【先生向け】期末テスト指導法ガイド【中3編】|家庭教師のマスター

【先生向け】期末テスト指導法ガイド【中3編】|家庭教師のマスター

中学3年生の期末テストは、内申点を決定づける重要なテストであり、受験学習と直結する実戦的な評価の場です。

本記事では、家庭教師の先生向けに、定期テスト対策と入試対策を両立させる指導法を解説します。内申点の仕組みや受験スケジュールを踏まえ、1・2学期それぞれのテストに向けた効果的な学習設計を紹介します。

中3の期末テスト指導に求められる視点

中学3年生にとって、期末テストは「学期末のまとめ」というより、高校入試の一部としての重要な試験です。内申点の算出に直結するうえ、受験対策と重なる内容も多く、どのように学習を進めるかが合否を左右します。
この時期の家庭教師には、短期的な得点アップだけでなく、受験を見据えた“戦略的な学習設計”が求められます。


1. 内申点を意識した“戦略的テスト対策”への転換

中3の期末テストは、内申点を決定づける最重要テストです。
特に2学期の期末テスト(または前期中間テスト)は、多くの都道府県で内申点の最終評価対象になります。
一部地域(例:東京都)では中3の成績のみが評価対象となり、また他県でも中3の評定が重みづけされるなど、「中3の成績=受験結果を左右する数字」という現実があります。

したがって、家庭教師の先生は「得点を取る」だけでなく、“評価を取る”ための学習指導を意識することが大切です。
具体的には、定期テストの得点に加え、提出物・ワークの完成度・授業態度など、観点別評価に直結する要素を徹底管理します。

生徒には「提出物を期限内に」「ノートを丁寧に」「授業中の発言や姿勢も評価に関わる」という点を明確に伝え、日常の学習行動そのものを“内申点対策”として位置づけましょう。

また、主要5教科だけでなく副教科4教科も内申に大きく影響します。
特に技能教科は評定の比率が高く設定されていることが多いため、「主要教科でカバーできる」という考えは危険です。
全教科に目を向け、テスト勉強と提出物管理の両方を早期に進める指導を行うことが重要です。


内申点についてもっと知りたい方はこちら
「内申点はどこから高い?どこから低い?|内申点の目安を解説!」


2. 入試を見据えた「定期テスト+受験勉強」両立の視点

中3の大きな特徴は、期末テストが受験勉強と完全に並行して進む点にあります。
入試問題の出題範囲は中1〜3の全単元であり、定期テスト対策だけではカバーしきれません。
家庭教師は、「定期テスト=受験勉強の一部」という意識で学習を設計する必要があります。

具体的には、テスト範囲の中に入試頻出単元が含まれる場合、「ここでの理解が入試得点にも直結する」と説明し、モチベーションを高めましょう。
例えば、英語の関係代名詞・数学の二次方程式・理科の運動や化学変化など、多くの都道府県で入試に頻出する単元をテスト勉強と同時に定着させる戦略が効果的です。

一方で、受験勉強そのものを進める時間が不足しがちになるため、テスト直前期は“復習の中に受験対策を組み込む”形でバランスを取ります。
「定期テスト用の問題を解いた後に、入試問題集の類題を1問だけ解く」など、少しでも入試対策に触れる工夫を続けると、切り替えがスムーズになります。

また、生徒が焦りを感じやすい時期でもあるため、「テストの点だけでなく、今の努力が入試への実力を育てている」と伝える声かけも大切です。受験本番までの学習はマラソンのような長期戦です。定期テストを区切りとして成果を見直し、次の目標を設定する習慣をつけることで、生徒は“計画的に走り切る力”を身につけていきます。

高校受験についてもっと知りたい方はこちら
「高校受験はいつから間に合う?|始める時期と準備について」


1学期(または前期)期末テストへの指導戦略

中3の1学期期末テストは、受験学年としての最初の大きな分岐点です。この時期の学習姿勢が、今後の半年間を左右するといっても過言ではありません。
家庭教師は、ここで生徒に“中2までとは違う意識”を持たせること、そして“受験モードへ自然に移行させる”ことを意識した指導が求められます。


1. 指導全体のテーマは「受験モードへの助走」

1学期の期末は、まだ部活動や行事が多く、気持ちの上では受験への実感が薄い生徒も少なくありません。
しかし、このテストはすでに内申点の評価に加味されていることを明確に伝えることが大切です。

指導の軸は「基礎の完成」と「学習習慣の再構築」です。中1・中2の内容で抜けが残っている単元を早期に確認し、今後の応用単元(英語の関係代名詞や数学の二次方程式など)に備えて“基礎を完成させる時期”として位置づけましょう。


また、学習の進め方も変化させる必要があります。
これまでの“テスト前に集中する”やり方では通用しません。「日々の授業内容をその日のうちに復習する」「間違えた問題をノートにまとめる」など、“入試を見据えた日常勉強のスタイル”を確立するよう導きましょう。

1学期のこの段階で勉強リズムを整えておくことが、夏以降の受験学習を安定させる基盤になります。先生は、生徒が焦らず段階的に勉強モードに入れるよう、ペースづくりをサポートすることが大切です。


受験勉強についてもっと知りたい方はこちら
「受験勉強って何からすればいいの?|中学3年生の高校受験ガイド」


2. 主要5教科の指導ポイント

英語

英語は、関係代名詞・分詞・現在完了進行形といった文法のまとめに入る時期です。
どの単元も入試頻出で、“中学英語の総仕上げの始まり”と言える内容です。
テスト勉強では暗記よりも、「文の構造を理解して使えるか」を意識させましょう。
また、この頃から定期テストでも長文読解問題の比率が増える傾向があります。
文法を実際の英文の中で確認するために、教科書本文やテスト範囲の長文を「構文」「内容」「要約」で整理する指導が有効です。
特に、関係代名詞や分詞構文は“文中で意味をとる力”が求められるため、文法練習と読解練習をセットで行うことで、理解が定着しやすくなります。

数学

数学では、二次方程式・平方根・関数の応用といった、難易度の高い単元が登場します。
計算だけでなく、文章題や証明を通して考え方の筋道を説明できる力を育てる指導が必要です。
定期テストと入試問題が直結する分野なので、解法を「覚える」よりも「説明できる」を目指しましょう。

国語

国語は、評論文・古文・漢文・文法の復習など、幅広い出題が予想されます。
本文読解では「要旨をまとめる練習」、文法では「識別問題」を意識して指導すると効果的です。

特に文法は短期間で点を上げやすいため、早めの対策が内申確保にも有効です。

理科

理科は、運動・エネルギー・化学変化など、実験を伴う内容が多くなります。
グラフ・図表を正確に読み取り、「理由を言葉で説明する力」を養いましょう。

社会

社会は、戦後の日本史・地理の復習・公民の前半が中心になります。
単なる暗記ではなく、出来事の流れをつかんで因果関係を整理する学びを意識させましょう。
入試でも資料問題が多く出題されるため、グラフや年表を使った読み取り練習を取り入れましょう。


3. 副教科を含めた内申点対策の徹底

中3では、主要教科だけでなく副教科の成績も内申点に大きく影響します。
技能4教科は、内申評価の比重が高く設定されている都道府県が多く、主要教科での得点を上回る影響を持つこともあります。

副教科は、授業態度・提出物・実技評価の3点が評価の柱です。
家庭教師としては、生徒に「提出物の提出日」「作品の完成度」「授業中の積極性」など、“見られているポイント”を明確に伝えることが効果的です。

また、副教科のテストは授業で扱った内容が中心なので、「授業ノートを復習すれば点が取れる」ことを生徒に理解させ、テスト勉強の取り組みやすさを実感させましょう。
主要教科とのバランスを取りながら、9教科全体のスケジュールを一緒に管理することが重要です。

1学期期末でしっかりと内申対策の基礎を築いておくと、2学期の内申最終評価へとスムーズに接続できます。“早めの意識づけ”が、中3指導の大きな鍵です。


副教科についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「副教科の勉強法について|テストで高得点を取るための対策」


4. 期末テスト後から「受験の夏」へのスムーズな移行指導

1学期期末テストが終わると、いよいよ中3生にとって最大の山場である夏休みが始まります。
この時期をどう過ごすかで、受験の結果が大きく変わるといっても過言ではありません。
期末テストを終えた直後は「テストが終わった」という解放感から気が緩みがちですが、先生はこのタイミングを、“受験勉強のギアを上げる時期”としてしっかり意識づけることが大切です。

まず、期末テストの結果をそのままにせず、“やり直しを夏の課題に組み込む”よう促しましょう。
テストで苦手だった単元は、夏の総復習計画に直結する貴重なデータです。「このミスを夏のうちに克服しよう」と声をかけることで、テストが次への行動に結びつきます。

また、夏休みの学習は「受験対策」と「基礎固め」の両立がポイントです。
特に、英語・数学・理科は中1・中2の復習が入試の土台になります。期末までの学習内容を整理しつつ、夏に向けて“復習優先の学習リズム”を作っていきましょう。

さらに、部活動を引退した直後の生徒には、生活リズムの再構築が必要です。
「朝型の学習ペース」「1日2〜3時間の自習習慣」など、受験を意識した生活の切り替えを早めに行うようサポートしましょう。
家庭教師は、期末後の緩みを防ぎつつ、「夏から本当の勝負が始まる」という意識を自然に植えつける存在です。
期末テストの指導を通して、学びの成果を“次のステージへの準備”として橋渡ししていきましょう。

中学3年生の夏休みについてもっと知りたい方はこちら
【中学3年生の夏休み】受験生の勉強時間はどれくらい?目安と効率アップ法


2学期(または前期中間)期末テストへの指導戦略

中3の2学期(または前期後半)の期末テストは、内申点が確定する最後のチャンスです。
多くの学校で、このテスト結果が高校入試の調査書に反映される最終評価となります。
そのため、点数の意味がこれまでとはまったく違います。
ここでは「取りこぼさない」「安定して点を取る」ことを軸に、確実に成果を形にする指導が求められます。


1. 2指導全体のテーマは「内申点の最終仕上げ」

この時期のテストは、単なる学期末の評価ではなく、内申点を決定づける最重要テストです。
得点そのものはもちろん、ワーク提出・授業態度・提出物など、観点別評価のすべてが反映されるため、生徒の一つひとつの行動がそのまま評定に直結します。

家庭教師としては、まず「何が評価対象になるのか」を生徒に明確に伝え、提出物・ノート・授業態度・課題の期限なども具体的に管理してあげることが大切です。

また、この時期のテストは範囲が広く、難易度も上がります。
焦りから「全教科を一度に進めよう」として中途半端になるケースが多いため、優先順位を立てて“戦略的に点を取る”計画づくりをサポートしましょう。
具体的には、「得点を伸ばせる単元」「確実に取りたい基本問題」「捨てずに挑戦すべき応用分野」を整理し、本人が“今どこを伸ばすべきか”を把握できる状態に導くことが大切です。


2. 主要5教科の得点安定と記述対策

主要5教科では、入試を意識した記述・思考型問題が増える時期です。
単なる暗記では対応しきれず、理解+表現力のバランスが問われます。

英語

英語では、関係代名詞・分詞構文・間接疑問文などが中心で、入試頻出単元が並びます。
単語や文法の確認に加えて、英作文や並び替えなど、“自分で文を作る”練習を意識的に行いましょう。
また、この時期からは長文読解問題の比重が大きくなります。
文法知識を「読む力」に結びつけるために、教科書本文の内容を段落ごとに要約したり、設問に対して根拠となる英文を探す練習を取り入れることが効果的です。
入試では長文の中で文法力・語彙力・読解力が総合的に問われるため、定期テストの長文問題=入試実戦練習と位置づけて取り組ませましょう。

数学

数学では、二次方程式の応用・関数の融合問題・図形の証明など、出題の難易度が一気に上がります。
途中式や理由を書く記述問題は、部分点を取りにいく意識を持たせましょう。
「最後まで考えきる姿勢」を定着させることが、受験に向けた粘り強さを育てます。


国語

国語は、評論・随筆・古文漢文の読解・文法総まとめが中心です。
本文理解に加えて、記述の書き方(根拠を含めて説明する力)を磨くことが重要です。
過去のテストの記述問題を再確認し、回答例をもとに「どの言葉を使えば伝わるか」を考える練習を取り入れましょう。

理科

理科では、運動・電気・イオン・遺伝など、複数分野を組み合わせた出題が増えます。
グラフや実験結果を読み取り、「言葉で説明する力」を中心に復習を進めると得点が安定します。

社会

社会は、公民の中盤〜後半(政治・経済・国際関係)が中心です。
時事問題にも関わる内容が多く、ニュースや資料の読み取りを授業と関連づけて学ぶことが効果的です。


3. 入試につながる学習への橋渡し

このテストが終わると、いよいよ受験は最終段階に入ります。
先生は、「ここで終わり」ではなく「ここからが本番」というメッセージを明確に伝えることが大切です。

期末の勉強で見つかった弱点を、入試対策の素材として活用しましょう。
例えば、「英語の文法問題が弱かったなら文型別に整理」「数学の関数で間違えたら入試問題で補強」など、定期テストの結果を受験勉強へとつなげる設計が、効率的な仕上げにつながります。

また、2学期以降は過去問演習や模試も増える時期です。
その中で、生徒が「定期テストと入試勉強のバランスをどう取ればいいのか」で悩む場面が出てきます。「テストでできなかった単元こそ、入試で得点源になる可能性が高い」と生徒に伝え、定期テストの失敗を次へのチャンスに変える発想を育てていきましょう。

この期末テストを通して、生徒が“点を取る勉強”から“力を育てる学習”へと意識を変えられれば、受験本番までの成長速度が格段に上がります。


期末テストを軸にした年間サポートの実践ポイント

中3の期末テストは、内申点の最終評価と受験準備の両方を兼ねる重要な位置づけです。
テストを“点数を取る場”として終わらせず、受験に通じる力を育てるサイクルとして位置づけることが、家庭教師に求められる年間サポートの視点です。


1. 定期テスト対策と受験勉強の両立法

中3では、定期テストと入試勉強が並行して進みます。
どちらかを優先するともう一方が疎かになるため、「定期テスト=受験勉強の一部」と捉える発想が大切です。

テスト範囲の中にも入試頻出単元は多く含まれています。
先生は、「今回の範囲が入試のどんな問題につながるのか」を生徒に意識させると効果的です。
例えば、英語の分詞構文や数学の二次方程式、理科のイオンや電気などは、定期テストで理解しておけば入試得点にも直結します。

また、勉強時間の配分も重要です。
平日は定期テスト中心、休日は受験問題演習に時間を充てるなど、目的ごとに時間を切り替えるリズムを一緒に作ると無理なく続けられます。
「テスト勉強」と「受験勉強」を分けて考えるのではなく、学びをつなげる発想が安定した成果につながります。


2. 得点力を支える学習習慣と時間管理

中3の後半では、やるべきことが増え、時間の使い方が成績を左右します。
ここで大切なのは、「学習時間」ではなく「学習の質」を高める習慣づけです。

先生は、生徒に「1日ごとの目的」を持たせるようにしましょう。
「今日は英語の長文を1題仕上げる」「数学の関数の苦手を1ページ克服する」など、小さくても達成感のある目標を積み上げることで、勉強が続けやすくなります。

また、生活リズムの乱れを防ぐために、「学習時間を固定する」ことも効果的です。
特に、夜遅くまでの詰め込みよりも、朝型・短時間集中の習慣を身につけさせると効率が上がります。
受験期の緊張感の中でも安定した集中力を保つためには、日常生活の安定が得点力を支える基盤になります。


3. テスト後の振り返りを受験対策に活かす

期末テストは、学習到達度を測るだけでなく、受験対策の貴重な素材でもあります。
テストが終わったら、「どの単元で失点したのか」「時間配分は適切だったか」を具体的に分析し、“テスト結果=受験力を高める教材”として活用しましょう。

先生は、生徒と一緒に間違いを確認する際に、単なる「答え合わせ」ではなく、「このミスは入試問題でも起こりやすい」といった関連づけを意識して話すと効果的です。
これにより、生徒は定期テストを“入試本番へのシミュレーション”として捉えられるようになります。

また、テスト後に「苦手克服リスト」や「再チャレンジ問題集」を作ると、次の模試や入試演習に直結します。
定期テストを単発で終わらせず、次への循環を作ることが、受験力を伸ばす最大のコツです。


4. 保護者との連携と進路意識の共有

受験学年では、家庭の協力が学習の持続力を左右します。
保護者との連携は、励ましと現状把握を共有するためのコミュニケーションとしてとても重要です。

テスト後には、点数や順位だけでなく、「どんな努力をしていたか」「学習のどこが伸びたか」を具体的に伝えましょう。そうすることで、保護者は“結果だけでなく過程を評価する”姿勢を持つことができ、生徒の自己肯定感が高まります。

また、志望校や進路についての意識を保護者と共有しておくと、家庭でのサポートがより実践的になります。
「今の内申でどのレベルの学校を目指せるか」「これから何を伸ばす必要があるか」を先生が橋渡し役として伝えることで、家庭と生徒が同じ方向を向いて受験に臨めます。


受験生についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「受験生への応援メッセージ例文|受験生の心に響く言葉を厳選!」




まとめ|中3の期末テストは「受験成果を形にする最終ステージ」

中学3年生の期末テストは、単なる学期の締めくくりではありません。これまで積み重ねてきた努力を“数字として、形として示す”最終ステージです。
同時に、受験本番に向けての学力の完成度を確認する重要な通過点でもあります。

この時期、生徒たちは日々の学習量もプレッシャーも大きくなります。
家庭教師に求められるのは、「焦らせること」ではなく、「整えること」です。これまでの勉強を無理なく積み上げ、安定して力を発揮できる環境づくりが何よりのサポートになります。
期末テストでは、得点や順位だけでなく、“どんな姿勢で取り組めたか”“どの教科に伸びしろがあるか”
一緒に振り返りましょう。それが、受験本番に向けた課題の見える化につながります。

また、結果に一喜一憂するのではなく、「この努力が入試につながる」「ここまで来た自分を信じて次に進もう」という前向きな視点を生徒に持たせることが大切です。
家庭教師からの一言が、生徒の自信と覚悟を後押しする力になります。

中3の期末テストは、努力を“終わらせるため”ではなく、“次に進むため”のテストです。
この経験を通して、生徒が自分の学びを見つめ直し、受験に向けて主体的に努力できる姿勢を育てることこそ、家庭教師の指導が本当に実を結ぶ瞬間です。




\ 無料体験レッスン申込みはこちらから! /