「友達と遊びたくない症候群」の子どもに親ができる寄り添い方と対処法
公開日:2025年7月14日
更新日:2025年7月14日

「うちの子、最近友達と遊びたがらない…」「ずっと一人で過ごしていて大丈夫?」そんな不安を感じている親御さんへ。
このコラムでは、“遊びたくない”子どもの気持ちや特性、親ができる見守り方、無理をさせない関わり方まで、解決のヒントをわかりやすく解説します。
「友達と遊びたくない」という気持ち、心配しすぎなくても大丈夫?
子どもが友達と遊びたがらない様子を見ると、「何かあったのかな?」「友達がいないのでは…」と不安になる親御さんも多いのではないでしょうか?
でも実は、「遊びたくない」という気持ちそのものが、必ずしも問題のサインとは限りません。子どもの性格や気分、心の発達段階によって、人と関わりたい気持ちにも波があります。
この章では、そうした気持ちが生まれる背景について、いくつかの視点から考えていきます。
1. 一人でいたいと感じる時期は誰にでもある
子どもが一人の時間を好むことは、珍しいことではありません。特に小学校中学年以降になると、自分の世界を大切にしたり、自分だけの遊びに没頭したりする時期が訪れます。
読書や絵を描く、ゲームに集中するなど、ひとり遊びの時間に満足感を得ているのであれば、それは健全な自己形成の一環とも言えるでしょう。
また、日によって「今日は誰とも会いたくないな」と感じることは誰にでもあり、これは子どもに限らず大人でも同じです。
こうした気分の波は成長過程の中で自然に起こるもので、「異常」や「孤立」とは必ずしも結びつきません。
2. 友達といるのが疲れる子どももいる
性格的に人との関わりでエネルギーを消耗しやすい子どももいます。
全ての子どもが「明るく元気で、友達と遊ぶのが好き」とは限らず、慎重な性格や繊細な気質の子は、友達と一緒にいる時間が続くと、どっと疲れてしまうことがあります。
友達に気をつかったり、話に合わせたり、場の空気を読みすぎるタイプの子どもは、家に帰るとぐったりしていることも少なくありません。こうした様子がある場合、「遊びたがらない=心配」ではなく、「疲れているからただ休みたいだけ」ということもよくあります。
3. “遊ばない=人間関係に問題”とは限らない
「友達と遊ばない=友達がいない、トラブルがある」という見方をしてしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。
学校ではしっかり友達と過ごし、授業中や休み時間には楽しそうにしているのに、放課後や休日には一人でいたいと思う子もいます。
これは、人付き合いの“メリハリ”を自然に身につけている証拠でもあります。無理に関わり続けるより、自分のペースで人との距離を取れる子どもは、長い目で見れば人間関係のストレスに強くなることもあるのです。

子どもが「遊びたくない」と感じる背景には何がある?
子どもが「友達と遊びたくない」と口にする背景には、必ずしもひとつの理由だけがあるわけではありません。性格や気質、過去の経験、そのときの気分や体調など、いくつもの要素が複雑に絡んでいます。
親の目からは分かりにくいことも多いため、「どうして友達と遊びたくないの?」と問い詰めるより、まずは子どもの心の状態や背景に目を向けることが大切です。
ここでは、よく見られる4つの背景を紹介します。
1. 気を使いすぎる性格で、遊びがストレスになることがある
中には、友達と遊ぶ時に「こう言ったらどう思われるかな…」「場を盛り上げないといけないかな…」と、無意識のうちに気を使ってしまう子がいます。特に慎重でまじめな性格の子や、「いい子」であろうとする傾向が強い子ほど、遊びの中でも気を抜けず、心が休まりません。
遊び終わった後にどっと疲れが出たり、「あの時○○って言ったの、変だったかな…」と振り返って思い悩むような様子があれば、遊ぶこと自体がストレスになっている可能性もあります。これはその子の個性であり、決しておかしいことではありません。
2. 一人の時間を心地よく感じるタイプかもしれない
誰かと一緒に過ごすより、一人の時間に安心や満足を感じる子どももいます。
お気に入りの本を読んだり、絵を描いたり、好きな遊びに集中したりする時間が何より楽しいというタイプです。このような子にとっては、友達との遊びは「楽しいけれど、絶対必要ではない」ものだったりします。
とくに内向的な性格や、自分の世界を大切にしたい傾向がある子どもは、人と関わらない時間こそが心のエネルギーを回復させる時間でもあります。一人でいる時間が長いからといって、寂しさや孤独を感じているとは限らないということを、ぜひ知っておいてください。
3. 友達関係で嫌な経験をした可能性も考えよう
過去に友達とのトラブルや嫌な思いをした経験があると、「もう遊びたくない」「また同じことが起きたらどうしよう」という気持ちになることがあります。
からかわれたり、仲間外れにされたり、小さなケンカでも傷つきやすい子どもにとっては、それが長く心に残ってしまうこともよくあります。
親に話していないだけで、子どもなりに人間関係で悩んでいる場合も少なくありません。
遊びを拒むようになった時期や、関わる友達の顔ぶれが変わった時など、ちょっとした変化に目を向けてみると、子どもの気持ちを読み解くヒントが見えてくるかもしれません。
4. HSP気質や発達特性(ASDなど)による感覚の違いも影響することがある
人よりも感覚や感情に敏感な「HSP(とても敏感な子)」や、発達の特性を持つ子ども(例:自閉スペクトラム症など)は、人との関わりに独特の負担を感じることがあります。
このような子どもは、大勢で遊ぶことや、声の大きなやりとり、思い通りにならないルール変更などが苦手で、「遊びたい気持ちはあるけれど疲れてしまう」「自分のペースで関われないとつらい」と感じるのです。
このような場合は、本人が無理なく過ごせる環境や関係性の工夫が必要です。
「遊びたがらないからおかしい」と簡単に決めつけるのではなく、その子なりの感じ方を尊重することが、安心できる人間関係を築く第一歩になります。
HSPの特徴についてもっと知りたい方はこちら
⇒「HSPの特徴を持つ子どもについて|セルフチェックやサポート方法も紹介」
ASD(自閉スペクトラム症)の兆候についてもっと知りたい方はこちら
⇒「ASD(自閉スペクトラム症)の兆候はいつ分かる?|チェックリスト付き」

無理に「友達と遊ばせる」のは逆効果になることも
子どもが友達と遊ばない様子を見て、「このままでは人付き合いができなくなるのでは…」と心配になってしまうこともあるかもしれません。しかし、親がよかれと思って遊ばせようとする行動が、逆に子どもにとってストレスになることもあります。
「人と関わる力」は、無理やり育てるものではなく、安心できる環境の中で少しずつ育まれていくものです。この章では、無理に関わらせようとすることのリスクと、家庭でできる大切なサポートの考え方について見ていきます。
1. 子どもの“疲れサイン”を見逃さないようにしよう
友達と遊んだ後にぐったりしていたり、帰ってくるなり不機嫌になったりすることはありませんか?こうした行動は、子どもなりの“疲れサイン”であることがあります。
大人でも、人付き合いの後にどっと疲れることがあります。それと同じように、子どもも周囲に気をつかったり、自分の気持ちを抑えて過ごしたりすることが、心身を消耗している場合があります。特に繊細な気質の子は、自分から「疲れた」と言えず、態度で表していることが多いものです。
「なんでそんなに機嫌悪いの?」「楽しかったんでしょ?」と問い詰めるよりも、まずは疲れを受け止めてあげることが、子どもにとって安心できるサポートになります。
2. 親の「こうあるべき」がプレッシャーになることも
「友達は多いほうがいい」「小学生なら毎日友達と遊ぶのが普通」そんな風に、大人が思い描く“理想の子ども像”を子どもに当てはめていないか、少し立ち止まって考えてみることも大切です。
親の価値観や経験は、知らず知らずのうちに子どもへの期待となり、それが次第に「遊ばなきゃダメなんだ」「一人でいたら怒られる」というプレッシャーにつながってしまうこともあります。
子どもには子どものペースがあり、安心できる関係や過ごし方もそれぞれ異なります。親の「こうあるべき」という枠に当てはめず、その子にとって無理のない関わり方を尊重する姿勢が、子どもの自己肯定感や人間関係への前向きな気持ちを育てる土台になります。
3. 人との距離感を学ぶ機会は、家庭でも得られる
「友達と遊ばなければ社会性が育たないのでは?」という心配もよく聞かれますが、人との距離感や関わり方は、必ずしも友達との遊びの中だけで身につくものではありません。
家庭の中でも、親子や兄弟姉妹とのやりとり、近所の大人との会話など、さまざまな形で人間関係の基礎を学ぶことができます。むしろ、安心できる家庭環境の中だからこそ、子どもは心を開き、自分らしく関わる練習ができるとも言えます。
また、一人の時間を大切にする力や、自分の気持ちを見つめる力も、将来の豊かな人間関係を築くうえで欠かせない要素です。焦らず、子どもが「自分らしくいられる関係」を育てていけるよう、家庭がその土台を支えていきましょう。

無理させないために親ができること|5つの見守りのヒント
「どうにかして友達と遊ばせたほうがいいのでは…」と感じる場面があるかもしれませんが、子ども自身が「しんどい」と思っているなら、無理に関わらせることは逆効果になる可能性があります。
子どもが自分の気持ちを整理し、少しずつ人との関わりを取り戻していくためには、「そのままの自分でいい」と感じられる安心感が必要です。
この章では、親ができる見守りのヒントを5つご紹介します。
1.「なぜ遊ばないの?」ではなく「疲れていない?」と聞いてみる
「なんで遊ばないの?」「友達いないの?」と問い詰めるような言葉は、子どもにとって“責められている”と感じやすい表現です。本人なりに理由がある場合でも、それを言葉にするのは難しいことがあります。
そんな時は、「疲れていない?」「ゆっくりしたい気分かな?」と、気持ちに寄り添う言い方に変えてみましょう。子どもが本音を言えるきっかけになるだけでなく、「わかってくれる」という安心感にもつながります。
言葉の選び方ひとつで、親子の信頼関係は大きく変わります。
2. 無理に誘わせない・付き合わせないことが安心感に
「たまには外で遊んだら?」「○○ちゃんと遊びなさい」と親が声をかけたくなる気持ちもよくわかりますが、子どもの気持ちが追いついていない状態で外へ出させるのは、心に負担をかけることになります。
親にとっては「ちょっとした声かけ」のつもりでも、子どもにとっては「行かなきゃいけない」「イヤって言えない」というプレッシャーに変わってしまうこともあります。
「今日は家でのんびりしようか」「行きたくなったら教えてね」といった言葉で、“自分で選べる”感覚を持たせてあげることが、安心感と自己決定力を育てる大切なステップになります。
3. 本人が望むなら“少人数・短時間”などの工夫を
子どもが「遊びたい気持ちはあるけど、気が重い…」と感じている時は、ハードルを下げた関わり方を提案するのもひとつの手です。
例えば、1対1の友達との遊びに限定したり、1時間だけ遊ぶ約束にしたり、家でのんびり遊ぶようにしたりするなど、少人数・短時間・静かな環境にすることで、子どもも安心して関われる可能性があります。
「遊ばせる」ではなく「子どもが心地よく関われる形を一緒に探す」という視点が、負担を減らしながら関係づくりをサポートする大切なポイントです。
4. 学校と連携して様子を共有しよう
家ではなかなか話してくれない子でも、学校では友達と自然に過ごせている場合もあれば、逆に孤立してしまっている場合もあります。そのため、学校側と情報を共有し、客観的な様子を知ることはとても重要です。
担任の先生やスクールカウンセラーに相談することで、家庭では見えにくい子どもの状況や、対応のヒントをもらえることもあります。特に、子どもの変化が長引いている・急に関わり方が変わった、という場合には、早めの連携が安心です。
家庭と学校で同じ方向を向いて見守っていけると、子どもにとっても心強いサポートになります。
5. 発達や心の面に不安がある場合は専門機関への相談も視野に
「もしかしたら、他の子と少し感じ方が違うのかも」「なかなかうまく関われない理由が見えない」と感じる場合は、専門の相談機関に頼ることも大切な選択肢のひとつです。
発達支援センター、子ども家庭支援センター、児童精神科、小児心療科などでは、子どもの行動や気持ちの背景について、客観的な視点からアドバイスを受けられます。
「相談する=何か問題がある」というわけではありません。子どもにとって最も心地よい関わり方を探すための手段として、気軽に活用してみましょう。

まとめ
子どもが「友達と遊びたくない」と感じるのには、その子なりの理由があります。大切なのは、無理に関わらせようとするのではなく、気持ちに寄り添いながら見守ること。
子どもが自分のペースで人と関われるよう、家庭が安心できる居場所であり続けることが、何よりの支えになります。
一人の時間を大切にする力も、立派な成長のひとつです。焦らず、ゆっくりと、その子らしい人間関係を育んでいきましょう。
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