私立高校入試の基本と成功のポイント|仕組み・科目・選び方を総まとめ

公開日:2025年12月10日
更新日:2025年12月10日

このコラムでは、入試日程や一般・推薦入試の違い、筆記・面接の評価ポイントから学校選びの基準まで、私立高校受験に必要な情報をまとめて解説します。
公立との違いも整理し、迷いやすい志望校決定やスケジュール管理のコツまでわかりやすく紹介します。

私立高校入試とは?|公立との違いから“受験の考え方”を整理

私立高校の入試は、公立とは仕組みや受験方法が大きく異なるため、まずは全体像をつかんでおくことが大切です。学校ごとの特色もはっきりしているため、比較しながら選ぶと、お子さんに合った進路が見えやすくなります。
ここでは、公立と私立の違いを踏まえつつ、受験を考えるうえで知っておきたいポイントを整理していきます。

1. 公立との主な違いは「入試制度」「学費」「進路指導」

公立高校と比べると、私立高校はまず「入試制度の種類」が多いことが特徴です。
一般入試のほか、推薦入試や単願・併願といった複数の方式があり、どこを志望するかによって受験の進め方が変わります。
また、多くの私立高校は出題傾向にも個性があるため、学校ごとの特徴をつかむことが重要です。

次に「学費の違い」です。
公立より費用は高くなる傾向がありますが、設備・ICT環境・補習制度などが比較的充実している学校も多く、学習面でのサポートを強みとする学校もあります。
最近は公的支援制度も整備されてきており、条件次第では経済的負担が大きく軽減されるケースもあります。

さらに、私立高校は「進路指導やサポート体制」にも特徴があります。
大学附属校であれば内部進学制度が利用でき、進学校では個別の補習・面談が手厚いなど、学校ごとの差が明確です。
高校卒業後の進路まで見据えて選べる点も、私立入試を検討する大きなメリットになります。

2. 私立入試を検討するメリットと注意点

私立高校入試のメリットとしてまず挙げられるのは、「合格のチャンスが複数ある」という点です。
推薦入試と一般入試と二段階で受けられたり、併願制度を利用して公立受験と組み合わせたりできるため、受験パターンの幅が広がります。そのため、「確実に進学先を決めておきたい」というご家庭にも選ばれやすい傾向があります。

もう一つのメリットは、学校ごとの「校風や指導スタイルが明確」であることです。
面倒見の良さや学習サポート、部活動の活発さなど特徴がはっきりしているため、お子さんとの相性を見極めやすくなります。

ただし、検討する際にはいくつかの注意点もあります。
一つは、「通学距離や生活リズム」との相性です。校風が良くても通学時間が長いと負担になり、生活リズムが乱れる場合があります。

また、学校によっては課題量が多かったり、規律が厳しかったりする場合もあるため、事前に説明会や体験入学で雰囲気を確かめることが大切です。

もう一つは、やはり「学費と3年間の総合的な費用」です。
入学金・授業料だけでなく、施設費・諸会費・教材費なども含めて総額を見ておくと、進学後のギャップを防げます。
奨学金制度や就学支援金の対象になるかも早めに確認しておくと安心です。

入試形式とスケジュール|一般・推薦・単願・併願の基本を押さえる

私立高校の入試は、公立高校とは異なり、複数の入試方式が存在します。受験生や保護者の方は、この仕組みを理解しておくことで、志望校の選択肢や受験プランが大きく広がります。
ここでは、推薦入試と一般入試の違い、単願・併願の仕組み、1年間の流れをシンプルに整理していきます。

1. 推薦入試・一般入試の違い

推薦入試と一般入試の最大の違いは、「何を重視する入試か」という点です。
推薦入試は内申点・面接・作文・小論文を中心に評価されるのに対し、一般入試は主に筆記試験で学力を測ります。そのため、どちらが向いているかはお子さんの得意分野や学校の基準によって変わります。

推薦入試

「内申点」が一定基準を満たしている必要があり、学校によって「確約制度」が設けられている場合もあります。確約とは、事前の相談会で基準を満たせば「ほぼ合格が保証される」という制度で、特に首都圏の私立高校で多く見られます。

一般入試

「筆記試験の点数」を中心に学力を測ります。科目ごとの理解度や過去問題への対策が重要で、学校ごとに問題傾向が異なるため、志望校決定後は早めに対策を始めることで合格の可能性を高めることができます。

高校の推薦入試についてもっと知りたい方はこちら
「高校の推薦入試対策ガイド|ここだけは知っておきたいポイント」

2. 単願・併願の仕組み

私立高校特有の仕組みに、「単願」と「併願」があります。
単願とは「合格したら必ず入学する」ことを条件に出願する方式で、学校側としては確実に生徒を確保できるため、合格のハードルが下がる傾向があります。
第一志望として私立高校を選ぶ場合に用いられるケースが多く、入学後のサポート体制が気に入っている家庭に向いています。

一方、併願は、公立高校を第一志望としつつ、私立高校を「安全校」や「すべり止め」として受験する方法です。
多くの受験生がこの併願制度を利用し、 “公立が本命・私立が保険” という形で受験スケジュールを組みます。
併願校を選ぶ際は偏差値だけでなく、通学距離や校風も合わせて検討しておくと、万が一の場合でも選択しやすくなります。

単願・併願ともに、学校ごとに条件や基準が細かく異なるため、学校説明会・相談会で直接確認することが非常に重要です。
特に、併願制度は地域差もあるため、早い段階で情報を集めておくと受験計画が立てやすくなります。

3. 年間スケジュール

私立高校入試の年間スケジュールは地域差がありますが、全体の流れは大きく共通しています。

夏から秋にかけては「学校説明会やオープンスクール」が多く開催され、学校の雰囲気や校風を直接確かめる時期になります。
この段階で、お子さんの性格や学習スタイルに合った学校を絞り込むことができます。

秋以降は、内申点が確定し、 「推薦入試の基準を満たすかどうか」 を判断する重要な時期になります。
推薦や確約制度を利用する場合、中学3年の2学期の成績が基準に影響するため、この時期の定期テストは特に重要です。

冬になると、出願・試験・合格発表と続いていきます。
推薦入試は1月下旬〜2月上旬一般入試は2月上旬〜中旬に行われることが多く、短期間に複数校の受験が重なることもあります。
また、合格後の「入学手続きの期限」も学校ごとに異なるため、早めに日程を確認しておくことが必要です。

年間の流れを理解しておくことで、受験期間の慌ただしさの中でも準備の見通しを立てやすくなり、親子で動き方を共有しやすくなります。

オープンスクールについてもっと知りたい方はこちら
「オープンスクールとは?|実施する内容や確認することを解説!」

試験科目と対策|筆記・面接・作文・調査書はどう見られる?

私立高校の入試は、筆記・面接・作文・調査書といった複数の視点で総合的に評価されます。学校によって重視するポイントが異なるため、まずは全体の特徴を理解しておくことが大切です。
ここでは、それぞれの試験内容で押さえておきたい基本と、対策の方向性をわかりやすく紹介します。

1. 筆記試験の基本構成

私立高校の筆記試験は、多くの学校で「国語・数学・英語の3科型」が中心です。
ただし、難易度や出題形式は学校ごとに大きく異なるため、志望校が決まった段階で過去問題に目を通しておくと、必要な対策が明確になります。

国語では、記述問題を多めに出す学校もあり、「文章を正確に読み取る力」が重視されます。
数学は、計算問題で確実に得点できるかどうかが全体の点数に影響しやすく、英語は長文読解量やリスニングの有無によって形式が大きく変わります。

私立入試の筆記試験は、公立に比べて学校独自のカラーが出やすいため、「過去問で相性を見る」という作業が特に重要です。早めに特徴を把握できると、効率よく弱点対策ができるようになります。

2. 面接の評価ポイント

私立高校の面接では、学力だけではわからない部分を見られることが多く、特に「志望動機と回答内容の一貫性」が重要な評価ポイントになります。
なぜその学校を選んだのか、自分がどんな高校生活を送りたいのかを、落ち着いて伝えられるよう準備しておくことが大切です。

質問の多くは、
・中学校生活で力を入れたこと
・得意・不得意な分野
・将来の目標
といった具体的な経験や行動に関するものが中心です。

背伸びをした回答よりも、その子らしいエピソードのほうが伝わりやすいため、事前に内容を整理しておくと安心です。

また、面接では言葉遣いだけでなく、「姿勢・態度・聞く姿勢」など、コミュニケーションの基本姿勢も丁寧に見られます。
私立高校は校風が学校ごとに大きく異なるため、説明会や個別相談で先生方の雰囲気を把握しておくと、その学校に合った受け答えのイメージがつきやすくなります。

面接のマナーについてもっと知りたい方はこちら
「高校受験の面接について|超カンタン!丸わかりガイド」

3. 作文・小論文

作文や小論文は、推薦入試で課されることが多い試験 で、テーマは学校生活・部活動・家族・身近な出来事など、「日常に関する題材」がよく選ばれます。
ここでは「自分の意見をわかりやすく伝える力」が評価されるため、序論・本論・結論の流れを意識して書くと、読みやすい文章になります。

一方、小論文では、学校によっては 社会的な話題や幅広いテーマ が出題される場合もあります。
この場合は、専門的な知識よりも 理由づけの明確さ が重視され、「結論/理由/具体例」の流れで説明できるかが評価のポイントです。

文章を書くのが得意でない場合は、まず「短い文章で練習する」ことが効果的です。
身近なテーマ(学校生活・部活動・家族・将来の目標など)を題材に、3〜4行程度でまとめる練習を繰り返すだけでも、構成力や表現力が自然と育っていきます。

作文の書き方についてもっと知りたい方はこちら
「高校入試の作文の書き方と注意点|カンタン早わかりガイド!」

高校入試の小論文についてもっと知りたい方はこちら
「高校入試の小論文の丸わかり完全攻略ガイド!|模範解答例・解説付き」

4. 内申点・調査書

私立高校の入試では、特に推薦入試で「内申点」が重要な判断材料になります。
学校ごとに基準が設定されており、一定の成績を満たしていないと出願できない場合や、合格に不利になるケースがあります。

内申点は、定期テストだけでなく、提出物・授業態度なども含めて評価されるため、「中学3年間の積み重ね」が結果に大きく影響します。

また、調査書には、学習面だけでなく「学校生活での取り組み」も記載されます。
係活動や委員会、部活動の経験など、学業以外の面も評価対象になるため、普段の学校生活での積み重ねが受験に生かされることも少なくありません。

私立高校は、筆記と内申のバランスをどう見ているかが学校ごとに異なるため、説明会で「どの部分を重視しているか」を聞いておくと、受験対策の優先順位が明確になります。

高校受験の内申点についてもっと知りたい方はこちら
「高校受験の内申点とは?|内申書(調査書)・内申点の基礎知識ガイド」

私立高校の選び方|後悔しないために見るべきポイント

私立高校は学校ごとの個性が強いため、偏差値だけで選んでしまうと「入った後に合わなかった」というケースが起こりやすくなります。
ここでは、受験生と保護者の方が特に確認しておきたい4つのポイントを紹介します。進学後の生活をイメージしながら比較すると、よりお子さんに合った学校を選びやすくなります。

1. 校風と学習環境

私立高校は、学校によって「校風」が大きく違います。
規律を重視するタイプ、自由な雰囲気で自主性を伸ばすタイプ、部活動に力を入れるタイプなど、特徴はさまざまです。
説明会や学校パンフレットを見るだけでなく、実際に「オープンスクールの雰囲気」を体験することで、その学校の空気感がより感じられます。

また、学習環境も学校によって異なります。
少人数クラスやICTの活用、補習の頻度など、「どのようなサポートが受けられるか」は進学してからの学びやすさに直結します。特に勉強が苦手な子の場合は、面倒見の良さやフォロー体制の手厚さも、学校選びの重要なポイントです。

2. 通学圏と生活リズム

意外と見落とされがちですが、学校生活に大きく影響するのが「通学時間」です。
片道40〜50分なら問題なく通える子もいますが、1時間を超えると疲れが出て学習に影響する子もいます。中学生の生活リズムに関わる重要な要素なので、志望校を選ぶ際は往復の通学ルートを確認しておくことが大切です。

朝が苦手な子や、部活動で帰宅が遅くなる場合は、家から学校までの距離が負担になることもあります。無理のない通学ができるかどうかは、3年間を安心して過ごすための重要なポイントです。

3. 学費・奨学金制度

私立高校を選ぶ際は、「3年間でどれくらいの費用が必要か」を家族で共有しておくと安心です。
授業料だけでなく、入学金・施設費・教材費・諸会費など、学校によって総額は大きく変わります。年度ごとに金額が変わることもあるため、最新の情報を必ず確認しましょう。

また、私立高校では国や自治体の就学支援金制度や、学校独自の奨学金が利用できる場合があります。家計状況や学力、部活動の実績をもとにした給付・減免制度もあるため、説明会や学校の公式サイトで必ず最新情報を確認する ことが大切です。

学費は家庭の負担に直結する部分なので、最初の段階でしっかり把握しておくと、学校選びをより現実的に進められます。

4. 進学実績の見方

進学実績を見るときは、合格者数だけで判断しないことが大切です。
まず、その学校が「大学附属校」なのか「進学校」なのかで、実績の意味合いが大きく変わります。
・大学附属校:内部進学制度が整っており、外部受験は一部の生徒に限られることもあります。
・進学校:多くの生徒が外部大学を志望し、入試に向けた学習サポートが手厚いのが特徴です。

同じ「合格者数」でも、こうした学校のタイプや進路指導の方針を踏まえて比較すると、より自分に合った学校を選びやすくなります。

また、「何%の生徒がどのレベルの大学へ進学しているか」や、「指定校推薦の枠がどれくらいあるか」など、「自分の進みたい方向と合っているか」を判断材料にすることが大切です。
高校生活の3年間は将来の進路に大きく影響するため、進学指導のスタイルはしっかり確認しておきましょう。

まとめ

私立高校入試は、公立とは仕組みも特徴も大きく異なるため、早めに情報を整理しておくことが大切です。
入試方式や試験科目、単願・併願の仕組みを理解できると、志望校選びの見通しが立ち、受験準備がぐっと進めやすくなります。学校の校風や通学距離、学費、進学実績など、お子さんに合った環境を丁寧に見比べながら、納得できる進路を選んでいくことが何よりのポイントです。
準備の方向性が定まると、日々の勉強にも迷いがなくなり、受験本番を落ち着いて迎えられるはずです。

家庭教師のマスターでは、私立高校受験を目指す中学生への学習サポートを行っています。ご興味のある方は、気軽にご相談ください。

もっと知りたい方はこちら
【高校受験コース】について

この記事を企画・執筆・監修した人

家庭教師のマスター教務部

この記事は、家庭教師のマスターを運営している株式会社マスターシップスの「家庭教師のマスター教務部」が企画・執筆・監修した記事です。家庭教師のマスター教務部は、教育関連で10年以上の業務経験を持つスタッフで編成されています。
家庭教師のマスターでは、家庭教師・受験・不登校・発達障害・学習方法・学校情報・教育・子育てをテーマに、お役に立ち情報を発信しています。

家庭教師のマスターについて

家庭教師のマスターの特徴

平成12年の創立から、家庭教師のマスターは累計2万人以上の子供たちを指導してきました。その経験と実績から、

  • 勉強大嫌いな子
  • テストで平均点が取れない子
  • 特定の苦手科目がある子
  • 自宅学習のやり方、習慣が身についていない子

への指導や自宅学習の習慣づけには、特に自信があります!

家計に優しい料金体系や受験対策(特に高校受験)にもご好評いただいており、不登校のお子さんや発達障害のお子さんへの指導も行っています。

もっと知りたい方はこちら

指導料金について

指導料:1コマ(30分)

  • 中学生:900円/1コマ
  • 小学1年生~4年生:800円/1コマ
  • 小学5年生~6年生:850円/1コマ
  • 高校生:1000円/1コマ

家庭教師マスターではリーズナブルな価格で高品質の家庭教師をご紹介しています。

2人同時指導の割引き|ペアレッスン

兄妹やお友達などと2人一緒に指導を受けるスタイルの「ペアレッスン」なら、1人分の料金とほぼ変わらない料金でお得に家庭教師の指導が受けられます!

※1人あたりの指導料が1コマ900円 → 1コマ500円に割引きされます!

もっと知りたい方はこちら

教え方について

マンツーマンで教える家庭教師の強みを活かし、お子さん一人ひとりにピッタリ合ったオーダーメイドの学習プランで教えています。
「学校の授業や教科書の補習」「中間・期末テスト対策」「受験対策」「苦手科目の克服」など様々なケースに柔軟な対応が可能です。

指導科目について

英語・数学・国語・理科(物理・生物・化学)・社会(地理・歴史・公民)の5科目に対応しています。定期テスト対策、内申点対策、入試対策・推薦入試対策(面接・作文・小論文)など、苦手科目を中心に指導します。

コースのご紹介

家庭教師のマスターでは、お子さんに合わせたコースプランをご用意しています。
ご興味のある方は、下記をクリックして詳細を確認してみてください!

無料体験レッスン

私たち家庭教師のマスターについて、もっと詳しく知って頂くために「無料の体験レッスン」をやっています。
体験レッスンでは、お子さんと保護者さまご一緒で参加して頂き、私たちの普段の教え方をご自宅で体験して頂きます。
また、お子さんの学習方法や課題点について無料のコンサルティングをさせて頂き、今後の学習プランに活かせるアドバイスを提供します。
他の家庭教師会社や今通われている塾との比較検討先の1つとして気軽にご利用ください!

\ 無料体験レッスン申込みはこちらから! /