通信制高校の学費とは

公開日:2024年5月2日

このコラムでは、「通信制高校の学費っていくらかかるんだろう?」といった疑問を持つ方に向けて、通信制高校でかかる学費について詳しく解説します。また、学費以外にかかる費用や、授業料減免になる就学支援金制度についてもご紹介します。通信制高校の学費に関する情報をお探しの方は、ぜひご一読ください。

通信制高校とは?

通信制高校の特徴

通信制高校とは、生徒が自宅で学習を行う新しい高校教育の形です。
毎日学校に通う必要がない分、全日制高校と比べ学費が安価になりやすいのが特徴です。
通信制高校では、授業に出席する代わりに「レポート」と呼ばれる教材を中心に自宅で学習を進めます。最終的に「単位認定試験」を受け、その単位を取得することで高校卒業の資格を得ることができます。
通信制高校は「単位制」を採用している学校がほとんどで、学校によっては「1単位=○○円」といったような形で学費が設定されています。

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⇒ 「単位制の高校とは?|学年制との違いやメリット・デメリットを解説」

通信制高校の学費の違い|3つのポイント別に解説

1. 公立か?私立か?

通信制高校は、公立高校と私立高校に区分されます。学費に関しては、全日制高校と同様で公立高校の方が安く私立高校の方が高い傾向があります。特に、私立の通信制高校の学費は、授業内容選択するコースによっても異なりますが、私立の全日制高校に進学する場合とほぼ同じくらいの学費がかかることもあります。

2. スクーリングの頻度

通信制高校といっても、全く学校に行かなくてもよいわけではありません。
通信制高校には「スクーリング」と呼ばれる登校日があります。このスクーリングの頻度は学校やコースによって異なります。生徒が自由に選ぶことができ、月に1〜2回の頻度でスクーリングを行う学校だけもあれば、週3〜5回の頻度で全日制高校と同じようにほぼ毎日スクーリングを行う学校もあります。
一般的には、スクーリングの頻度が少ないほど学費が安くなり、頻度が多いほど学費が高くなる傾向があります。また、普段はスクーリングがなく、年に1回の合宿で集中して行われることもあります。その場合、交通費や宿泊費などが別途発生します。

3. サポート校を利用するかどうか

通信制高校には、卒業をサポートするための「サポート校」が併設されている学校があります。これらの施設は、通信制高校の卒業や進学のサポートをするために設けられています。サポート校では以下のようなフォローを受けることができます。

  • レポートの添削や提出管理
  • 大学受験対策や就職支援
  • 面談によるメンタル面のフォロー

通信制高校に通う場合、こういったサポート校を併用するかどうかで学費が大きく変わります。なぜならサポート校を利用すると「通信制高校の学費」以外に「サポート校の学費」も発生するためです。
サポート校は学校ではなく、塾や教育機関が運営しています。したがって、サポート校を卒業しても高卒の資格は得られませんので、高校卒業の資格を取得したい場合、必ず「通信制高校」+「サポート校」といった形で併用する必要があります。

通信制高校の学費について

公立高校の場合

公立の通信制高校は、学費が安いのが一番の特徴です。
運営する都道府県によって発生する費用は異なりますが、大きな金額差はありません。例えば、東京都の運営する通信制高校の場合は以下の通りです。

  • 入学金:500円
  • 授業料:1単位あたり336円

通信制高校を卒業するために必要な単位数は74単位なので、卒業までにかかる授業料は336円×74単位で合計24,864円となります。
その他に、学費以外に発生する費用があります。例えば公立高校の場合、オンラインでのレポートの提出に対応してない学校が多く、レポートを提出する際の郵便代金を負担する必要があります。主なその他の費用は以下の通りです。

  • レポート郵送代:15円程度(1通あたり)
  • 施設料:1〜2万(年間)
  • 日本スポーツ振興センター共済掛金:165円(年間)
  • 教材費:数千円〜1万円程度(年間)

以上のように、学費や郵送代金などを全て合わせると公立高校の場合は、卒業までに約10万円〜15万円程度の費用が必要となるでしょう。

私立高校の場合

私立の通信制高校は、学校や選択するコースによって発生する費用に大きな差があります。主な費用は以下の通りです。

  • 入学金:10,000~50,000円
  • 授業料:1単位あたり5,000~12,000円

私立高校の場合は授業料だけでも、約40万円〜90万円程度の費用が必要となるでしょう。

また、私立の通信制高校では、公立高校とは異なり、生徒が自分の興味がある専門分野について深く学べる様々なコースが用意されています。選択するコースによっては、実習やプロの講師による授業が行われることもあり、その場合、授業料とは別に料金が発生することがあります。
さらに、私立高校はコース選択だけでなく、スクーリングの頻度も生徒が自ら決定することができます。週1日のスクーリングを選ぶ場合と週5日間のスクーリングを選ぶ場合では、施設費などに大きな差が生じます。
また、レポートの提出のフォローや大学受験のためにサポート校を併用する場合は、サポート校の学費が別途発生します。

以上の金額を全て合わせると、授業料以外に年間約20万〜100万円程度の費用がかかります。入学金や授業料、その他の費用を全て含めると、卒業までの合計で約50万〜300万円程度の費用がかかります。学校やコースによっても異なりますが、私立の通信制高校の場合、全日制の高校の学費と変わらないことも多いです。

通信制高校の学費を軽減する方法

就学支援金制度について

平成26年4月から、公立・私立を問わず、通信制高校に通う生徒が一定の基準を満たすことで、就学支援金を受給できるようになりました。
この制度は、通っている学校の種類(公立なのか私立なのか)に応じて支援金の額に違いがあるのですが、どちらの高校に通っていたとしても経済的な負担を軽減できるというメリットがあります。

就学支援金を受けるための3つの基準

1. 世帯年収が910万円以下であること

保護者の収入が多い場合には就学支援金が支給されない規定があります。
具体的な所得要件の判定には
「課税標準額(課税所得額)×6% - 市町村民税の調整控除の額」という計算式が使われます。この計算式で304,200円以上になる場合、年収目安が910万円以上になるため支給対象外となります。

2. 通信制高校の在籍年数が4年以内であること

就学支援金の受給期間には上限があります。通信制高校の場合、最大48か月まで支給されます。48か月を超えて在籍している場合は支給対象外となるため、注意が必要です。

3. 74単位の履修まで

就学支援金は「履修単位数」に基づいて支給されます。あくまで「履修単位数」であり「修得単位数」ではないため注意が必要です。
例えば、卒業までに90単位を履修し、最終的に74単位を修得して卒業に至った場合、74単位分は就学支援金の対象となります。しかし、74単位を超えた残りの16単位は就学支援金の対象外となります。
つまり、「不合格だった単位に関しては就学支援金が使えない」ということになります。以上の基準を満たすことで、通信制高校の生徒には、国から年間30単位まで、通算74単位までの授業料が支援されます。

参照:文部科学省「高校生等への修学支援」

就学支援金の支給額について

公立の通信制高校の場合は1単位あたり336円が支給されます。
公立の通信制高校の授業料は、多くの都道府県で1単位336円以下に設定されています。そのため、就学支援金制度を利用することで、授業料が無償化されます。

一方、私立の通信制高校の場合は、世帯収入によって支給される金額が異なります。具体的には以下の通りです。

  • 世帯年収が590万円以上~910万円未満の場合:1単位あたり4,812円
  • 世帯年収が590万円未満の場合:1単位あたり12,030円

多くの私立の通信制高校では、1単位あたりの授業料が12,000円以下になるため、世帯年収が590万円未満の場合は授業料が実質的に無償化されます。
また、世帯年収が590万円以上〜910万円未満の場合でも、支給額と授業料の差額のみの負担となります。ですから、いずれの場合でも家庭の経済的な負担が軽減されることには変わりません。
ただし、就学支援金は「授業料」に対して支給されるため、施設費やサポート校の学費などは全額負担する必要があります。

参照:文部科学省「支給期間・支給限度額一覧」

受給に必要な手続について

就学支援金制度を利用するためには、入学時に必要な書類を学校等に提出する必要があります。ただし、所得基準の判断方法や提出期限については各学校によって異なるため、学校の職員の方に確認するようにしましょう。

まとめ

今回のコラムでは、「通信制高校の学費」に焦点を当てて、その概要や仕組みについて詳しく解説しました。
通信制高校の学費は、公立と私立では大きな違いがあります。また、スクーリングの頻度も費用に大きな影響を及ぼします。
保護者の皆様は、お子さんの個性や興味に合わせて学校を選ぶことが重要ですが、同時に費用面も考慮する必要があります。「子どもに合った学校だが、学費が高すぎる…」といった場合には、就学支援金の利用が学費負担の軽減に役立ちます。通信制高校への進学を検討されている方々にとって、今回のコラムがお役に立てれば幸いです。

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