【なぜ母親にだけ反抗する?】反抗挑戦性障害(ODD)の子どもとの接し方・改善策
公開日:2025年5月28日

このコラムでは、母親に反抗的な態度を示す子どもが「反抗期」なのか、それとも「反抗挑戦性障害(ODD)」なのか、その違いをわかりやすく解説します。
さらに、反抗挑戦性障害の子どもへの接し方のコツや、改善するためのポイントについても紹介します。
反抗挑戦性障害とは?
家庭や学校で子どもが見せる「反抗的な態度」。それが一時的な反抗期なのか、それとも反抗挑戦性障害(ODD)なのか、判断が難しいと感じる保護者の方も多いのではないでしょうか?
ここでは、ODDの基本的な特徴や、反抗期との違い、そして「母親にだけ反抗する」ケースについて詳しく解説します。
1. 反抗挑戦性障害(ODD)の主な特徴とは?
反抗挑戦性障害(ODD)は、親や教師などの大人に対して、持続的に怒りや敵意を示す行動が特徴です。
具体的には、「わざと反抗的な態度を取る」「ルールを無視する」「人のせいにする」「すぐに怒る・かんしゃくを起こす」といった行動が6か月以上続き、日常生活に支障をきたすレベルで現れます。
こうした反応はしつけでは改善しにくく、本人の性格というより“感情のコントロールの困難さ”が背景にあると考えられています。
2. 反抗期との違いは?反抗挑戦性障害との見分け方
反抗期もODDも、大人に対して反抗的になるという点は共通しています。しかし反抗期は「自立への過程」であり、期間が限定的なのに対して、ODDは反抗的な行動が長期間かつ強い形で続き、学業や家庭生活にも悪影響を及ぼします。また反抗期では、相手を選ばず反抗することもありますが、ODDでは特定の人物(親や教師など)に対して一貫して挑発的な態度をとる傾向が強く見られます。
3. 母親にだけ強く反抗するのは反抗挑戦性障害のサイン?
ODDの子どもが、特に母親に対してだけ強く反抗するケースは珍しくありません。
これは、母親が最も身近で感情をぶつけやすい相手であり、「甘え」と「反発」が表裏一体になって現れているためです。ただし、すべてのケースがODDに該当するわけではなく、家庭環境や母子関係のストレスが一時的に行動に影響している場合もあります。
反抗の程度や頻度、生活全体への影響を見ながら、専門的な視点での判断が必要です。
反抗期についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「反抗期はいつから始まり、いつ終わるの?|接し方や注意点を徹底解説」

反抗挑戦性障害の原因とは?|主な3つの要因を解説
反抗挑戦性障害(ODD)は、単なる反抗期や性格の問題ではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。
ここでは、ODDの背景にあるとされる「心理的・環境的要因」「発達・脳機能的要因」「遺伝的要因」の3つを軸に、それぞれの特徴を解説します。
1. 心理的・環境的な要因|家庭環境や育て方が影響?
家庭内の不安定さや親子関係のストレスが、ODDの発症リスクを高めることがあります。
例えば、夫婦喧嘩や離婚、虐待、親の無関心といった家庭環境は、子どもの情緒を不安定にし、攻撃的・反抗的な行動として表れることがあります。
また、しつけが厳しすぎたり、逆に甘やかしすぎたり、一貫性のない対応が続くと、子どもは混乱し、反抗的な態度を強めてしまう可能性があります。
2. 発達・脳機能的な要因|感情コントロールの難しさ?
ODDの子どもには、感情や衝動をコントロールする力(実行機能)が弱い傾向があります。
これは、脳の発達の特性に起因していることが多く、本人の「わざとやっている」というよりも、「うまく感情を整理できない」「止めたいのに止められない」といった状態です。特にADHDやASDといった発達特性と併存しているケースも多く、こうした背景が反抗的な行動として現れます。
3. 遺伝的要因|反抗挑戦性障害と遺伝の関連性
反抗挑戦性障害自体が直接遺伝するわけではありませんが、感情の爆発しやすさや衝動性といった特性は、遺伝的な影響を受けやすいとされており、親が同じような特性を持っている場合、子どもにも似た傾向が現れやすくなります。
ただし、遺伝はあくまで“なりやすさ”に過ぎず、育て方や関わり方次第で、子どもの行動は大きく変わっていきます。

母親ができる!反抗挑戦性障害の子どもへの接し方5つのコツ
反抗挑戦性障害(ODD)の子どもと向き合う母親は、日々「なんでこんなに反抗するの?」「私の育て方が悪いの?」と悩み、自信を失いがちです。しかし、子どもを変える第一歩は、親の接し方や関係性の中にヒントがあることも多いのです。
ここでは、ODDの子どもに対して母親が実践できる5つの接し方のポイントを、わかりやすく詳しく紹介します。
1. 感情的にならない!冷静な対応が子どもを落ち着かせる
子どもが暴言を吐いたり、物に当たったりするような場面では、つい親も感情的になってしまいがちです。しかし、親が怒りをぶつければぶつけるほど、子どもも反発し、状況はエスカレートしてしまいます。
まずは「今、この子は感情が整理できない状態なんだ」と一歩引いて考えるよう意識してみましょう。深呼吸をしたり、一度席を外したりして、自分の感情をリセットする時間を取るのも有効です。冷静な対応を積み重ねることで、子どもも少しずつ安心感を持ち、感情の波を穏やかにできるようになります。
2. 反抗は成長の証?子どもの心を理解する視点を持とう
反抗的な言動は、すべて「問題行動」なのでしょうか?
実は、その裏には、「わかってほしい」「自分の考えを通したい」といった健全な自我の芽生えが隠れていることもあります。
特にODDの子どもは、感情の伝え方が不器用であるため、言葉ではなく態度で主張してしまいがちです。そんな時こそ、「この子は今、どうしてそんな態度を取ったんだろう?」と一歩踏み込んで理解しようとする姿勢が大切です。「反抗=悪」ではなく、「自立へのステップかもしれない」と受け止め直すことで、親自身のストレスも軽減されていきます。
3. ルールは明確に!一貫性が反抗を減らすカギに
子どもが混乱し、反抗的になりやすい原因のひとつに、「大人の対応のブレ」があります。
例えば、同じ行動でも日によって怒ったり許したりしてしまうと、子どもは「どうせ適当だ」と感じて、ルールそのものを無視するようになります。ですからまずは、「これだけは守ってほしい」というルールを数個に絞って明確化しましょう。そして、それを守れたとき・破ったときの対応も一貫性を持って行うことが重要です。「今日はいいや」「気分で注意する」ではなく、ブレのない対応が子どもの安心感と納得感を生み出します。
4. 叱るより褒める!良い行動を見逃さず伝える工夫
反抗的な子どもに対しては、つい「注意」や「叱責」が多くなりがちです。
しかし、注意ばかりされていると、子どもは「どうせ自分なんて」と自己肯定感を下げ、さらなる反抗に繋がることもあります。
そこで意識したいのが、「叱るより先に褒める」姿勢です。たとえ些細なことであっても、「今日は自分から準備してたね」「嫌なことがあっても我慢できたね」と、具体的に声をかけてあげましょう。
“やってほしい行動”に目を向け、それをしっかり肯定することで、ポジティブな行動が自然と増えていきます。
5. 命令ではなく選択肢を!子どもに“選ばせる”工夫
ODDの子どもは、「支配される」「命令される」と感じた瞬間に、強く反発する傾向があります。そのため、「〜しなさい」と一方的に指示するよりも、「AとBどっちがいい?」と選択肢を与える伝え方が効果的です。例えば、「今宿題する?それとも夕飯の後にする?」のように、内容は変わらなくても、選ぶ自由があることで子どもの気持ちが落ち着きます。「自分で決められた」と感じることが、行動への納得と自信につながるので、強制せず、主導権を“少し子どもに渡す”だけでも、関係性がぐっと柔らかくなります。

抗挑戦性障害の改善に向けて|親ができる3つのステップ
反抗挑戦性障害(ODD)の子どもと向き合う毎日は、どうしてもストレスや疲れがたまりやすく、「このままではダメなのでは…」と不安になることもあるでしょう。
けれども、日々の関わり方や家庭の環境を少しずつ見直していくことで、子どもの反抗的な態度が和らいでくるケースは多くあります。
ここでは、家庭の中でできる改善に向けた3つのステップをご紹介します。
1. 命令や否定を減らす|家庭のコミュニケーションを見直そう
日常会話の中で、つい「早くして!」「なんでそんなことするの?」「いい加減にしてっ!」といった命令口調や否定の言葉が多くなっていませんか?
反抗挑戦性障害の子どもは、こうした言葉に特に敏感で、即座に反発を示すことが少なくありません。ですから、まずは、親の語りかけ方を見直してみましょう。
たとえば「◯◯してくれると助かるな」「私はこうしてほしいな」といった、お願いや気持ちの共有の形に変えるだけでも、子どもの反応が変わることがあります。
感情的になった時こそ、一呼吸おいて「どう伝えれば子どもの気持ちに届くか」を意識する姿勢が、親子の信頼関係の回復につながります。
2. 安心できる人や場所をつくる|心の安全基地の広げ方
ODDの子どもにとって、「安心できる人がいる」「自分を否定しない場所がある」ということは、心を安定させるための大きな支えになります。
親がその存在になれれば理想ですが、母子関係にストレスが生じている場合は、親以外の“大人の味方”をつくることも大切です。
例えば、信頼できる先生、祖父母、スクールカウンセラー、地域の支援者など、子どもが安心して本音を出せる相手を見つけましょう。また、家庭の中でも「自分の好きなことに集中できる場所」「叱られずに気持ちをリセットできる空間」があることで、子どもは心を落ち着けやすくなります。
3. 強みや好きなことを伸ばす|成功体験が子どもを変える
反抗的な言動ばかりが目立つと、「この子には問題行動しかない」と感じてしまいがちですが、子どもには必ず“得意なこと”や“好きなこと”という強みが存在します。
スポーツ、絵、音楽、ゲーム、ものづくりなど、子どもが夢中になれることを通じて、「自分はこれができる」「認められた」という成功体験を積むことは、自己肯定感を育て、行動の変化にもつながります。
また、強みを活かす場面では、反抗的な一面が影を潜めることも多く、親子の関係にもプラスの影響を与えます。問題行動を矯正するだけでなく、“その子らしさ”を伸ばす視点を持つことが、長期的な改善の鍵となります。

まとめ
反抗挑戦性障害の子どもに対する接し方には、冷静さと理解、そして工夫が求められます。母親にだけ反抗する背景には、子どもなりの不安や甘えが隠れていることもあります。
一人で抱え込まず、家庭の関わり方や環境を少しずつ見直していくことで、親子関係は必ず変わっていきます。焦らず、できることから始めていきましょう。
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