ADHDの子どもはなぜ忘れやすい?|記憶力との関係と家庭でできるサポート

公開日:2026年3月24日
更新日:2026年3月24日

「忘れ物が多い」「物をよく失くす」「提出期限に間に合わない」こうした悩みを抱えているADHDの子どもの保護者は少なくありません。このコラムでは、ADHDの子どもに見られる特性と記憶力の関係性についてわかりやすく解説し、ご家庭でできる具体的な工夫や関わり方もご紹介します。

目次

ADHDの特性と記憶力の関係性

ADHDの子どもに見られる「忘れやすさ」や「指示を覚えていられない様子」は、単なる記憶力の弱さでは説明できないことが少なくありません。背景には、注意の向け方や情報の受け取り方、行動をコントロールする力の働き方など、脳の特性が関係しています。
ここでは、ADHDの特性と記憶の関係を理解するための基本的なポイントを整理していきます。

1. ADHDの主な特性とは(不注意・多動性・衝動性)

ADHDは主に「不注意」「多動性」「衝動性」という特性の組み合わせによって特徴づけられます。すべてが強く表れるわけではなく、子どもによって現れ方は異なります。

「不注意」の特性がある場合、話を聞いていても注意がそれやすく、必要な情報を最後まで受け取れないことがあります。その結果、指示を理解していないように見えたり、忘れたように感じられたりすることがあります。
一方、「多動性」は落ち着いて座り続けることが難しい、体を動かしたくなるといった特徴として表れます。環境からの刺激に反応しやすく、注意が分散しやすいことにもつながります。
「衝動性」は、思いついた行動をすぐに実行してしまう傾向です。順序立てて考える前に動いてしまうため、準備の途中で別の行動に移り、結果としてやるべきことが抜け落ちることもあります。

つまり、忘れ物ややり忘れは「覚えられない」のではなく、注意の向け方の特性や行動のコントロールの難しさによって起こることが多いのです。

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「ADHDの子どもの衝動性とは?|叱っても変わらない理由と家庭でできる支援」

2. 不注意の特性と“情報の入り方”の関係

記憶は、「情報を受け取る → 保持する → 思い出す」という流れで成り立っています。ADHDの子どもは、この最初の「受け取る」段階でつまずきやすいことがあります。

例えば、指示を聞いている途中で周囲の音や動きに注意が向くと、必要な情報の一部が頭に入らないまま終わってしまいます。本人は聞いているつもりでも、実際には情報が十分に取り込まれていない状態です。
その結果、「聞いたのに覚えていない」のではなく、最初から情報が十分に入っていないために思い出せない、ということが起こります。
また、教室や家庭の中で視覚・音・会話などの刺激が多い環境では、注意が分散しやすくなります。情報の入り口が安定しないと、その後の記憶の定着も難しくなります。

不注意の特性は、「覚える力の問題」ではなく、情報の取り込み方の違いとして理解することが大切です。

3. ワーキングメモリと実行機能(行動をコントロールする力)の関係

ワーキングメモリとは、情報を一時的に頭の中に保持しながら処理する力のことです。例えば「教科書をしまって、ノートを出して、次のページを開く」といった指示を実行する際に働きます。
この力がうまく働きにくい場合、途中の手順を忘れてしまったり、次に何をすればよいか分からなくなったりすることがあります。そのため、「指示通りに動けない」「途中で止まってしまう」といった様子が見られることがあります。

また、実行機能は、行動の優先順位を決めたり、注意を切り替えたり、衝動を抑えたりする働きを担っています。これが十分に働かないと、やるべきことが分かっていても行動に移せなかったり、途中で別の行動に移ってしまうことがあります。
その結果、覚えていたはずのことが抜け落ちる、あるいは行動に移せず忘れたように見える状況が起こります。

これは記憶力そのものの問題というより、情報を扱い行動につなげる過程の特性といえます。

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4. 興味や感情によって記憶力の発揮は変わる

ADHDの子どもは、興味や感情が関わる情報に対して、非常に高い集中力を発揮することがあります。好きなゲームのルールやキャラクターの特徴を細かく覚えていたり、楽しかった出来事を鮮明に語ったりする様子は、その一例です。

これは、興味や感情が動くことで脳の注意が強く向き、情報が定着しやすくなるためです。反対に、関心が持ちにくい内容や意味を感じにくい作業では、注意を維持することが難しく、記憶の定着も弱くなりやすい傾向があります。
つまり、「覚えられない」のではなく、注意が向いた情報はよく覚えているという特徴が見られるのです。
また、体験を伴う学びや感情が動く経験は、記憶に残りやすい傾向があります。実際に触れる、動く、体験するなどの要素が加わることで、理解と記憶の両方が深まりやすくなります。

このように、記憶力の発揮の仕方には個人差があり、興味や感情が重要な役割を果たしていることを理解することが大切です。

ADHDの子どもが「記憶力が悪い」と言われる理由

家庭や学校で「さっき言ったのに」「どうして覚えていないの?」と感じる場面は少なくありません。その様子が続くと、「記憶力が弱いのでは」と受け止められてしまうことがあります。
しかし実際には、記憶そのものが弱いというより、情報の保持や注意の向け方、行動へ移すまでの過程に特性があるために起こることが多いのです。
ここでは、「覚えられない」と見える行動の背景にある仕組みを整理していきます。

1. 指示を最後まで保持しづらい(ワーキングメモリの特性)

「ランドセルを片付けて、手を洗って、宿題を出してね」など、複数の指示を同時に受ける場面は日常的にあります。ワーキングメモリが働きにくい場合、こうした情報を一時的に保持し続けることが難しくなります。

最初の行動はできても、その後の手順が抜けてしまうことがあります。理解していないのではなく、行動している途中で情報が消えてしまうのです。
これは「覚えていない」というより、情報を保持し続ける負担が大きい状態といえます。急かされたり別の刺激が入ったりすると、さらに抜けやすくなる傾向があります。

つまり、途中で止まってしまう様子は、ワーキングメモリの特性による影響として理解することが大切です。

2. 注意がそれやすいことと記憶の関係

ADHDの子どもは、周囲の刺激に注意が向きやすい特性があります。教室の物音や周囲の動きなどに意識が引き寄せられることで、目の前の情報への集中が途切れやすくなります。

記憶は、注意が向いた情報ほど定着しやすい性質があります。そのため、説明を聞いている途中で注意が別のものへ移ると、重要な部分が抜け落ちてしまいます。
その結果、「聞いていたのに覚えていない」ように見えることがあります。しかし実際には、注意が向かなかった情報は定着しにくいという特性が影響しています。

つまり、覚えられないのではなく、情報の入り方が安定しにくいことが背景にあります。

ADHDと集中力についてもっと知りたい方はこちら
「ADHDと集中力の関係|過集中・不注意に悩む親のための対処ガイド」

3. 興味の有無で記憶の定着が変わる理由

ADHDの子どもは、興味や関心があることに対して高い集中力を発揮することがあります。好きなゲームのルールや出来事を細かく覚えている様子は、その一例です。

興味や感情が動くと注意が強く向き、情報が定着しやすくなります。反対に、意味を感じにくい内容や関心を持ちにくい作業では、注意を維持することが難しくなります。
そのため、「好きなことは覚えているのに、勉強は覚えられない」と見えてしまうことがあります。

これは記憶力の差ではなく、注意の向かいやすさの違いによるものです。つまり、覚えられないのではなく、注意が向いた情報はしっかり残るという特徴が見られます。

4. マルチタスクが苦手なことによる影響

複数の作業を同時に進める場面では、注意や情報処理の負担が大きくなります。例えば、話を聞きながら持ち物を準備する、宿題をしながら時間を気にする、といった状況です。

ADHDの子どもは、一度に複数のことへ注意を分けることが難しい場合があります。そのため、どちらかに意識が集中すると、もう一方の情報が抜け落ちてしまうことがあります。
例えば、準備に集中している間に先生の指示を聞き逃したり、逆に話を聞いている間に手元の作業が止まったりすることがあります。

このような状況は、記憶力の問題というより、同時処理の負担の大きさが影響しています。結果として、「聞いていなかった」「覚えていない」と誤解されることも少なくありません。

5.「何度も言ったのに!」が起こるメカニズム

同じ注意を繰り返しているのに改善が見られないと、保護者や先生は「どうして覚えられないのだろう」と感じてしまいます。

しかし、ここまで見てきたように、

・情報が十分に入らない
・保持し続けることが難しい
・注意が途中で移ってしまう
・行動に移す過程で抜け落ちる

といった要因が重なることで、同じことが繰り返されることがあります。
その結果、「覚えていない」のではなく、途中で情報が抜け落ちてしまう状況が起こっているのです。
この仕組みを理解すると、「何度言ってもできない」のではなく、同じやり方ではうまくいきにくい特性があることが見えてきます。

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「何度も注意しても治らないのはなぜ?|発達障害の可能性と家庭でできる対策」

ADHDの子どもは記憶力が低いわけではありません

忘れ物ややり忘れが続くと、「うちの子は記憶力が弱いのでは」と不安に感じることもあるかもしれません。しかし実際には、ADHDの子どもは記憶力そのものが低いわけではありません。注意が向いた情報や意味を感じた体験については、驚くほどよく覚えていることも多いのです。
ここでは、ADHDの子どもが持つ記憶の強みや特徴を見ていきましょう。

1. 興味のあることは驚くほど覚えている

好きなゲームのルールやキャラクターの特徴、夢中になっている趣味の知識などを細かく覚えている様子に驚いた経験はないでしょうか。

興味のある対象に対しては注意が強く向き、集中が持続しやすくなります。その結果、情報が深く処理され、記憶として残りやすくなります。
このような様子は、「覚えられない子」ではなく、注意が向いた情報はしっかり記憶できることを示しています。

つまり、記憶力が低いのではなく、関心の向きやすさによって記憶の定着が変わるという特徴があるのです。

2. 感情が動いた出来事は強く記憶に残りやすい

楽しかった出来事や驚いた体験、悔しかった経験など、感情が大きく動いた場面を鮮明に覚えていることがあります。

感情が動くと脳の働きが活性化し、出来事が印象深く記録されやすくなります。これは誰にでも見られる仕組みですが、ADHDの子どもは特に感情と注意が結びつきやすく、記憶に残りやすい傾向があります。
そのため、単調な作業は忘れやすくても、心が動いた出来事は長く覚えていることがあります。

これは、感情が記憶を強化する役割を持つためであり、決して能力の差ではありません。

3. 体験を伴う学びは定着しやすい

実際に触れる、動く、試すといった体験を伴う学びは、理解と記憶の両方を助けます。例えば、実験や工作、体を使った活動などは、言葉だけの説明よりも内容が定着しやすくなります。

体験を通して得た情報は、視覚・触覚・動作など複数の感覚と結びつくため、思い出しやすくなるのです。
また、自分で試して成功した経験は、「できた」という実感とともに記憶に残りやすくなります。

このように、ADHDの子どもは体験を通じた理解が記憶につながりやすい特徴があります。知識を詰め込むだけでなく、実感を伴う学びの機会を取り入れることが大切です。

記憶が苦手に見えやすい場面とその理由

ADHDの子どもは、日常生活の中で「忘れているように見える」場面が多くあります。しかし実際には、記憶力そのものの問題というより、情報の扱い方や行動へ移す過程の特性が影響していることが少なくありません。
ここでは、特に困りやすい場面と、その背景にある理由を整理していきます。

1. 口頭で複数の指示を同時に覚えておくこと

「上履きを片付けて、手を洗って、連絡帳を出してね」といった複数の指示を一度に伝えられると、途中の手順が抜け落ちてしまうことがあります。

ワーキングメモリが働きにくい場合、複数の情報を同時に保持し続けることが負担になりやすくなります。そのため、最初の行動はできても、その後の指示を忘れてしまうことがあります。
これは理解していないのではなく、情報を保持し続ける負担の大きさが影響しています。

結果として、「言われたことを覚えていない」と見える場面が生まれます。

2. 興味ないことを覚え続けること

興味を持ちにくい内容や意味を感じにくい作業では、注意を維持することが難しくなります。注意が向き続けない情報は、記憶として定着しにくくなります。

例えば、好きな遊びのルールは覚えているのに、宿題を忘れてしまうことがあります。
これは努力不足ではなく、注意が向いた情報ほど定着しやすいという特性が影響しています。

つまり、覚えられないのではなく、関心の薄い情報は保持し続けにくいという特徴があるのです。

3. 行動の優先順位をつけること

やるべきことが複数ある場面では、どれから取り組むべきか判断する必要があります。しかし、実行機能が十分に働きにくい場合、優先順位を整理することが難しくなることがあります。

例えば、出発の時間が近づいているのに、目の前の気になる物に意識が向いてしまい、準備が後回しになることがあります。その結果、必要な持ち物を忘れてしまうこともあります。
このような様子は、記憶していないのではなく、行動の整理や切り替えの難しさが影響しています。

優先順位を判断する負担が大きいと、結果としてやり忘れが起こりやすくなります。

4. 締め切りから逆算して計画を立てること

提出物や宿題などは、「いつまでに終わらせるか」を考えながら計画的に進める必要があります。しかし、時間の見通しを立てたり、作業を段階的に進めたりすることは、実行機能の働きが関係しています。

この力が働きにくい場合、「まだ時間がある」と感じて先延ばしにしてしまい、気づいたときには期限が迫っているという状況が起こりやすくなります。
その結果、提出できなかったことが「忘れていた」と受け取られてしまうこともあります。

実際には、時間の見通しを立てる難しさ計画を段階的に進める負担が影響していることが多いのです。

ADHDの子どもについてもっと知りたい方はこちら
「ADHDの子どもはなぜ遅刻してしまうのか?|叱っても直らない本当の理由と対策」

5. 覚えていてもすぐ行動に移せず後回しにしてしまう

やるべきことを理解し、覚えているにもかかわらず、すぐに行動に移せないことがあります。これは怠けているのではなく、行動を開始するまでのエネルギーや切り替えが難しいために起こります。

例えば、「あとでやろう」と思っているうちに別のことに意識が向き、そのまま本当に忘れてしまうことがあります。
このような場面では、行動開始のハードルの高さ注意の切り替えの難しさが影響しています。

結果として、「覚えていたのにやらなかった」のではなく、行動に移すまでの過程で情報が抜け落ちてしまうことがあるのです。

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「「また逃げた…」ADHDの子どもが嫌なことから逃げる本当の理由とは?」

記憶力の問題に見える行動の正体とは?|家庭でできる理解と工夫

忘れ物ややり忘れが続くと、「もっとしっかり覚えてほしい」と感じるのは自然なことです。しかし、これまで見てきたように、多くの場合は記憶力そのものの問題ではなく、情報の受け取り方や行動へ移す過程の特性が関係しています。
つまり、「覚えさせる」ことよりも、生活の中で困りにくくなる環境や伝え方を整えることが大切です。
ここでは、家庭ですぐに取り入れられる工夫を紹介します。

1. 指示は短く・具体的に・一つずつ伝える

複数の指示をまとめて伝えると、情報を保持する負担が大きくなります。そのため、「ランドセルをしまって、手を洗って、宿題を出してね」と一度に伝えるよりも、一つずつ区切って伝える方が理解しやすくなります。

例えば、「まずランドセルを片付けよう」「次に手を洗おう」と段階的に伝えることで、行動に移しやすくなります。
また、「ちゃんと片付けて」などの抽象的な表現ではなく、「教科書を机に置いて、プリントを出そう」のように具体的に伝えることも大切です。

このように、情報量を減らして伝える工夫をすることで、行動の抜け落ちを防ぎやすくなります。

2. 見える化(メモ・ホワイトボード・タイマー)の活用

口頭で伝えた情報は、時間が経つと消えてしまいやすいものです。目に見える形で情報を残すことで、思い出す手がかりを作ることができます。

例えば、持ち物チェック表を玄関に貼る、やることリストをホワイトボードに書くタイマーで時間の区切りを示すといった方法があります。
視覚的な手がかりがあることで、「次に何をするか」を確認しやすくなり、行動の見通しが立てやすくなります。

こうした工夫は、記憶に頼らず行動できる仕組みを作ることにつながります。

3. 繰り返しと仕組み化で負担を減らす

毎日同じ流れで行動できるようになると、その都度覚え直す必要がなくなります。例えば、「帰宅したらランドセルを置く場所を決める」「宿題は机に座ったらすぐ始める」など、行動の順序を固定化することが有効です。

最初は声かけやサポートが必要でも、同じ流れを繰り返すことで習慣として定着しやすくなります。
また、準備物をまとめて置く場所を決めておくなど、生活動線を整えることも役立ちます。

このように、毎回思い出さなくても動ける仕組みを作ることで、負担を大きく減らすことができます。

4. 成功体験を積ませる声かけの工夫

注意や叱責が続くと、「どうせできない」と感じ、自信を失いやすくなります。小さな成功に目を向け、「できたね」「忘れずに持っていけたね」と具体的に伝えることが大切です。

結果だけでなく、「準備を始められた」「思い出して確認できた」などの過程にも目を向けることで、行動の積み重ねを実感しやすくなります。
成功体験が増えると、「次もやってみよう」という気持ちにつながります。

こうした関わりは、自己肯定感を守りながら行動を育てることにつながります。

子どもの自己肯定感についてもっと知りたい方はこちら
「子どもの自己肯定感が低いのは親のせい?|原因と家庭でできるサポート方法」

5. 叱るより“環境を整える”という視点

忘れ物ややり忘れが続くと、つい注意や叱責が増えてしまうことがあります。しかし、叱るだけでは行動の改善につながりにくく、親子双方の負担が大きくなってしまうこともあります。

大切なのは、「どうすれば忘れにくくなるか」という視点で環境を整えることです。持ち物を置く場所を決める、チェック表を用意する、朝の準備の流れを固定するなど、仕組みで支える工夫が効果的です。
環境が整うと、本人の努力だけに頼らず行動しやすくなります。

つまり、改善の鍵は叱ることではなく、行動しやすい環境づくりにあります。

学校生活で困りやすい場面とサポートのヒント

学校生活では、「覚えておくこと」や「段取りよく行動すること」が求められる場面が多くあります。ADHDの特性がある子どもにとっては、日常の小さな負担が積み重なり、忘れ物や提出遅れといった困りごとにつながることがあります。
ここでは、学校生活で特に困りやすい場面と、家庭でできるサポートのヒントを紹介します。

1. 忘れ物・持ち物管理

教科書やプリント、体操服、水筒など、学校では日によって必要な持ち物が変わります。複数の物を管理する必要があるため、準備の途中で別のことに気を取られると、入れ忘れが起こりやすくなります。
また、「明日は〇〇が必要」と聞いていても、その情報を翌日まで保持することが負担になる場合があります。
こうした忘れ物は、注意不足ではなく、持ち物管理の負担の大きさが影響しています。

対策としては、持ち物チェック表をランドセルの近くに貼る、前日の夜に準備する習慣をつくるなど、確認の流れを固定することが有効です。準備を「思い出す作業」から「確認する作業」に変えることで、忘れにくくなります。

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「ADHDの子どもの忘れ物が減る!親ができる対策&声かけガイド」

2. 宿題や提出物の管理

宿題や提出物は、「内容を覚える」「期限を把握する」「終わらせて持っていく」という複数の段階が必要です。そのどこかで情報が抜けると、提出できなかったり、存在を忘れてしまったりすることがあります。
特に、「まだ時間がある」と感じて後回しにしているうちに、期限が迫っていることに気づきにくい場合もあります。
これは怠けているのではなく、時間の見通しを立てる難しさ段階的に進める負担が影響しています。

家庭では、提出期限をカレンダーに書く、終わったらランドセルに入れるまでを一連の流れにするなど、行動の手順を明確にすることが役立ちます。完了までの流れを固定すると、やり忘れを防ぎやすくなります。

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「ADHDの子が宿題に取りかかれない理由と対策法について」

3. 授業中の指示の聞き取り

授業中は、先生の説明を聞きながら板書を写す、次の活動の準備をするなど、複数の作業が同時に求められます。注意を分けて処理する必要があるため、指示の一部を聞き逃してしまうことがあります。
また、教室内の音や周囲の動きに注意が向くことで、説明の一部だけが抜けてしまうこともあります。その結果、「話を聞いていなかった」と誤解される場面が生じることもあります。
しかし実際には、注意の分配の難しさ情報処理の負担が影響していることが多いのです。

家庭では、「分からなかったときは先生に聞いていいんだよ」と伝えておくことや、帰宅後に連絡帳やプリントを一緒に確認する習慣をつくることが安心につながります。困ったときの対処方法を知っているだけでも、不安は軽減されます。

まとめ

忘れ物ややり忘れが続くと、「記憶力の問題ではないか」と不安になることもあるかもしれません。しかし、ADHDの子どもに見られるこうした様子の多くは、記憶力そのものではなく、注意の向け方や情報の扱い方、行動へ移す過程の特性と関係しています。
情報を一度に抱え込ませるのではなく、見える形で整理し、行動しやすい環境を整えることで、日常の困りごとは減らしていくことができます。小さな成功体験を積み重ねながら、「できた」という実感を育てていくことが、安心と自信につながっていきます。
大切なのは、できない部分を責めることではなく、その子に合ったやり方を一緒に見つけていくことです。理解と工夫を重ねることで、子どもは少しずつ自分なりのペースで力を発揮していくでしょう。

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