アスペルガー(ASD)の診断テストとは?【チェックリスト付き】

公開日:2026年2月24日
更新日:2026年2月24日

アスペルガー(ASD)の特徴や診断の流れ、医療機関で行われる主な検査をわかりやすく解説します。
家庭で気づけるセルフチェックリスト付きで、アスペルガー傾向があるかどうかの目安がつかめます。診断を考えている保護者の方に役立つ内容です。

アスペルガー(ASD)とは?|保護者が知っておきたい基礎知識

「アスペルガー」という言葉は今でも広く使われていますが、現在はASD(自閉スペクトラム症)の一つとして扱われる旧称にあたります。とはいえ、保護者の方が子どもの特性を検索するときには“アスペルガー”という言葉の方が馴染みやすいため、本記事では名称を併用しつつわかりやすく解説していきます。
ASDは「コミュニケーションの特性」や「こだわりの強さ」など、子どもによって表れ方が違う幅のある特性です。
ここでは、保護者の方が日常の中で気づきやすいポイントを中心に、基礎知識として押さえておきたい点を整理します。

1. アスペルガー(ASD)の子どもに見られやすい特徴とは?

アスペルガー(ASD)の特徴は、子どもによって現れ方が大きく異なりますが、共通して見られやすいのが「コミュニケーションのつまずき」「こだわりの強さ」です。

例えば、会話の中で相手の表情や言葉の意図を読み取りにくいことがあります。そのため悪気はなくても誤解されてしまったり、人付き合いに疲れやすかったりします。
また、特定の分野や興味に対して強く集中し、驚くほど深い知識を身につける子もいます。これは大きな強みでもあります。

一方で、急な予定変更や初めての環境への切り替えが苦手で、気持ちが不安定になりやすいケースも見られます。
こうした特性は“できない”ではなく、脳の特性によって感じ方・考え方のパターンが違うために起きるものであり、適切なサポートによって生活のしやすさは大きく変わります。

参照:国立特殊教育総合研究所「高機能自閉症・アスペルガー症候群への理解を広げるために」

2.「個性」と「発達特性」の境界線とは?

保護者として悩みやすいのが、「これは個性なのか?」「発達特性として支援が必要なのか?」という境界線です。
判断の一つの目安は、その特徴によって“日常生活や学校生活で困りごとが起きているかどうか” です。例えば「こだわりが強い」こと自体は個性といえますが、こだわりのために支度ができず毎朝遅刻してしまう、周囲とのトラブルが増えてしまうなど、生活に影響が出ている場合は発達特性として捉えることが適切です。

また、アスペルガー(ASD)の子どもは、特定の状況でのみ困りごとが強く出るという傾向もあります。家庭では問題なくても学校でつまずくことがあるのは、環境の違いによって特性が表れやすくなるためです。

“個性”と“特性”の境目を明確に線引きする必要はありませんが、「困り感が続いている」「工夫しても改善しない」と感じる時は、一度支援機関や専門家に相談してみると視点が広がることがあります。

3. 学校や日常生活でよくある困りごと

アスペルガー(ASD)の子どもは、学校生活の中で暗黙のルールや曖昧な指示の理解が難しいことがあります。
例えば、先生の「そろそろ片づけようね」という言葉を“今すぐ片付ける”と受け取る子もいれば、“片付け始めてもいい”と捉える子もいます。こうした認識の差がトラブルにつながることもあります。

友達との会話では、相手の気持ちを推測することが負担になりやすいため、意図せず距離ができてしまうことがあります。
また、興味のある話題になると一気に深く語り始めてしまい、相手がついてこられなくなることもあります。

日常生活では、予定変更があるたびに不安が高まったり、音・匂い・肌触りなどへの感覚の敏感さから、行動が制限されてしまうこともあります。これらは本人の努力不足ではなく、環境との相性によって負担が大きくなっている状態です。

困りごとが続いていると、子ども自身も「自分はダメなのかな」と感じやすくなるため、周囲の理解や環境調整がとても重要になります。

ASDの子どもについてもっと知りたい方はこちら
「ASDの子どもが苦手としやすいこと|理由とサポート方法を解説」

医療機関ではどんな診断をする?|アスペルガー(ASD)の診断と検査の流れ

アスペルガー(ASD)の診断は、1回の検査だけで決まるものではなく、複数の情報を組み合わせた総合評価によって行われます。
診察では、子どもの行動の様子、これまでの発達の経過、家庭や学校での困りごとなどを丁寧に聞き取りながら、必要に応じて検査を実施していきます。
ここでは、受診を検討している保護者の方に向けて、診断の流れをわかりやすく解説します。「何を準備しておけばいいのか?」「どんな検査が行われるのか?」といった不安を解消する参考にしてください。

1. 初診で聞かれる内容と準備しておくべき情報

初診では、医師が子どもの発達状況や日常での様子を把握するために、保護者からのヒアリングが非常に重要になります。事前に以下のような情報を整理しておくと診察がスムーズに進みます。

まず、乳幼児期から現在までの成長の経過(発語の時期、好き嫌い、こだわりなど)は必ず聞かれるポイントです。
また、学校や家庭で見られる困りごと__例えば、切り替えの難しさや集団行動の負担、感覚過敏などをできるだけ具体的にまとめておくとより伝わりやすくなります。

さらに、先生からの指摘や通知表のコメント、支援の記録などがある場合は、それらも重要な手がかりになります。「いつ、どんな場面で困りやすいのか」を把握できると、医師はより正確に子どもの状態を理解できます。

2. よく使われる代表的な検査(ADOS-2・WISCなど)

診断の際には、必要に応じて専門的な検査が行われます。ここで紹介する検査はあくまで医療機関で行われる評価方法の一例であり、これらだけで診断が決まるわけではありません。

ADOS-2(自閉症診断観察検査)は、子どもの行動や反応を観察しながら、コミュニケーションの特性や相互やり取りの様子を評価する検査です。遊びや簡単な課題を通じて、自然な行動の変化を見ていきます。

また、WISC(知能検査)は、言語理解・ワーキングメモリー・処理速度・視覚認知など、子どもの得意と苦手のバランスを可視化するのに役立つ検査です。苦手に見える行動が“本質的な弱さ”なのか、“課題の出し方との相性”なのかを判断する材料にもなります。

医療機関では複数の検査を組み合わせることが多く、「行動の特徴」「発達の偏り」「生活での困り感」などを総合的に見て診断が進められます。

WISC-IVの結果の見方についてもっと知りたい方はこちら
「WISC-IV知能検査(ウィスク-4)の結果の見方と検査内容」

3. 医師が診断を判断するポイント

最終的な診断は、検査結果だけでなく “日常生活でどのような困りごとが起きているか” を重視して行われます。ASDは特性の幅が広いため、一部の行動だけを切り取って判断することはありません。

医師は主に以下の点を総合的に見ています。

・コミュニケーションの特性(表情・言葉の使い方・相互やり取りのスムーズさ)
・行動のパターンやこだわりの強さ
・感覚の敏感さ/鈍さ
・日常や学校生活での困りごとの大きさ
・特性が“本人の努力不足”ではなく 脳の特性として一貫しているか

診断は、子どもを限定するためのものではなく、「どう支援すれば生活しやすくなるか」を考えるための手がかりでもあります。診断によって、学校の支援や周囲の理解が得やすくなることも多く、子どもが安心して過ごすための大切なステップとなります。

アスペルガー(ASD)の簡易チェックリスト

アスペルガー(ASD)の特性は、子どもによって表れ方が大きく異なります。ここでご紹介するチェックリストは、日常の中で気づきやすい行動の傾向をまとめた“簡易的な目安”です。正式な診断ではありませんが、「気になる行動が複数当てはまる」「困りごとが長く続いている」と感じる場合は、専門機関への相談を考えるきっかけとしてご活用ください。

1. コミュニケーション面のチェックリスト

コミュニケーションのつまずきは、アスペルガー(ASD)の子どもに比較的よく見られるポイントです。
特に、相手の表情や言葉の意図を読み取ることが難しい場面や、興味のある話題になると会話が一方通行になりやすい場面が見られます。
ここでは、日常の中で保護者が気づきやすい“会話・やり取りの特徴”をまとめています。

・会話が一方通行になりがちで、相手の話を遮って続けてしまう
・相手の表情・声のトーン・空気の変化に気づきにくい
・初対面や大人数での会話が極端に疲れやすい
・興味のある話題になると、長時間話し続けてしまう
・自分の言った言葉が相手を傷つけたことに後から気づくことがある

2. 行動パターン・こだわりのチェックリスト

アスペルガー(ASD)の子どもは、行動のパターンが一定しやすい、あるいはこだわりが強く出ることがあります。
これは“頑固”というより、変化に対して脳が大きな負担を感じやすいためで、安心感を保つための自然な反応でもあります。
特に、予定の変更や手順の乱れが強いストレスになることが多く、保護者が「どうしてこんなに嫌がるの?」と感じる場面にもつながりやすい特徴です。
以下は、家庭や学校で気づきやすい“行動の特徴・こだわり”をまとめたチェック項目です。

・予定変更に強いストレスを感じる
・同じルーティン・手順が崩れると落ち着かない
・特定の分野に強い興味を示し、長期間熱中し続ける
・興味がないことへの拒否感が強く、切り替えが非常に苦手
・物事を曖昧にされるのが苦手で、明確な説明を求める

3. 感覚の感じ方についてのチェックリスト

アスペルガー(ASD)の子どもには、音・匂い・光・肌触りなどの感覚に敏感さ(過敏)や鈍さ(低反応)が見られることがあります。
これらは本人の努力ではコントロールしづらいため、日常生活の負担につながりやすいポイントです。
例えば、他の子が気にしない環境でも強いストレスを感じたり、逆にまったく気にならなかったりと、周囲との感じ方の違いが誤解を生むこともあります。
以下は、感覚に関連する“気づきやすい行動の特徴”をまとめたチェック項目です。

・大きな音・人混みのすごい場所が苦手
・服のタグ、素材、肌触りが気になって着られない服がある
・食べ物の食感・温度・匂いに強い好き嫌いが出やすい
・痛みに鈍い、または逆に痛みに過敏
・周りの雑音が気になり、授業中に集中しにくい

4. 学校生活・集団場面でのチェックリスト

アスペルガー(ASD)の子どもは、学校のような集団環境で“暗黙の了解”や曖昧な指示が多い場面に戸惑いやすい傾向があります。
本人は一生懸命なのに、周りから「空気を読んで」「なんで分からないの?」と思われてしまうことがあり、これが誤解や対人トラブルにつながることも少なくありません。
また、予定変更や授業の進め方の変化に即座に対応することが難しく、混乱しやすい状況にストレスが蓄積しやすい特徴もあります。
以下は、学校生活の中で気づきやすい“集団行動・授業場面での特徴”をまとめたチェック項目です。

・先生の「暗黙の指示」が理解しにくい
・集団行動が苦手で、自由時間に一人になりやすい
・トラブルになりやすいが、原因を本人が理解できていない
・授業中の急な話題変更に対応できず混乱する
・スケジュール管理が苦手で、時間感覚にズレがある

アスペルガー(ASD)と診断された後のサポート|保護者が押さえておきたい4つのポイント

アスペルガー(ASD)と診断されると、「この先どうサポートしていけばいいのか」「学校には何を伝えればいいのか」など、保護者の方が悩むポイントは多くあります。
診断はゴールではなく、子どもが安心して過ごせる環境を整えるスタートラインです。ここでは、診断後の関わり方や学校との連携について、保護者が押さえておきたい4つの視点をまとめます。

1. アスペルガー(ASD)と診断された後の受け止め方

診断結果を聞くと、不安や戸惑いが生まれるのは自然なことです。ただし、ASDという診断は「能力の限界」を示すものではなく、子どもに合った学び方や環境づくりを考えるヒントを与えてくれるものです。

大切なのは、「できない部分を見る」のではなく、“どうすればできるようになるか”に視点を移すことです。診断を通じて特性が明確になると、これまでうまくいかなかった理由が整理され、サポートの方向性も見えやすくなります。

保護者自身が一人で抱え込まず、学校・支援機関・医療機関などと連携しながら、長い目で子どもの成長を見守る姿勢が大切です。

2. 子どもに伝える場合の上手な説明の仕方

診断を子どもに伝えるかどうか、どのタイミングで伝えるかは、年齢や理解力、性格によって異なります。
伝える際のポイントは、“できないところの指摘”ではなく“得意と苦手の特徴を知るための言葉”として説明することです。

例えば、小学生であれば「あなたは集中できることがあるし、詳しく調べるのが得意。でも、人によっては苦手なこともあるから、一緒に工夫しようね」といったように、安心感を与える言い方が効果的です。
思春期の子どもの場合は、本人が抱えてきた“生きづらさ”の理由を理解することで、「自分のせいじゃなかったんだ」と心が軽くなるケースもあります。

いずれの場合も、否定ではなく、「これから楽に過ごす方法を探すための情報」として伝えることが大切です。

3. 子どもの「得意・苦手」を整理して見える化する

診断後に最も重要なステップの一つが、子どもの得意・苦手を整理して“見える化”することです。
ASDは特性の幅が広く、「全部が苦手」ではありません。得意分野が突出している子も多く、そこが大きな強みになります。

見える化には次のような方法があります。

・学校・家庭での成功体験をメモしていく
・苦手な状況(切り替え、音、集団など)を整理しておく
・本人と一緒に「やりやすい工夫」を話し合う

これらを可視化することで、支援の方向性がわかりやすくなり、学校や支援機関にもスムーズに共有できます。子どもの自己肯定感を育てるためにも、“できること・強み” を必ずセットで記録することを意識すると効果的です。

4. 学校とどう連携すべき?相談時に優先して伝えるべき情報

ASDの子どもにとって、学校は負担と成長の両方が生まれる場所です。支援を受けるためには、“学校に具体的に何を伝えるか”が非常に大切です。

相談時に伝えておきたい情報は、以下のような内容です。

・日常で起きやすい困りごと(切り替え・感覚過敏・集団の負担)
・トラブルが起きやすい場面の具体例
・家庭で効果があった工夫(視覚的な予定、事前予告など)
・子どもの得意なこと・好きなこと
・苦手な状況でどのようにフォローしてほしいか

これらを簡潔にまとめて伝えることで、先生側も配慮しやすくなります。学校との連携は「お願い」ではなく、“一緒に子どもを支えるチーム作り”という意識で進めると、より良い関係が築きやすくなります。

まとめ

アスペルガー(ASD)の特性は子どもによってさまざまですが、日常の小さな困りごとを丁寧に見つめることで、必要な支援や関わり方が見えてきます。診断は特性を理解し、より過ごしやすい環境を整えるための大切な手がかりです。今回のチェックリストやサポートの視点が、ご家庭の日々の関わりを考える参考になれば幸いです。

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