めるのもおすすめです。
また、語呂合わせやイラスト、ストーリーで覚えるタイプの教材を使うと、記憶に定着しやすくなります。例えば、「あさまし=驚きあきれる」や「いと=とても」など、よく出る表現を何度も復習することがコツです。
2. ステップ2|基本の古典文法を押さえよう(助動詞・活用がカギ)
古文では、助動詞の意味と活用形を理解することが、読解のカギになります。
例えば、「む」が使われていたら、「〜だろう」「〜しよう」という推量・意志を表す意味になります。
まずは基本の助動詞(む、けり、たり、ず、る・らるなど)を中心に、意味と使い方を覚えましょう。
さらに、動詞・形容詞・形容動詞の活用パターンも一通り覚えておくと、文の形を正しく読み取れるようになります。活用は歌やリズムに乗せて覚えるのも効果的です。
一見難しそうに見えますが、文法はパターンを覚えると意外とシンプルです。一度わかると、文章が驚くほど読みやすくなるはずです。
3. ステップ3|短い文章で読み方に慣れるのがコツ
単語と文法を覚えたら、いきなり長文に挑戦せず、短めの古文からチャレンジしましょう。
短文は主語や動作が追いやすく、「誰が何をしたのか」が把握しやすいので、最初は一文ずつ丁寧に主語・述語を確認しながら読んでいくことがポイントです。
「誰がどうしたのか」「どんな気持ちなのか」「敬語が誰に向けられているか」などを意識するだけで、読解の精度がグッと上がります。教科書に載っている文章や、入試用の薄めの問題集から始めると安心でしょう。
「読めた」という感覚を積み重ねることが、苦手意識の克服につながります。
4. ステップ4|過去問で入試の出題パターンをチェック
基礎力がついてきたら、実際の高校入試問題(過去問)を解いてみることで、どんな形式で出題されるかを知りましょう。
過去問に取り組むことで、「どんな単語がよく出るのか」「設問はどう問われるのか」「選択肢のひっかけはどこか」などの“入試特有の型”が見えてきます。
最初から満点を目指す必要はありません。間違えた問題こそ、次に成長する絶好のチャンスです。
解いた後に必ず復習し、「なぜそうなるのか」「どこで間違えたのか」を丁寧に振り返りましょう。

分野別に攻略!古文の効率的な勉強法
古文の力を伸ばすには、「とりあえず読んで解く」だけではうまくいきません。単語・文法・読解、それぞれの分野に合った勉強法を取り入れることで、効率よく実力をつけていくことができます。
このセクションでは、古文の3つの基本分野と、入試問題で得点するためのコツを解説します。
1. 古文単語の覚え方|語呂やストーリーで楽しく記憶
古文単語の意味は、現代語とちがうものが多く、最初は戸惑いがちです。
だからこそ、「単語を暗記しなきゃ」と思い込まず、覚えやすい工夫を取り入れるのが大切です。
例えば、語呂合わせやストーリーでイメージをつけて覚える方法があります。
- 「あはれ(しみじみと趣がある)」→「あ、晴れた空を見てしみじみ」
- 「いと(とても)」→「いっときも目が離せない=とても気になる」
こうした語呂合わせは、市販の単語帳やYouTubeの解説動画などでも豊富に紹介されています。自分にとって楽しく取り入れられて、記憶に残りやすい方法を見つけましょう。
また、覚えた単語は文章の中で使われている形で何度も見ることが重要です。
「単語+例文」のセットで覚えると、意味の理解もグッと深まります。
古文単語の覚え方についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「効率的な古文単語の覚え方と勉強法|古文が嫌いな中高生必見!」
2. 文法の勉強法|まずは活用形をスラスラ言えるように
古文の文法は、一見複雑に見えますが、パターン暗記が基本です。
まずは、活用形から覚えていきましょう!
動詞や助動詞の「活用形」を声に出して覚えていくことが第一歩です。
例えば、動詞であれば「未然・連用・終止・連体・已然・命令」のように、順番で言えるようにしておくと、文中で出てくる活用語尾が自然と見えてきます。
また、助動詞には意味がいくつかあるものもあるので、「意味+接続(何形にくっつくか)+活用形」のセットで覚えるのがおすすめです。
(例:「む=推量・意志/未然形に接続/活用形:○・○・む・む・め・○」)
文法の勉強は単調になりがちですが、リズムで覚えたり、手を動かして表にまとめたりすることで、記憶に残りやすくなります。
3. 読解のポイント|主語・敬語・心情表現に注目しよう
古文読解でつまずく原因のひとつが、「誰が何をしているのか」がわからなくなることです。
ここでは、読解時に意識するべき3つのポイントを押さえましょう。
押さえるべき3つのポイント
1.「主語」を探す
古文では主語が省略されていることがとても多いです。しっかりと「誰がこの動作をしているのか」を意識して読みましょう。
2.「敬語」に注目する
敬語が出てきたら「誰が誰に対して敬っているのか」を見ましょう。
例えば、
・「給ふ(たまふ)」:偉い人から周囲の人
・「のたまふ」:偉い人から周囲の人
・「参る(まゐる)」:自分から偉い人
などがあります。
3.「心情表現」を読み取る
喜怒哀楽の表現や行動、比喩表現からしっかりと登場人物の気持ちを読み解きましょう。
特に入試では「登場人物の心情」を問う問題が頻出です。本文にヒントが必ずあるため、焦らず探しましょう。
4. 高校入試の古文問題|選択肢のコツと時間配分
高校入試では、古文の読解問題が数問出題されることが一般的です。選択式問題が中心のため、「読めたら得点ができる」とも言えます。
問題を解くコツ
1. 設問を先に読む
どこが問われるかを意識して本文を読むことで、情報を拾いやすくなります。
2. 消去法を活用する
すべての選択肢を正確に読もうとするとどうしても時間がかかってしまいます。
明らかに違う選択肢を消していき、正答を絞る戦略が有効です。
時間配分に注意
「読めたら得点ができる」からといって古文だけに時間をかけすぎてしまうと、他の問題を解く時間を圧迫してしまうため避けましょう。
練習の段階から「時間を計って解く」ことを意識して、本番でも落ち着いて解答できるようにしておきましょう。

志望校のレベルに合わせた古文の勉強アドバイス
古文の勉強は、どの高校を目指すかによって重点の置き方が変わります。公立高校の入試では基本的な知識がしっかり身についているかが見られますし、難関校ではスピードや記述力、読解の正確さも求められます。
このセクションでは、志望校に合わせた古文勉強のポイントを紹介します。
1. 基礎重視の公立高校|語彙・文法・読解のバランスを意識
一般的な公立高校の入試では、基本的な単語・文法・読解力をバランスよく身につけているかがポイントになります。
古文単語
知らない単語が多いと、それだけで意味がとれなくなってしまうため、よく出る語を優先して覚えることが得点アップの近道です。
文法
特に助動詞の意味と接続、活用形は、文の構造を理解するために必須です。
難しい文法まで無理にやる必要はありませんが、基本のパターン(「む」「ず」「けり」「たり」など)は確実に押さえておきましょう。
読解
主語を見抜く・心情を読み取る・選択肢の正誤を見極めるといった基本スキルをコツコツ積み上げていけば、確実に得点につながります。
2. 難関公立や私立高校|文法の正確さと読解のスピードがカギ
難関公立高校や私立高校の入試では、より正確な読解力と速読力が求められます。
問題文が長めになることが多く、登場人物の関係や心情の変化をスピーディーに把握する力が必要になります。
文法
まず強化しておきたいのが文法です。
助動詞・助詞・敬語などの文法知識をいかに正確に理解しているかが、読解の土台になります。
特に、意味の違いをしっかり区別できるかどうかがカギとなります。
文構造
次に、文構造を素早く読み取る力も欠かせません。
例えば、「〜ければ」「〜ましかば」などの接続表現から因果関係を読み取ったり、心情語から登場人物の気持ちを想像したりといった、やや応用的な読解力が試されます。
スピード感
さらに、文章全体の流れをつかみながら、設問にスムーズに答える「スピード感」も非常に重要です。
問題を解く際には、時間を意識することで実戦力な力が養われます。

古文の勉強でありがちな失敗例4選
「古文が苦手…」と感じている人の多くは、じつは“センスがない”わけではありません。
やり方を間違えていることが原因で、実力が伸びないケースがほとんどです。
ここでは、特に中学生にありがちな失敗パターンを4つ取り上げ、それぞれの原因と改善策を詳しく解説します。
1. 単語を丸暗記して使い方を知らない
古文単語は現代語と意味が異なるものが多いため、最初は「とにかく覚えなきゃ」と思いがちです。しかし、意味だけを暗記しても、文章の中で正しく意味をとれないことがよくあります。
例えば「いと=とても」とだけ覚えていても、「いとをかし」と出てきたときに「何が“とても”なのか」が分からなければ意味がつかめません。
また、「あはれ=しみじみと趣がある」も、言葉だけ覚えていても、どんな場面で使われるのかがわからないと読解に活かせません。
解決策は、「単語+例文」で覚えること。
単語帳の中でも、例文が載っているタイプを選ぶと実践的な知識になります。
また、読んだ文章の中に出てきた単語を「自分の単語ノート」にまとめておくのも効果的です。
2. 「誰がどうしたか」を考えずに読む
古文は現代語と違い、主語が省略されていることが多く、文章をただ読んでいるだけでは意味がつかみにくいのが特徴です。
一文一文をなんとなく意味で追っていても、「誰が」「何をしたのか」があいまいなまま読み進めてしまうと、内容がつかめなくなってしまいます。
例えば、
「女御の御子、いとやんごとなきにて、東の方に住ませたまふ。」
という文では、「女御の御子=誰?」「住ませたまふ=誰が?誰に?」という主語と動作の対応が重要になります。
解決策は、「主語の追いかけ読み」を意識すること。
敬語(〜たまふ、〜おはす、〜給ふ)も、誰に向けられているかを考えることで、主語を推測できます。
慣れてくると、登場人物の動きや気持ちまでスムーズに追えるようになります。
3. いきなり長文ばかり解いて挫折する
「過去問をどんどん解けば力がつく」と思い、基礎ができていない段階で入試問題や長文読解に挑戦してしまうことがあります。
すると、「全然読めない…」「時間がかかりすぎる…」といった挫折感につながり、やる気をなくしてしまう原因にもなります。
古文は、単語・文法・読解の型がしっかり頭に入っていないと、いくら長文を解いても理解が進みません。
解決策は、「基礎→短文→長文」の順で段階的に進めること。
最初は教科書レベルの短い文や、1段落程度の問題から慣れましょう。特に、文の構造が分かりやすい題材を選ぶと、「読めた!」という感覚が得られて、やる気も出てきます。
4. 間違えた問題を復習しない
「問題を解いたけど、間違えたまま」「とりあえず解説読んで終わり」…
こういった“解きっぱなし”の勉強は、知識の定着が浅くなり、同じミスを繰り返しやすくなります。
古文では、なぜ間違えたのかを見直すことがとても大事です。
例えば、「選択肢の読み違い」「主語の取り違え」「助動詞の意味を誤解」など、ミスには必ず“理由”があります。
解決策は、「ミスの分析」と「自分専用の間違いノート」です。
・なぜ間違えたのか
・どの知識が足りなかったのか
・次に出たらどう解けばよいか
こうした視点で復習すれば、1つの間違いから何倍もの学びが得られます。
「間違えた=チャンス」くらいの気持ちで、復習に力を入れていきましょう。

まとめ
今回は「古文の勉強法」について解説をしてきました。
古文は、最初こそ戸惑うことが多いかもしれませんが、単語・文法・読解の基本をしっかり押さえることで、少しずつ「読める感覚」が身についていきます。
重要なのは、一気に難しい問題に飛びつくのではなく、基礎を土台にして段階的に取り組むこと。苦手意識がある人ほど、勉強の順番と方法を見直すだけで、大きく変わる可能性があります。
過去問や復習を活用しながら、自分のペースでコツコツ続けることが合格への近道です。焦らず着実に取り組めば、古文はきっと得点源になります。
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