シャドウイングのやり方を徹底解説|中高生でもできる英語力アップ法

公開日:2025年10月30日
更新日:2025年10月30日

「シャドウイング」という言葉は聞いたことがあっても、正しいやり方を知らない方も多いのではないでしょうか?
このコラムでは、シャドウイングのやり方を知りたい中高生へ正しい手順と効果、つまずきやすいポイント、リスニングやスピーキングが伸びる練習法をわかりやすく解説します。

目次

シャドウイングとは?|基本の流れと学習効果を理解しよう

英語の勉強法はいろいろありますが、その中でも近年注目されているのが「シャドウイング」です。
英語を聞きながら声に出すというシンプルな方法ですが、正しく行うことでリスニング力とスピーキング力を同時に鍛えられる画期的な学習法です。
ここでは、シャドウイングの基本的な考え方や流れ、他の学習法との違いを解説し、中高生にとってどんな意味があるのかを理解していきましょう。

1. シャドウイングとは何か?|音声を「まねて重ねる」学習法

シャドウイングとは、英語の音声を聞きながら、ほんの少し遅れて同じ内容を声に出して発話する学習法です。
ネイティブスピーカーのセリフを影のように追いかけて話すイメージから、「シャドウ(影)+イング」という名前がついています。

単なる音読ではなく、耳と口を同時に使うことがポイントです。
耳で聞いた音を瞬時に処理しながら声に出すため、集中せざるを得ない状況になり、リスニングとスピーキングの両方を効率的に伸ばしやすくなります。
また、シャドウイングは「聞くだけ」「読むだけ」といった一方向の学習法に比べ、より実践的な力を養いやすいのが大きな特徴です。

2. どんな流れで練習するのか?|基本ステップをざっくり紹介

シャドウイングは自己流で始めると効果が出にくいため、正しい手順を踏むことが重要です。
練習の基本的な流れは次の通りです。

まずは、自分のレベルに合った音声教材を選ぶことからスタートします。次に、スクリプト(台本)を確認して意味を理解し、繰り返し聞いて耳を慣らしましょう。その後、オーバーラッピングという準備段階を経て、本番のシャドウイングに進みます。
最後に自分の声を録音して確認し、繰り返し練習を重ねることで、徐々に自然に話せるようになっていきます。

この一連の流れを丁寧に行うことで、効率よく成果を上げることができます。

3. リスニングや音読との違いを理解する

一見すると音読やリスニングと似ていますが、シャドウイングは目的と効果が大きく異なります。
リスニングは「耳で理解する力」を鍛える学習法で、音を正しく聞き取ることに重点があります。一方、音読は「文章を声に出す練習」であり、正しい発音やイントネーションを身につけるのに有効です。

シャドウイングはこれらを同時に行う点が特徴です。耳で聞いた内容をその場で処理し、少し遅れて口で発話することで、理解力と発話力を同時に高められるのです。
さらに、日本語に訳さずに英語のまま理解する「英語脳」を養いやすいため、入試やスピーキング試験でも役立つ力が身につきます。

英語のリスニングについてもっと知りたい方はこちら
 「英語のリスニングが上達するコツ|苦手な人にオススメの勉強法」

4. 中高生の英語学習でシャドウイングはなぜ重要なのか?

中高生にとって、英語はテストや入試で欠かせない科目の一つです。
特に近年では、リスニングやスピーキングの比重が高まっており、教科書だけの勉強では十分に対応できない課題が出てきています。
シャドウイングは、こうした現代の英語教育にぴったりの学習法です。学校の授業や単語暗記で身につけた知識を、実際に「使える英語」に変えるトレーニングになるため、定期テストや英検などの資格試験にも役立ちます。

さらに、日々少しずつ続けることで耳が英語に慣れ、「英語を聞くことが苦手」という意識が自然と薄れていくのも大きな利点です。
受験を控える中高生はもちろん、これから英語を得意科目にしたいという人にも、シャドウイングは非常に効果的な学習法の一つと言えるでしょう。

シャドウイングで得られる5つの効果

シャドウイングは、ただ英語を声に出すだけのトレーニングではありません。リスニング・スピーキング・記憶力など、英語学習に必要な力を一度に鍛えられるのが大きな魅力です。
ここでは、シャドウイングを継続して行うことで得られる5つの効果を具体的に解説していきます。

1. 音のつながりや省略に慣れてリスニング力がアップする

英語を聞き取る時に多くの中高生が苦手とするのが、音のつながり(リンキング)や省略です。

例えば「want to」が「ワナ」と聞こえたり、「going to」が「ガナ」に近く発音されることがあります。教科書通りの発音しか知らないと、リスニングテストでまったく別の単語に聞こえてしまい、理解できなくなる原因になります。

シャドウイングでは耳で聞いた音をそのまま声に出すため、自然とリンキングや弱音を再現できます。口と耳を同時に使う練習を続けることで、ネイティブが話すスピードにも少しずつ慣れていき、英文を塊ごとに捉えられるようになります。
これにより、リスニング問題だけでなく、授業中に先生が話す英語も聞き取りやすくなります。

2. 自然な発音・リズムが身につきスピーキング力が上がる

英語の発音には、日本語とは大きく異なるアクセントリズムがあります。
単語を一つひとつ区切って発音するのではなく、文全体に強弱や抑揚をつけて流れるように話すことが求められます。
しかし、日本語話者はこのリズムを意識する機会が少なく、どうしても平坦で単調な話し方になりやすいのが実情です。

シャドウイングではネイティブスピーカーの音声をそっくり真似るので、自然なイントネーションやスピード感が身につきます。
繰り返し練習することで相手に伝わりやすい英語を話せるようになり、スピーキングテストや面接でも自信を持って発話できるようになります。

さらに、発音に自信がつくと英会話への心理的なハードルが下がり、積極的に話そうという意欲にもつながります。

3. 覚えた語彙や表現が長期記憶に定着しやすくなる

単語帳で覚えた英単語や熟語は、テストが終わるとすぐに忘れてしまうことも少なくありません。
しかし、シャドウイングでは単語を文脈ごと声に出して繰り返すため、記憶に強く残りやすいという特徴があります。

脳は「視覚・聴覚・発話」を同時に使った情報を、より長期的に保存しやすいと言われています。シャドウイングはこの仕組みを活かした学習法で、単語の意味や使い方が自然と体に染み込むのです。
こうして定着した語彙や表現は、ライティングやスピーキングでもすぐに引き出せる“使える英語”となり、定期テストや英検でも大きな助けになります。

4. 日本語に訳さず理解できる“英語脳”が育つ

英語を学ぶときに良く見られる学習のクセが、頭の中で日本語に訳してから理解することです。
例えば、先生が「What are you going to do today?」と言ったときに、
「今日は何をするつもりですか?」と日本語に置き換えてから答えようとすると、理解のスピードが遅くなり、会話に追いつけなくなります。

シャドウイングでは、耳で聞いた英語をそのまま発話するため、英語を英語のまま処理する練習になります。
続けていくうちに、日本語に訳さなくても直感的に意味を理解できる“英語脳”が育ちます。
これによりリスニング問題への反応速度が上がりやすくなり、会話のテンポも自然になりやすくなります。

5. テスト・入試での得点力が上がる

シャドウイングの効果は、学校の成績や入試にも役立ちます。
リスニング力が向上することで、定期テストや英検のリスニング問題が格段に解きやすくなります。
また、発音やスピーキング力が向上すれば、英検の面接試験や高校入試・大学入試のスピーキングテストでも自信を持って答えやすくなります。

さらに、記憶に残った表現は長文読解やライティングにも活かせます。
こうした総合的な力が高まることで、英語全体の得点力が底上げされるのがシャドウイングの大きな魅力です。
ただ単にテスト対策をするよりも、根本的な英語力を鍛えることができるため、将来にも役立つ学習法の一つと言えます。

シャドウイングの効果的なやり方【7ステップ】

シャドウイングはただ音声を追いかけて話すだけでは、思うような効果が得られません。
ここからは、初心者でも安心して取り組めるように、効果を最大化するための7つのステップを順番に解説します。
初めて挑戦する人は、無理をせず一歩ずつ進めていくことがポイントです。

ステップ 1|レベルに合った教材を選ぼう

最初の一歩は、自分の英語力に合った教材選びです。
難しすぎる内容から始めると、単語や文法が理解できず、ただ音をなぞるだけになってしまいます。
逆に簡単すぎる教材では飽きてしまい、成長につながりません。

中高生の場合は、学校で使っている教科書の本文やNHK基礎英語、英検の過去問題などがオススメです。
まずは「内容が8割程度理解できるレベル」の教材を選ぶと、無理なく練習を続けられます。
教材選びは成功への土台づくりなので、焦らず慎重に行いましょう。

ステップ 2|スクリプトを読んで意味を理解する

音声だけで練習を始めるのは避けましょう。
最初にスクリプト(台本)をしっかり読み、意味を理解することが必要です。
文章の内容が分からないまま練習すると、ただ口を動かすだけになり、リスニング力もスピーキング力も伸びません。

分からない単語や文法があれば調べておきましょう。
一度じっくり内容を理解すると、練習中に「この場面はこういう意味だったな」とイメージしながら声に出せるため、記憶の定着にもつながります。

ステップ 3|音声を繰り返し聞いて耳を慣らす

スクリプトを理解したら、次は音声を繰り返し聞いて耳を慣らす段階に移りましょう。
このステップを飛ばすと、シャドウイング本番で音が追いきれず、挫折しやすくなります。

1回目はゆっくり全体を聞き、イントネーションやリズムを意識しましょう。2回目以降は「聞き取れなかった箇所」に集中し、何度も繰り返すことで音のパターンが耳に染み込みます。ここで時間をかけるほど、本番のシャドウイングがスムーズになります。

ステップ 4|オーバーラッピングでウォーミングアップ

シャドウイングに入る前に、オーバーラッピングという準備運動を行いましょう。
オーバーラッピングとは、スクリプトを見ながら音声と同時に声を出す練習です。
これにより発音やイントネーションを確認でき、本番に向けたウォーミングアップになります。

この段階で「声が小さすぎる」「発音が不自然」といった課題を見つけて修正すると、次のステップでスムーズに練習できます。
最初は少しゆっくりめの音声を使い、徐々にスピードを上げていきましょう。

ステップ 5|シャドウイング本番!1〜2語遅れて発話する

いよいよ本番です。
音声を再生しながら、1〜2語遅れて発話することを意識しましょう。
スピードが速くて追いつけない場合は、最初は少し間隔を広げてOKです。

大切なのは、音声を正確に真似ることです。
声の強弱やリズムまで細かく意識すると、より実践的な英語力が身につきます。
もし途中でつまずいても止めず、次のフレーズから再開することがコツです。
一語一句完璧を目指すのではなく、「全体の流れを保つこと」を優先しましょう。

ステップ 6|録音して自分の声をチェック

練習後は、自分の声を録音してチェックすることが上達への近道です。
その場では気づかないクセや発音のミスも、録音を聞き返すと冷静に確認できます。

自分の声を客観的に聞くことで、「この音が弱い」「リズムが不自然」といった改善点が明確になります。最初は恥ずかしく感じるかもしれませんが、上達スピードが格段に速くなるため、ぜひ習慣化しましょう。

ステップ 7|繰り返しで“体に覚えさせる”

最後は、練習を繰り返して体に覚えさせることです。
シャドウイングは1回で効果が出るものではありません。同じ素材を毎日少しずつ練習することで、英語が自然と口から出るようになります。

最初は1日5分でも構いません。「毎日続けること」が何より大切です。
継続するうちに耳が英語に慣れ、発話のスピードと正確さが同時に向上していきます。

つまずきやすいポイントと解決法|挫折しないためのヒント

シャドウイングはシンプルな学習法ですが、実際に始めてみると「思ったより難しい…」「続けられない…」と感じることも少なくありません。
せっかく効果の高いトレーニングでも、途中で挫折してしまってはもったいないですよね。
ここでは、多くの中高生がつまずきやすい4つのポイントと、その解決法を紹介します。

1. 難しすぎる教材は逆効果!選び方を間違えないコツ

シャドウイングを始める時によくある失敗の一つが、難易度が高すぎる教材を選んでしまうことです。
単語や文法が理解できない音声を使うと、内容を理解できず、ただ音をなぞるだけになりがちです。これでは「英語が苦手」という気持ちが強まり、練習自体が苦痛になってしまいます。

前段でも記述しましたが、最初は「8割程度理解できるレベル」を目安に教材を選ぶのがポイントです。
具体的には、学校の教科書本文やNHK基礎英語、英検準2級〜3級程度の素材がちょうど良いでしょう。
慣れてきたら少しずつ難易度を上げていくことで、着実に力を伸ばすことができます。

2. 意味を理解しないままでは効果ゼロになる理由

「英語をたくさん聞けば上達する」というイメージから、スクリプトを確認せずに練習を始めてしまう人もいます。
しかし、意味を理解しないまま練習するのは効果ゼロと言っても過言ではありません。
なぜなら、言葉の意味が分からないと、脳が音を意味のない情報として処理してしまうからです。

練習前には必ずスクリプトを読み込み、知らない単語や文法を確認しましょう。
「この場面はこういう意味なんだ」とイメージできる状態で声に出すことで、記憶が深く定着し、リスニング力も伸びやすくなります。理解と発話をセットにすることが、シャドウイング上達の近道です。

3. 声が小さい・出せないときに克服する方法

中高生の中には、「家族に聞かれるのが恥ずかしい」「声を出すのが苦手」という理由で、声が小さくなってしまう人もいます。
しかし、シャドウイングは声に出して初めて効果が得られる練習法です。
頭の中だけで発話しても、発音やリズムが鍛えられません。

対策としては、練習する時間帯や場所を工夫することが大切です。
家族がいない時間を選んだり、布団をかぶって声を出したりするだけでも安心感が違います。
また、最初は小声から始め、慣れてきたら徐々に声量を上げていきましょう。
少しずつ自分の声に慣れることで、発話への抵抗感も和らぎます。

4. 続かない原因とモチベーション維持法

シャドウイングは継続が重要ですが、最初の数日でやめてしまう人も多いのが現実です。
原因の多くは「成果をすぐに求めすぎること」と「練習が単調で飽きてしまうこと」です。

モチベーションを維持するためには、小さな目標を設定することが効果的です。
例えば「1日5分だけやる」「今週はこの1ページを完璧にする」といった具体的な目標なら、達成感を得やすく、続けやすくなります。
また、練習記録をスマホやノートに残して可視化すると、自分の成長を実感できてやる気がアップします。
「完璧にやらなければ」と思いすぎず、続けること自体をゴールにすることが、長く続けるコツです。

まとめ

シャドウイングは、正しい手順で継続することでリスニングやスピーキングを同時に鍛えられる学習法です。最初は難しく感じても、教材選びや練習の工夫次第で必ず成果につながります。毎日少しずつ積み重ね、英語を「聞ける・話せる」力へと育てていきましょう。

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