通信制高校から大学進学する方法|デメリットや大学進学するコツを解説

公開日:2024年5月29日

本コラムでは、通信制高校から大学へ進学したい場合に知っておきたい問題点や対策法について詳しく解説します。
通信制高校の大学進学率は年々上昇傾向にありますが、独自の対策が必要となります。通信制高校ならではの問題点を知って、大学受験を成功させましょう!

通信制高校から大学進学できるのか?

通信制高校とはどんな高校?

通信制高校とは、生徒が毎日登校せず、自宅や好きな場所で学習を行う新しい高校教育の形です。
ただし、完全に登校不要というわけではなく、通信制高校では「スクーリング」と呼ばれる登校日が設けられています。スクーリングの日以外は、自宅で「レポート」と呼ばれる課題を進めます。
つまり、レポートを提出することで授業の代わりになるため、自由な時間が多いことが最大の魅力です。
また、卒業後は高校卒業の資格が得られるため、全日制高校卒業後と同様に大学や専門学校への進学を目指すことも可能です。

通信制高校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「通信制高校とは?気になる仕組みを徹底解説!」

通信制高校の大学進学率について

文部科学省の令和5年の統計によれば、通信制高校に在籍する生徒の大学進学率は約24.1%です。これに対して、全日制高校に在籍する生徒の大学進学率は約76.9%と、大学進学率において約3倍の開きがあります。
通信制高校の大学進学率が低い理由としては、通信制高校の学習内容は全体的にやさしく設定されており、大学受験に必要なレベルや内容が十分にカバーされていない点が考えられます。
また、通信制高校には大学進学を目指す生徒自体が少ないことも考えられます。
例えば、通信制高校に在籍する生徒の中には、既に社会に出て働いている人や、スポーツや芸能の活動により全日制高校への通学が難しい人も多くいます。このような人は、大学進学自体を考えていないことが一般的です。
さらに、通信制高校では、大学進学よりも専門学校や就職を選択する人が多いです。
これらの要因により大学進学以外の目標を持つ生徒が多くなり、通信制高校全体の大学進学率が低くなるのです。

参照 : 文部科学省 学校基本調査-令和5年度 結果の概要-

通信制高校は、大学進学には不利なのか?

通信制高校出身だからといって大学受験で不利になるようなことはありません。
ほとんどの大学受験では学力テストの結果が重視されるため、出身校によって有利・不利が決まることはありません。
高卒認定(旧大検)を取得してから大学受験を目指し、実際に大学に合格している人も数多くいます。したがって、「通信制高校出身であることが大学受験において不利になる」といったことを心配する必要はありません。

通信制高校からの大学進学|4つの問題点

1. 独学で学習を進めなければならない

通信制高校では登校の頻度が少ないため、自然と授業で教わる機会が少なくなります。そのため、受験勉強をする上では自宅での独学が求められます。
つまり、自宅で学習している時にわからない問題や解けない問題が出てきた場合でも、解説や解答を読んだり、参考書や問題集を読んだりして、自力で解決しなければなりません。
このような状況では、解説を読んでもなかなか理解できずに余計な時間がかかってしまったり、最終的に解答できない、といった問題に直面することも多々あります。

2. 学習内容がやさしく、大学受験に対応できない

通信制高校の学習カリキュラムは、不登校の生徒などが自宅で学習を進められるように考えられているため、その学習内容は比較的やさしく設計されています。
そのため、通信制高校のレポート(課題)をこなすだけでは、大学受験に必要な学力まで達することは難しく、通信制高校の生徒が大学進学を目指す場合は、学校の勉強に加えて、大学受験に向けた学習を自主的に行う必要があります。

3. 情報交換ができる人やライバルがいない

通信制高校は登校日が少なく、大学進学を目指す生徒自体も少ない傾向があります。そのため、大学進学という同じ目標に向けて切磋琢磨し競い合うような仲間が少なくなるといった側面があります。
また、ライバルが少ないということは、勉強方法や受験情報の共有が乏しくなるということもあります。一緒に受験勉強をしたり、励まし合う仲間がいないことで、モチベーションを維持するのが大変になることも考えられます。

4. 志望する大学に進学した卒業生が少ない

通信制高校の場合、そもそも大学へ進学した卒業生が少ないため、自分の目指す大学に進学した卒業生がいないような場合もあります。
全日制高校の場合は過去の合格実績が豊富にあるので、学力の目安や志望校の選定などでデータを活用することができますが、通信制高校の場合はそのようなデータに乏しい側面があります。
志望校の選定においても、外部の模擬試験だけに頼らざるを得ないことが多く、また、指定校推薦などの枠がないことも多く、自主的な大学受験対策を強いられる側面があります。

通信制高校からの大学進学|4つの対策方法

1. 志望校対策を徹底する

通信制高校から大学受験をする際に、最大のメリットとなるのは「自由な時間が多く、自分のペースで学習を進められる」点です。
毎日登校する必要がないため、通学時間や授業を受ける時間を大幅に削減することができ、その分の空いた時間を受験勉強に充てることができます。
例えば、

  • 志望校に必要な科目だけに絞って勉強する
  • 受験に必要のない科目に充てる勉強時間を削減する
  • 志望校の過去問だけを徹底的に解く

など、受験する大学にのみ特化した対策をとることができ、出題範囲が広く難易度の高い問題が多い大学受験においては有利に進めることができます。

2. 高校卒業を目標にしない

通信制高校の学習内容は全体的にやさしいレベルに設定されているため、大学受験を考えている場合は、学校のレポートを終わらせるだけで満足してはいけません。
学校のレポートは余裕を持って終わらせ、その上で、プラスアルファの受験勉強をする必要があります。
高校を卒業することはもちろん大前提になりますが、目標を大学進学に設定し、それに見合う学習計画を定めましょう。

3. 外部模試を沢山受ける

通信制高校のテストは、年に一回の単位認定試験しかない学校が多く、高校内での順位や学力の位置を把握しづらいことがあります。仮に校内順位がわかったとしても、通信制高校は大学進学を志望している人が少なく、あまり参考にならないことが多いです。
そのため、通信制高校から大学進学を目指す場合は、全国模試を定期的に受けることをおすすめします。
全国模試を受けることで、自分の学力がどの程度の位置にいるのかが分かり、志望校の合格判定も把握できます。ただし、模試の結果はあくまで瞬間的なものなので、良い結果でも悪い結果でも一喜一憂せず、今後の学習方法に活かすようにしましょう。

4. 大学合格の実績のある高校を選ぶ

通信制高校を選ぶ際は、なるべく志望大学への合格実績がある学校を選びましょう。そうすることで、大学に進学した卒業生の学習方法や一日の勉強時間など、具体的なアドバイスを受けることができます。
もし志望大学が決まっていない場合は、なるべく多くの大学に合格実績がある高校を選ぶとよいでしょう。多くの大学に合格実績がある高校は、大学進学に力を入れている可能性が高く、校内や提携しているサポート校に受験に詳しい先生が在籍していることも期待できます。

通信制高校からの大学進学|家族ができる3つのサポート

1. メンタルのケア

通信制高校から大学受験を目指す場合、自宅での自主勉強が中心になるため閉塞感に陥り、「自分はなぜ勉強しているのか?」「なぜ大学に行きたいのか?」と考えすぎてしまうことがあります。
通信制高校に通うお子さんは家族が唯一の相談相手となることも多いため、日々の学習に対して「がんばってるね!」「きっと大丈夫だよ!」と声をかけてあげることが大切です。
ライバルや受験仲間もおらず、孤独な環境で勉強を続けるお子さんにとって、家族からの声援がモチベーションを高めるきっかけになるでしょう。

2. 健康面のサポート

大学受験は勉強量も多く一定の体力が必要となるため、家族からの健康面でのサポートが欠かせません。
特に通信制高校に通うお子さんは、登校頻度が少ないため運動不足になりがちです。また、決まった時間に登校する必要がないため、生活リズムが乱れやすくなる傾向もあります。
これらの問題を解決するために、家族としてできる健康面でのサポートがあります。

例えば、

  • 生活リズムが乱れないように、毎朝同じ時間に起こす
  • 食事の時間を一定に保つように声かけをする
  • 食事は3食摂らせ、栄養面にも配慮する
  • 家族で散歩に出かけたり、一緒に軽い運動をする

などが挙げられます。

規則正しい生活習慣を身につけ、運動不足を解消することで、学習の効率も上がり、集中力も持続しやすくなります。
また、このような家族のサポート自体が、受験生にとって大きな励みとなります。
「自分の大学進学に向けて、家族みんなが応援してくれている」といったことを実感でき、精神面でのサポートにもつながります。

3. 学習環境の整備

お子さんが独学での学習に限界を感じ始めたら、塾(予備校)家庭教師などの外部サポートを活用しましょう。
通信制高校では登校頻度が少なく、他者から直接教わったり、質問したりする機会が少なくなるため、塾(予備校)や家庭教師を定期的に利用し、独学で学習している際に生じた疑問を解決できる環境を整えることが大切です。
ただし、塾(予備校)や家庭教師にはそれぞれ向き・不向きがあります。それぞれのメリットやデメリットを理解した上で、お子さんに最も適した学習方法を選ぶようにしましょう。

塾(予備校)のメリット

  • 合格実績が多い
  • プロの講師が授業を行う
  • 志望校合格へのノウハウを提供してくれる
  • 競争心を高めるライバルが身近にいる

塾(予備校)のデメリット

  • 費用が高い
  • 集団授業形式が多く、授業についていけないと取り残される
  • 基本的なこと(小中学生レベル)までは教えてもらえない

家庭教師のメリット

  • 個別指導のため、生徒の学力やペースに合わせた授業が受けられる
  • 自宅で指導を受けるため、通学時間が不要
  • 学習内容を志望校に合わせて柔軟に変更できる
  • 基本的なこと(小中学生レベル)から教えてもらえる

家庭教師のデメリット

  • ライバルがいないので競争しづらい
  • 教師の質にばらつきがあり、適した教師を見つけるのが難しい場合がある

まとめ

今回のコラムでは、通信制高校からの大学進学をテーマに解説しました。
近年では、大学への進学実績を持つ通信制高校も増えてきているため、通信制高校に進学しても大学への道を諦める必要はありません。
大学進学を目指す場合は、なるべく早い段階で意思決定し、適切な方法で準備を進めていきましょう。

家庭教師のマスターでは、通信制高校への進学を考えているお子さんや、通信制高校に通いながら大学進学を検討しているお子さんへのサポートも行っています。ご興味のある方は気軽にお問合せください。

この記事を企画・執筆・監修した人

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この記事は、家庭教師のマスターを運営している株式会社マスターシップスの「家庭教師のマスター教務部」が企画・執筆・監修した記事です。家庭教師のマスター教務部は、教育関連で10年以上の業務経験を持つスタッフで編成されています。
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