子どもの自己肯定感が低いのは親のせい?|原因と家庭でできるサポート方法
公開日:2025年5月16日

親の言葉や態度は、子どもの自己肯定感に大きく影響します。このコラムでは、子どもの自己肯定感が低くなる原因、子どもの自己肯定感が低くなる親のNG行動、子どもの自己肯定感を高める関わり方について詳しく解説します。保護者の方は必見の内容です。
子どもの自己肯定感が低くなる原因とは?
子どもの自己肯定感は、成長過程の中でさまざまな影響を受けて変化していきます。
特に、家庭での関わり方や学校での経験、子ども自身の性格などが複雑に絡み合い、自己肯定感の高さ・低さに影響を及ぼします。
ここでは、子どもの自己肯定感が低くなる主な原因を4つの観点から解説します。
1. 家庭での関わり方や声かけの影響
自己肯定感の土台は、家庭での関わりを通じて育まれることが多いです。
親からの言葉や態度は、子どもにとって「自分の存在価値」を確認する重要な手がかりになります。例えば、「また失敗したの?」「どうしてできないの?」などの否定的な声かけが続くと、子どもは「自分はダメな子なんだ」と思い込みやすくなります。
また、兄弟や他の子どもと比較された経験や言葉も、自信を失う原因になります。
一方で、努力や過程を認める声かけがあれば、子どもは「自分は受け入れられている」と感じ、自己肯定感を育てることができます。
2. 学校や友人関係での体験
子どもは成長するにつれて、家庭以外の場所でも自己評価を育てていきます。中でも、学校での友人関係や先生とのやり取りは、自己肯定感に直接的な影響を与えます。
いじめやからかい、無視などの否定的な体験をすると、「自分には価値がない」と感じやすくなります。また、学力や運動能力でまわりと比べて劣等感を抱いた場合も、自己評価が下がる原因になります。
さらに、先生や友達から努力を認めてもらえない、ほめられないといった状況も、自己肯定感を高めにくい要因のひとつです。
3. 子ども自身の気質や性格
自己肯定感は、環境だけでなく子ども自身の気質にも左右されます。
もともと慎重で内向的な性格の子や、感受性が強い子は、ちょっとした出来事にも大きな影響を受けやすい傾向があります。
例えば、完璧主義傾向の子は、少しの失敗でも「自分には価値がない」と思ってしまうことがあります。また、他人の評価を気にしすぎるタイプの子は、自分自身の価値を他人の反応によって判断しがちです。
このような性格的要素は「自己肯定感の弱さ」として表れやすく、周囲の理解と支えが必要になります。
4. 成長段階による不安や葛藤
子どもは年齢によって心の成長段階が異なり、それぞれの時期に特有の不安や葛藤を抱えることがあります。
特に小学校高学年から中学生にかけては、他者と自分を比べる機会が増え、自意識が強まる時期です。この時期に「自分は他の子より劣っている」と感じると、自己肯定感が下がりやすくなります。
また、思春期には親との距離を取りたくなる一方で、「本当は理解してほしい」という複雑な感情も抱えやすく、ちょっとした親の言葉が心に刺さることもあります。そうした揺れ動く心に寄り添う姿勢が大切になります。
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子どもの自己肯定感が低くなる7つの親のNG行動
親の関わり方は、子どもの自己肯定感の土台を作るうえで大きな影響を与えます。無意識に投げかけた言動が、実は子どもを「自分には価値がない」と感じさせてしまっていることも少なくありません。
ここでは、自己肯定感を下げてしまう代表的な7つのNG行動について解説します。
1. 否定的な言葉が多い
親が子どもに対して「またできてない」「何度言ったら分かるの?」「いい加減にして」など、否定的な言葉を繰り返すと、子どもは「自分はダメな存在なんだ」と思い込むようになります。
このような言葉は、親にとっては注意や指導のつもりであっても、子どもの心には強いインパクトを残します。
特に日常的に否定の言葉が続くと、子どもは“評価される=否定される”というイメージを持ちやすくなり、自信を持って行動することが難しくなっていきます。結果として、「どうせやっても怒られる」「自分なんか頑張ってもムダだ」といった思考に陥り、失敗を恐れて挑戦しなくなるなど、自己肯定感の低下に直結してしまいます。
2. 兄姉や他の子と比べる
「お兄ちゃんはすぐできたのに」「○○ちゃんはちゃんとできてるよ」などの言葉は、一見“励まし”や“基準”のように思われがちですが、子どもにとっては「自分は劣っている」と感じさせる原因になります。
このような他者との比較をされ続けると、子どもは「どうせ自分は○○よりできない」と自己評価を下げたり、「誰にも認めてもらえない」と感じて心を閉ざすようになります。
また、兄弟姉妹間の比較は、家庭内での“序列意識”や“対抗心”を生み出し、親子関係だけでなく兄弟関係にも悪影響を及ぼすことがあります。
子どもが「自分らしさ」よりも「他人に勝つこと」に価値を置くようになると、ありのままの自分を受け入れる力が育ちにくくなります。
3. 結果ばかりを評価する
テストで高得点を取った時や、何かで1位になった時にだけ褒められる、のように、「結果」がほめられる基準になると、子どもは「成功しなければ認められない」と考えるようになります。
すると、結果を出せなかったときには「自分には価値がない」と極端に落ち込んだり、失敗を恐れて挑戦そのものを避けたりするようになります。
特に完璧主義傾向のある子は、たった一度の失敗で自己評価を大きく下げてしまうこともあります。
結果だけに焦点が当たると、「どんな思いで取り組んだのか」「どう成長したか」という本来大切にすべき部分が見落とされ、子ども自身も自分の努力や過程を軽視するようになってしまいます。
4. 口出しや指示が多すぎる
子どもが何かをしようとするたびに「そうじゃない」「早くしなさい」「こうやってやるの!」と親が先回りして指示を出しすぎると、子どもは自分のやり方やペースを否定されたように感じます。
その結果、「自分には考える力がない」「どうせ怒られるから言われるまで動かない」といった受け身な姿勢が染みついてしまいます。やがて、「自分は何もできない」という無力感を抱くようになり、自己肯定感は下がっていきます。
特に慎重で自信のない性格の子は、「間違えたら怒られる」「親の期待に応えないといけない」と過剰に感じ取り、萎縮してしまうこともあります。
親の過干渉についてもっと知りたい方はこちら
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5. 子どもの気持ちを軽視・否定する
子どもが「悔しい」「こわい」「悲しい」といった感情を見せた時に、「そんなことでイチイチ泣かないの」「気にしすぎでしょ」「大したことないでしょ」と軽い反応や否定をしてしまうと、子どもは自分の気持ちが理解されていないと感じます。
「感じてはいけない感情なんだ」「この気持ちはダメなんだ」と思うようになると、徐々に感情表現を控えるようになり、自分自身の感じ方を否定するようになります。これは、自己否定の第一歩につながりかねません。
本来、気持ちを表すことは心の健康にとって大切なことですが、それを抑圧する環境では、子どもは「本当の自分を出すと拒絶される」と学習してしまいます。
6. 親自身が自己否定的な態度をとる
親が「私なんてダメな親だから…」「うまく子育てできてない…」といった自己否定的な発言を繰り返すと、子どもはその姿を敏感に感じ取ります。
「親が自信を持てていない」「大人になってもダメなんだ」と思い込むようになり、自分自身にも厳しい目を向けるようになります。また、「こんな自分が親を困らせているのでは?」といった罪悪感を抱きやすくなることもあります。
家庭の中で、大人が自分を大切にできていない姿を見ると、子どもは「人間とはそういうものなのだ」と認識しやすくなり、自己肯定感を育てる土台が揺らいでしまうのです。
7. 愛情表現が足りない
「言葉での励ましやスキンシップが少ない」「会話の時間が短い」「子どもをじっくり見つめて関わる機会が少ない」、こういった日常が続くと、子どもは「自分は大切にされていないのでは?」「認めてもらえていないのでは?」と感じてしまいます。
子どもにとって親からの無条件の愛情は、心の安定と自己肯定感を支える根本です。それが見えにくいと、自分の存在価値そのものに不安を覚えやすくなります。
特に思春期に入ると子どもは距離を取りたがりますが、それでも見守られている安心感を内面では必要としており、愛情が伝わらない環境では孤独感や無力感が強まりやすくなります。

今日からできる!子どもの自己肯定感を高める7つの関わり方
自己肯定感は、特別な才能や成功体験によって育つものではなく、日々の何気ない関わりの中で少しずつ育まれていくものです。親のちょっとした言葉や態度が、子どもにとって「自分は大切にされている」「自分には価値がある」と感じる大きな力になります。
ここでは、忙しい日常の中でもすぐに取り入れられる7つの関わり方をご紹介します。
1. 結果よりも過程をほめる
「テストで90点取れたね」よりも、「毎日コツコツ勉強していたね」「自分で工夫して問題を解こうとしてたね」といった言葉をかける方が、子どもは「結果だけじゃなく、自分の努力も認められている」と感じられます。
人は結果に一喜一憂しますが、過程を見てくれているとわかることで、子どもは自分を肯定しやすくなります。逆に、結果だけが評価の基準になると、失敗=価値がない、という極端な自己評価になってしまうリスクがあります。
例えば、「算数は苦手って言ってたのに、毎日10分ずつがんばってたね」と言うだけでも、努力を見てもらえていたという実感が自己肯定感を育てます。
2. 小さなできた!を見逃さずに言葉にする
大人にとっては当たり前に見える行動でも、子どもにとっては「自分なりに頑張ったこと」がたくさんあります。
「自分で靴をそろえた」「約束の時間に準備できた」「弟におもちゃを貸せた」など、小さな行動を見つけて肯定的に伝えることで、「自分ってすごいかも!」という気持ちが育ちます。
大切なのは、行動の“大小”よりも、“その子なりにがんばったこと”を見つけて伝えることです。「自分はちゃんと見てもらえている」という安心感が、内側からの自信につながっていきます。
3. 子どもの気持ちをまず受け止める
子どもが怒ったり泣いたり、不安になったりしたとき、大人はつい「そんなことで怒らないの」「気にしすぎだよ」と言ってしまいがちです。しかし、こうした言葉は、子どもにとって「気持ちを否定された」と感じる大きなストレスになります。
まずは、「悔しかったんだね」「それはイヤだったよね」と、感情をそのまま受け止め、共感してあげることが大切です。
親が自分の気持ちに寄り添ってくれた経験があると、子どもは「自分の感じ方は間違ってないんだ」「自分はわかってもらえる存在なんだ」と安心できます。
この“気持ちを受け止めてもらえる体験”が、自己肯定感の芯を強くしてくれます。
4. 「あなたらしさ」を見つけて伝える
子どもには、一人ひとり違う良さがあります。成績や運動のようなわかりやすい成果だけではなく、「丁寧に取り組む」「人に優しくできる」「観察が得意」「ユーモアがある」といった個性や性格的な魅力を具体的な言葉で伝えることが、深い自信につながります。
例えば、「どんな時でも友だちの話をちゃんと聞いてあげられるよね」「その優しさ、ほんとうに素敵だと思うよ」と伝えると、子どもは「自分の存在そのものに価値がある」と実感します。
こうした言葉は、他人と比べることなく「自分はこのままでいい」と思える力になります。
5. 選ばせる・任せる場面をつくる
すべて親が決めてしまうと、子どもは「自分の意見には意味がない」と感じるようになり、やがて自信を持って行動することが難しくなります。
「今日はどの服を着たい?」「先に宿題をする?それともおやつを食べてからにする?」といった小さな選択を子どもに任せることで、自己決定感が育ちます。
自分で選んで動いた経験は、「自分で決めていい」「自分の考えには価値がある」という自己信頼につながります。
また、失敗しても「自分で決めたこと」として受け止める経験が増えることで、責任感や立ち直る力も育っていきます。
6. 一緒に「失敗」を受け止める
失敗した時に、「だから言ったじゃない」「なんでそんなことしたの」と言われると、子どもは「自分の失敗=自分の否定」と感じてしまいます。
大切なのは、失敗をしても親が味方でいてくれることを感じられるかどうかです。
「悔しかったね」「うまくいかなかったけど、それでもよくがんばったよ」と共感することで、「失敗しても大丈夫」「自分はそのままで認めてもらえる」と、子どもは安心します。
失敗と向き合う経験を通じて、“失敗しても自分の価値は変わらない”という感覚が育ち、失敗を恐れずに挑戦できる心が生まれます。
7. スキンシップやアイコンタクトを大事にする
言葉だけでなく、スキンシップや目を合わせて笑う、うなずくといった非言語のコミュニケーションも、子どもの自己肯定感を支える大切な手段です。
例えば、朝出かけるときに「いってらっしゃい」と軽くハグする、話すときにちゃんと目を見る、などの関わりは、「あなたのことを大事に思ってるよ」というメッセージになります。
特に言葉にしにくい思春期の子どもには、表情や態度で安心感を伝えることが効果的です。
「自分は受け入れられている」「大切にされている」という感覚は、どんな年齢の子どもにとっても、自己肯定感を根っこから支えるものです。

まとめ
子どもの自己肯定感は、親の関わり方や日々の積み重ねによって大きく育まれます。
否定的な言動を見直し、ありのままの子どもを認める関わりを意識することで、子どもは自分を信じる力を少しずつ育てていきます。
完璧な対応を目指すのではなく、「今できることから始めてみる」ことが、子どもの心を支える第一歩になるでしょう。
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