子どもの人見知りを治すには?|原因・年齢別対応・家庭でできる克服法を紹介
公開日:2025年5月12日

このコラムでは、子どもの人見知りについて詳しく解説します。子どもが人見知りする理由、年齢別に見る人見知りの特徴、人見知りを和らげる親の接し方、人見知りを克服するための家庭での工夫についても詳しくご紹介しています。子どもの人見知りで悩んでいる保護者の方は是非ご一読ください。
子どもが人見知りするのはなぜ?|5つの主な理由
新学期が始まる時などに、「うちの子、人見知りが激しくて心配…」と感じる親御さんは多いかもしれません。
しかし、人見知りは子どもの発達の一部であり、ごく自然な反応でもあります。ここでは、子どもが人見知りする主な理由を5つに分けて詳しく解説します。
1. 脳の発達による「見知らぬ人」への警戒心
生後6〜8か月頃になると、赤ちゃんは「いつもそばにいる人」と「そうでない人」との違いを認識できるようになります。
これは脳の認知機能が発達してきた証拠で、見慣れない人に対して警戒心を持つのは自然なことです。この警戒心が「人見知り」として表れます。
2. 「安全基地」である親からの分離不安
子どもにとって親は最も安心できる存在です。そのため、親から離れる場面では不安や恐怖を感じやすくなります。
特に、幼児期のお子さんには「ママがいないと不安」「知らない人とは話したくない」と感じることがあり、これも人見知りの一因になります。
3. 環境の変化や新しい刺激への不安
初めての場所や初対面の人、見慣れない音やにおいなど、子どもにとっては新しい刺激すべてが不安の種になります。
まだ経験が少ないうちは、慣れない状況に戸惑い、人見知りという形で拒否反応を示すことがあります。
4. 性格や気質の影響
子どもには、生まれつき慎重だったり、内向的だったりする性格の子もいます。
このような気質の子どもは、新しい環境や人との関わりに対して警戒心が強く、人見知りが長く続く傾向があります。
これは「性格的な個性」であり、無理に変えようとする必要はありません。
5. 失敗経験やネガティブな記憶
過去に「話しかけて無視された」「笑われた」「怒られた」といった経験があると、人と関わることに対して不安を抱くようになることがあります。
このようなネガティブな記憶が人見知りの背景にある場合もあり、無理に接触を促すと、かえって不安を強めてしまうこともあります。
※こんな時は要注意|人見知りと見分けにくいケース
人見知りは成長の一環であり、多くの場合は心配いりませんが、なかには注意が必要なケースもあります。
ここでは、人見知りと似ているけれど、別の対応が求められる可能性のある例を紹介します。
1. 発達障害や強い不安症のケース
極端な対人不安や、年齢相応に人付き合いがまったくできない場合は、発達障害(例:自閉スペクトラム症)や不安症の可能性も考えられます。
「何度会っても慣れない」「会話そのものを極端に避ける」といった傾向が強いときは、専門家への相談も視野に入れましょう。
ASD(自閉スペクトラム症)の兆候についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「ASD(自閉スペクトラム症)の兆候はいつ分かる?|チェックリスト付き」
2. 学校・園でのトラブルが背景にあるケース
「以前は人見知りしなかったのに、急に他人を避けるようになった…」というような場合、園や学校でのいじめや人間関係のストレスが関係している可能性もあります。
人と接すること自体が怖くなっている場合は、家庭での様子や会話の中から、背景を丁寧に探ることが大切です。
いじめによる不登校についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「いじめの原因について|その理由や背景を考える」
3. 周囲の対応によって悪化してしまうケース
「ほら、きちんと挨拶しなさい!」「なんでしゃべれないの?」などと、周囲が叱るような対応ばかりをしていると、人見知りはより強くなってしまうことがあります。
恥ずかしさや不安が「自分はダメなんだ」という自己否定やトラウマにつながり、人前に出ること自体を避けるようになる恐れがあります。
HSPの特徴についてもっと知りたい方はこちら
⇒ 「HSPの特徴を持つ子どもについて|セルフチェックやサポート方法も紹介」

年齢別に見る人見知りの特徴
人見知りは、子どもの発達や環境によって現れ方が異なります。年齢ごとの特徴を知ることで、親としてどのように関われば良いかが見えてきます。
ここでは、乳児期から小学生以降まで、段階ごとに見られる人見知りの傾向とその背景について説明します。
1. 乳児~1歳頃:親以外への警戒心が強くなる時期
この時期の人見知りは、生後6〜8か月ごろから始まることが多く、もっとも典型的な人見知りの時期と言われています。
これは赤ちゃんの脳が発達し、「いつも見ている人」と「そうでない人」を区別できるようになることが背景にあります。
特に、母親や父親など、毎日顔を合わせている人と違う顔を見ると、不安や恐怖を感じて泣き出したり、顔を背けたりする様子がよく見られます。この反応は、子どもが「安心できる存在」を認識できている証拠でもあり、発達的にはごく自然なものです。
「抱っこされても泣いてしまう」「親から離れると大声で泣く」などの行動が見られても、無理に慣れさせようとせず、子どもが安心できる距離で他人と関わることから始めるとよいでしょう。
2. 2~3歳頃:言葉は通じるが、自己主張が強くなる時期
この年齢になると、言葉がある程度使えるようになり、自我が芽生えてくるため、「イヤ!」という自己主張が強くなる時期です。
その一方で、社会的なスキルや感情のコントロールは未熟なため、「知らない人と話すのはイヤ」「大人が多い場所は怖い…」といった反応が見られることがあります。
特に、自分の気持ちをうまく言葉にできない子は、不安や戸惑いを「沈黙」や「回避行動」で表すことが多くなりがちです。また、保育園や幼稚園などに通いはじめた場合、家庭との環境の違いに戸惑い、人見知りが一時的に強くなることもあります。
この時期は「できないこと」を叱るのではなく、安心できる環境の中で「できた体験」を積み重ねることが、人との関わりへの抵抗を和らげるポイントになります。
3. 4~6歳頃:集団生活に慣れない不安からくる人見知り
この時期になると、子どもは日常的に集団生活を経験し、他の子どもたちとの関係づくりを始めます。
一方で、自分と他者の違いが明確に意識できるようになる時期でもあり、「周りからどう思われているか?」「恥ずかしい…」といった感情も芽生えます。
そのため、「大勢の前では話せない」「初対面の子と遊びづらい」など、人前でのふるまいに不安を感じて、人見知りのような行動が目立つことがあります。
また、友達とのちょっとしたトラブルや、先生とのやり取りで失敗した経験が引き金になり、対人場面そのものを避けようとすることもあります。
この時期には、「ちゃんと話しなさい」「友達と仲良くしなさい」といった無理なプレッシャーをかけるよりも、一人ひとりのペースを尊重しながら、安心できる関係性を増やすことが大切です。
4. 小学生以降:友達との関係づくりで悩むケースも
小学校に入学すると、社会性がより発達し、友達との関係が生活の中心になります。
見た目や話し方、行動の違いが周囲と比べられやすくなり、「自分はどう見られているか?」「笑われないか?」など、他者からの評価を強く意識するようになります。
ですから、自己肯定感が低い子や失敗に敏感な子は、話しかけることを避けたり、新しい人間関係に飛び込むのをためらったりすることもよくあります。
また、友達グループの中でうまくいかなかった経験があると、それ以降、対人場面に強い不安を抱くようになることもあります。
この段階の人見知りには、話す力や表現力だけでなく、気持ちのサポートや自己理解の促進が重要です。
「話しかけられたらうれしかったよ」「あなたのペースで大丈夫だよ」と、親が穏やかに気持ちを認めることで、徐々に人との関わりに前向きになっていきます。

親ができる!人見知りを和らげる接し方5選
人見知りをしている子どもに対して、「早く治ってほしい」と焦る気持ちも分かりますが、無理に慣れさせようとすると逆効果になることもあります。
大切なのは、子どもの気持ちに寄り添いながら、安心感を育てていく接し方です。ここでは、人見知りを治す上で、親が家庭で意識したい5つの関わり方を紹介します。
1. 無理に人と関わらせない
「挨拶しなさい」「もっとちゃんと話して」と強く促してしまうと、子どもは「できない自分はダメなんだ」と感じてしまいます。これは自己否定感につながり、人見知りをより深刻にしてしまう恐れがあります。
まずは、話しかけることを無理に求めるのではなく、子どもが安心していられる距離感を大切にしてください。そばで見ているだけでもOKです。
見守られている安心感の中で、子どもは少しずつ自分のタイミングで一歩を踏み出すようになります。
2. 子どもの不安に共感してあげる
「恥ずかしかったね」「ちょっとドキドキしたんだね」など、子どもの感じている気持ちを言葉にしてあげることは、とても大切です。子どもは、自分の気持ちをわかってもらえると、「安心しても大丈夫なんだ」と感じます。
不安な気持ちを受け止めずに「なんでしゃべらないの?」「もう大きいんだから」と否定的な言葉をかけてしまうと、心を閉ざす原因になりかねないので、大人の都合で判断せず、「怖い」と思っている子どもの目線に立つことが、人見知り克服の第一歩です。
3. 徐々に人との関わりを広げる工夫をする
いきなり集団の中に入れるのではなく、安心できる状況から少しずつ人と関わる経験を増やしていくことも効果的です。
例えば、親と一緒に近所の公園で遊び、同年代の子がいる場に慣れていく、小規模なイベントに参加してみるなど、段階を踏んで関わりを広げていきましょう。
親がそばにいる状態で「こんにちはって言ってみようか」とそっと促すことで、子どもも無理なく挑戦しやすくなります。段階的にステップアップすることが、安心感につながります。
4. 親自身が笑顔で他人と関わる姿を見せる
子どもは、親の行動をよく見て学びます。
親が他人とにこやかに挨拶をしたり、店員さんと自然に会話をしている様子を見ることで、「人と関わるのは怖くない」「挨拶するのは楽しいこと」というイメージを持てるようになります。
「親ができていることは、自分もできるようになるかも」という安心感は、見本の力(=モデリング効果)を通じて、子どもに良い影響を与えます。
まずは大人自身が楽しんで人と接することが、間接的な支援になります。
5. 子どもに成功体験を積ませる
「自分からありがとうが言えた」「目を見て頷けた」など、小さな一歩でも、それが子どもにとっては大きな成功体験になります。
そして、その経験が「やってみたら大丈夫だった」という自信につながり、人見知りの克服にも効果を発揮します。
成功体験は、どんなにささいなことでも見逃さず、「よく頑張ったね」「うれしかったよ」と、しっかり認めてあげましょう。親の言葉が、子どもにとっての“自信の種”になります。

人見知りを克服するための家庭での工夫5選
人見知りは、家庭での関わりや日々の体験を通して少しずつ和らげていくことができます。
無理をさせず、子どもが「安心して人と関われる」と感じられる環境をつくることが、何よりの近道です。ここでは、家庭で実践できる5つの工夫をご紹介します。
1. ごっこ遊びで他人との会話を練習する
「お店屋さんごっこ」「病院ごっこ」「保育園ごっこ」など、身近な場面を再現した「ごっこ遊び」は、人とのやり取りを模擬的に練習できる貴重な機会です。
親が店員役や先生役などになり、「いらっしゃいませ」「こんにちは、どうしましたか?」と声をかけることで、子どもは会話の流れを自然に覚えていきます。
遊びの中なら、失敗を恐れる必要もなく、楽しく繰り返すことができ、実際の場面に備えての心の準備にもつながります。
2. 親子での外出を通じて少しずつ慣れさせる
人見知りの子どもにとって、いきなり一人で新しい環境に入るのは大きなストレスになります。そこで、まずは親と一緒に外出し、安全な状態で社会との接点を増やしていくことが有効です。
公園での散歩、近所のお店での買い物、図書館の読み聞かせイベントなど、無理のない範囲で「外の人と出会う場」に足を運んでみましょう。
最初は見ているだけでも大丈夫です。親のそばで経験を重ねることが、次の一歩につながります。
3. 自己紹介や簡単なあいさつを家庭で練習する
「こんにちは」「〇〇です」「よろしくお願いします」など、簡単なあいさつや自己紹介のフレーズを家庭で一緒に練習しておくと、実際の場面でのハードルがぐんと下がります。
日常の中で、ぬいぐるみ相手に練習したり、親が「じゃあ今日の自己紹介やってみよう」と遊び感覚で声をかけたりするのも効果的です。
事前に口に出してみることで、言葉がスムーズに出やすくなり、「話せた」という達成感も得られます。
4. 子どもが安心できる「味方」をつくっておく
家庭以外にも、子どもが心を開ける存在=安心できる大人や友達がいると、人見知りはぐっと和らぎます。
園や学校で信頼できる先生がいる、よく遊ぶ近所の友達がいる、親戚に優しいお兄さんがいる、など、身近な安心の拠点を複数もっておくことは大きな支えになります。
「この人と一緒なら大丈夫」という存在がいれば、子どもは知らない場所にも少しずつ踏み出していくことができます。
人との関わりをポジティブに捉える土台にもなるので、周囲の協力も大切にしましょう。
5. 小さな成功を積み重ねて「自信」を育てる
人見知りを克服する上で最も大切なのは、「自分にもできた」という実感を持つことです。
たとえば、「店員さんにありがとうと言えた」「知らない子と一緒に遊べた」といった小さな一歩を見逃さず、「今のすごかったね」「ちゃんと伝えられたね」としっかり褒めてあげましょう。
成功体験を重ねることで、子どもは「人と関わるのは怖くない」と思えるようになり、自信がつきます。
自然と人との関わりに前向きになる──これが、人見知りを乗り越えるための大きな力になります。

まとめ
人見知りは、多くの子どもが通る自然な発達過程のひとつです。
焦って治そうとするのではなく、子どもの不安に寄り添いながら、安心できる人間関係や小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。
年齢や性格に合わせた接し方と、家庭でのあたたかなサポートがあれば、子どもは自分のペースで少しずつ人との関わりに前向きになっていきます。親子で一歩ずつ進んでいくことが、何よりの近道です。
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