中学生のための自己PR書き方ガイド|書き方のコツと例文をご紹介!

公開日:2024年4月16日

高校受験の出願書類や面接の質問では「自己PR」が重要なポイントになりますが、イマイチ書き方が分からなくて困っている人も多いです。
そこで、本コラムでは自己PRの書き方やコツを分かりやすく解説します。自己PRの例文もいくつかご紹介しますので参考にしてみてください!

自己PRとは?

高校受験でよく目にする「自己PR」というものについて、まずは基本的な概要をご説明します。

自己PRはいつ使うのか?

高校受験の推薦入試では「自己PRカード」「自己PR書」などの名称で、出願書類に含まれることがあります。
また、高校受験で実施される面接の質問として、「自己PR」は必ずと言って良いほどよく聞かれます。面接官は、自己PRカード・自己PR書に書かれている内容を基に質問します。

自己PRはなぜ必要なのか?

そもそも自己PRはなぜ必要とされているのでしょうか?その理由は大きく分けて3つあります。

1. 生徒の人物像を端的に知るため

高校側としては、短い面接時間の中で、生徒のことをできる限り正確に把握する必要があります。そのため、生徒の人物像を最も端的に表している「自己PR」に注目しています。また、入学を志望しているので当然のことですが、入学したいという熱意についても確認しています。

2. 高校の求める生徒を選抜するため

各高校では、自校の「求める生徒像」「期待する生徒の姿」「自校の特色や教育方針」をホームページや学校案内などで示しています。これらを総称して「アドミッションポリシー」と言います。
自己PRは、自校のアドミッションポリシーと適合しているかどうか?の重要な判断材料となるので必要とされているのです。

3. 自己分析ができる生徒かどうかを見極めるため

自己PRは、単に自分をアピールするものではありません。正しく自己分析し、自分のことを相手に正確に伝えることが大切です。自己PRを通して、「自分を客観視できているか?」「自己分析能力はあるか?」といった評価をするために、利用されているのです。

自己PRの書き方と例文

ここからは本題となる「自己PRの書き方」について解説していきます。自己PRの書き方にはコツポイントがあります。これらをしっかり押さえて、自己PRをベストのものに仕上げましょう!
また、イメージが沸きやすいように例文もご紹介しています。自己PRを考える上でヒントにしてもらえると幸いです。

自己PRの基本的な構成

自己PRの内容を考える前に、まずは全体的な構成や方向性について理解しておきましょう。
大切なのは中身なのですが、大きな枠組みを理解してから取り組んだ方が効率的なので、まず初めに基本的な構成について解説していきます。

伝える内容を絞り込む

面接での自己PRに割り当てられる時間は、ほとんどの場合30秒〜1分程度です。つまり、色々なことを話す余裕はありません。
ですから、伝える内容を一つに絞り込み、簡潔に話せる内容にする必要があります。
言いたいことは沢山あるかもしれませんが、それらをなるべく多く伝えようとするよりも、優先度を決めて一つの内容に絞りこみ、その他のものはキッパリそぎ落としてしまう位が調度良いと思います。

文章全体のまとまりや一貫性

自己PRを話す中で矛盾があったり、どっちつかずの内容であると説得力が低くなります。
持ち時間は少ないので、内容は自動的に一貫性を持ちやすいですが、全体のまとまり一貫した方向性を意識しましょう。
また、自己PRで話した内容は他の質問の回答にも影響します。
例えば、自己PRでは「英語を頑張りたい」と言ったのに、他の質問では「理科に興味がある」などと言ってしまうことです。
自己PRの中だけで一貫性があっても、全体として矛盾が生じると評価を下げる可能性があります。この点にも注意してよく考えましょう。

具体的な語彙や表現の選び方

自己PRを考える上で、言葉の表現や使い方には注意しましょう。
せっかく良い内容の自己PRを完成させても、言葉遣いや文章表現が間違っていたら元も子もありません。特に、敬語丁寧語などには要注意です。
例えば、受験する高校を指すときに、文書で記述する場合は「貴校」と表現し、面接で受け答えする場合には「御校」と表現します。
この様な細かい言葉遣いにも注意が必要です。

アドミッションポリシーに合わせてアピールポイントを考える

前述しましたが、自己PRの内容は、志望する高校のアドミッションポリシーにできるだけ沿いながら考えることが重要になります。
次は、この点について解説していきたいと思います。

志望校が求める生徒像や期待に応えるアピール

志望する高校の「求める生徒像、期待する生徒の姿、特色や教育方針(アドミッションポリシー)」について、まずはしっかり理解しておきましょう。
ホームページやパンフレット、オープンスクールへの参加などを通じて、志望校のアドミッションポリシーを把握し、その特色や教育理念について分析しましょう。
各高校は、アドミッションポリシーに合致した生徒を入学させたいと考えています。つまり、自己PR上でそのことを表現できることが、一つの鍵になります。
無理矢理こじつけたり、嘘を言うことはNGですが、自分の性格や目標・夢と照らし合わせて、上手くアドミッションポリシーと重なるように表現することがポイントとなります。

志望校への関心や熱意を伝えること

ただ「入学したい!」と力説しても、高校側からは「それは何故そう思うの?理由は?」といった具体的な根拠を求めてきます。
各高校が力を入れている分野や科目などを調べ、それらのカリキュラムや授業に対して関心があること、自分の目標に対して有益であること、などを自己PRに盛り込めれば、志望校への関心度の高さや熱意の本気度に説得力が生まれます。
つまり、思いの強さというよりは、論理的な根拠や理由が重要であるということです。

志望理由や将来の目標について

志望理由が、「自分の将来の目標や夢を達成するためには、この高校に入学することが理想的だ」という構成になっていれば、数ある高校の中からこの高校を選んだという理由に説得力が生まれます。
そもそも論ですが、将来の目標や夢を持たずに日々をなんとなく過ごすような生徒を高校は望んでいません。
ですから、自己PRでは何かの目標や夢に熱中していることをアピールする必要があります。

【自己PR例文】
将来通訳になることが私の夢です。
私が御校を志望した理由は、英語に関係するカリキュラムが多彩であり、私の興味や関心を広く深く学べると感じたからです。
御校は、短期留学制度など英語に関連したプログラムが充実しており、私の夢を追求するために学ぶことができると思いました。

参照:大阪府教育委員会「大阪府公立高等学校等アドミッションポリシー(求める生徒像)

自分の強みや特技のアピールを考える

自分のことを面接官に分かりやすく伝える上で、自身の長所や短所について質問されることがよくあります。
ことさら自分をよく見せようとしなくても良いのですが、伝える上でのコツやポイントがあります。

自己紹介で自分の個性や特徴を明確にする

自己PRでは自分の個性や特徴を伝えるのですが、あまり色々な側面を話そうとするとまとまりのないものになってしまいます。
極端にマイナス印象につながるようなことでなければ、どのような個性をアピールしても良いのですが、明確に自分自身が伝わるような個性や特徴を一つに絞って考えてみましょう。

自分の長所や強みを考える

自分の長所や強みについては、謙遜せずに堂々と話せば大丈夫です。
ただし、自己評価ではなく、第三者からの評価を基準にして考えましょう。
例えば、両親や友達、部活のチームメイトなど、周囲の人たちから「長所として○○であるとよく言われます」といった構成です。
長所や強みであると自負している根拠が、「自分で勝手にそう思っている」ということではなく、「周りから○○と言われているので、そのように自負している」といった客観的かつ論理的であることが大切になります。

自分の短所と改善するための具体策を考える

短所についても率直に述べた方が良いのですが、あまりにもマイナス評価につながるような短所を選ぶのは避けましょう。短所だけを単発で述べて終わりにするのではなく、その短所を「これからどのように改善していこうと考えているのか?」「今はどのような工夫をしているのか?」といったことも同時に伝えるようにしましょう。

【自己PR例文】
私の長所は「面倒見が良いところ」です。幼い子供の遊び相手になってあげることが大好きで、親戚の方から「沢山遊んでくれてありがとう」と感謝されたり、「よく面倒見てくれるね」と褒めてくださることが多いです。
一方で、「やや心配性」な所が短所です。同級生や家族に持ち物や予定について確認し過ぎてしまうことがあり、「心配性だね」と指摘されることがしばしばあります。ですから、後になってから心配にならないように、普段から細かくメモを取ることを心掛けています。

具体的な事例やエピソードを考える

上述したように、自己PRを考える上で「具体的な事例」を基にしていくことが大切になります。それらを考えていく上で、下記のテーマを参考にし、ヒントにしてみてください。

学習面での事例やエピソード

具体的な事例を考える上で、学習面の出来事をエピソードに加えるのも一つの方法です。
例えば、

  • 苦手科目を克服するために努力したり取り組んだこと
  • どのような工夫をして得意科目を伸ばしたのか?

などが考えられます。
学習面での事例やエピソードは、学習に対して工夫や努力を重ね、前向きに取り組んでいるといったアピールにもつながります。
2020年度から導入されている「新学習指導要領」では、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの評価が軸となっています。
このうち、「主体的に学習に取り組む態度」に直結する内容となるので、学習面での事例やエピソードは有効と考えられます。

参照:文部科学省「学習評価の在り方について」

【自己PR例文】
私は中学入学当初から英語が苦手です。苦手意識を克服するために、自分の趣味を活かした学習法を取り入れています。
私は海外のアーティストが好きなので、英語の歌詞を自分で翻訳したり、英語の歌詞を覚えることで、英語力やリスニング能力を向上させています。好きな音楽と関連付けて学習することで、英語の苦手意識も少しづつ軽減できました。

学習面での事例やエピソード

具体的な事例を考える上で、学校生活での出来事をエピソードに加えるのも一つの方法です。
例えば、

  • 生徒会活動や学級での係活動で努力したり取り組んだこと
  • 文化祭などの学校行事で頑張ったこと
  • 友達やクラス活動の中で取り組んだこと

などが考えられます。
特別な実績が無くても構わないので、自分なりに工夫したことや、取り組んでみたこと、成果を上げられたことなどを思い出して、自己PRに組み込んでみましょう。

【自己PR例文】
私は、文化祭で演劇の台本を執筆する役割を担当しました。台本を作成するにあたっては、クラスメイトや先生方とのミーティングを重ね、アイデアを出し合いながらストーリーを練り上げました。
文化祭当日には、ステージ上での演技だけでなく、会場の案内や来場者への対応など裏方としての様々な役割も果たし、個々の役割を果たしながらクラス全体で目標に向かって努力することの意義を学びました。

部活動での事例やエピソード

具体的な事例を考える上で、部活動やクラブ活動での出来事をエピソードに加えるのも一つの方法です。
例えば、

  • 部活動の練習で工夫して成果につなげられた事例
  • 部活動の競技などで、自分のスキルアップのために取り組んだこと
  • チームワークを円滑にするために頑張ったこと
  • 部員のモチベーションアップの為に工夫したこと

などが考えられます。特別な実績が無くても構わないので、部活動の練習などで頑張ったことや工夫したことなどを考えてみましょう。自分1人で頑張ったことではなくても、チームメイトと協力して成し遂げたことなどでも良いと思います。

【自己PR例文】
私は中学時代、陸上競技部に所属していました。
タイムを縮めるためにデータを活用して練習する取り組みをしました。月に一度タイムを計測し、記録したデータを部員が確認できる仕組みを皆で作り上げました。個々の目標とそれを達成するための練習メニューを一緒に考え、チームで協力しながら高め合える環境を作りました。その中で、仲間との連携や助け合い、自己ベストを超えるための具体的な努力やその方法を考えることの重要性を学びました。

課外活動での事例やエピソード

具体的な事例を考える上で、課外活動での出来事をエピソードに加えるのも一つの方法です。
例えば、

  • 修学旅行で担当した部門で工夫したり努力したこと
  • 参加したボランティア活動で頑張ったこと
  • 地域のイベント(盆踊り、お祭り 等)で頑張ったこと

などが考えられます。
周囲の人と円滑にコミュニケーションを取りながら、自分の役割を果たせたエピソードや社会的な繋がりを経験して気付きや成長を得られたことなどを考えてみましょう。

【自己PR例文】
私は、地域の盆踊りでボランティアスタッフとして参加しました。
会場の設営や飾り付け、イベント当日の案内や運営など、様々なお手伝いをしました。特に、小さな子どもたちとの交流を大切にし、笑顔と楽しいひとときを提供することに尽力しました。地域の皆さんからの感謝の言葉や笑顔が、私にとって最大のやりがいでした。

まとめ

中学生の場合、「自己PRを本格的に書くのは受験の時が初めて」という方が多いです。言葉のイメージから、自分をアピールする文章のことだと誤解してしまうこともあります。
自己PRを考える時は、自分を見つめ直す良いキッカケにもなります。せっかくの機会なので、家族や友人から客観的な意見や感想をもらい、自分のことを深く考えてみるのも良い経験になるでしょう。

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