【第23回】小学校 「卒服」のオシャレ高額化と「キャラ弁」規制を考えてみる

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第23回 小学校 「卒服」のオシャレ高額化と「キャラ弁」規制を考えてみる

「あ~、どうしてこんなにお金がかかるの!?」と、頭を抱えながら家計簿をつける秋の夜更け……。そんなとき、いつも頭をよぎるのは「このお財布状況で、子どもにどこまでお金をかけてあげられるか?」ということ。

愛情とお金は比例しないとは知りつつも、息子や娘が「これがほしい」「あそこに行きたい」と願えば、できれば叶えてあげたいと思ってしまう……。

そんなジレンマは、きっと多くの方が抱えている「子育てあるある」ですよね。
みなさん、こんにちは。実はわたくし……ヤスコも悩める親の一人であります。

今日はみなさんと一緒に考えてみたい、「子どもにかけるお金と時間」そして「さまざまな家庭事情を配慮した自粛と規制」のお話です。

■映画『ちはやふる』がきっかけで、小学生の卒業式に変化

2017年も後半戦にさしかかってきましたが、学校生活のフィナーレでもある「卒業式」において、今ちょっとした話題となっているのが「卒業生の服装」の高額化です。

主な現場は小学校。卒業式に子どもが着ていくものの定番といえば、ブレザーやワンピースでしたが、ここ数年、小学校の卒業式では「はかま」で身を飾る女の子が増えているそうなのです。1970~80年代は、アニメ『はいからさんが通る』の主人公の服装として人気を得ていたはかま。時を経た今は、協議カルタを題材とした『ちはやふる』という漫画や映画で、再び火がつきだしたみたいなんですね。

華やかな花柄のきものに、装飾のあしらわれたはかま。ばっちりキメた髪型にかっこいいブーツ。大学生も顔負けの気合いの入れっぷり。それもそのはず、最近のローティーン向けファッション誌『ニコラ』では、卒業式に着る服を「卒服」と称して「大人っぽ卒服大作戦♡カタログ」(2016年2月号)などの付録をつけるなど、女の子のオシャレ欲をぐいぐいあおっているのですから。

卒業式では、きれいに変身した「小6先輩」のはかまを見て、在校生である「小5後輩」も「来年はわたしも…」と憧れを抱くそうなんです。

■「はかま」による衣装高額化に市長が「待った!」

まぁしかし、子ども用とはいえ、はかまは決してお安くないんですよね(汗)

購入費用が数千円ですむブレザーやワンピースなどと比べて、袴はレンタル代だけでも1万円台後半から3万円代。そして、着付けやへアセット、草履・ブーツなどの小道具まで含めると、あっという間にその2倍。さらには、「せっかく和装したのだから」とスタジオ撮影まで含めると、10万円代にまで膨れ上がることもあるようです。

公立の学校では、さまざまな経済状況の家庭が子どもを通わせています。当然、「子どもが望んでも着せてあげられない家庭」というのも出てくるわけです。

今月9月14日、愛知県名古屋市の河村市長は、市議会本会議にて「小学校の卒業式におけるはかまの着用」について、保護者へのアンケート実施を考えていることを発表しました(9/15東海テレビ)。結果によっては、規制も検討するとのこと。これは名古屋市に限らず、自治体によっては自粛を求めているところもあるそうです。

あなたはどう思いますか?

■キャラ弁規制と似ている??

「そんな~、なんにでも“自粛”や“規制”を入れたら自由がなくなってしまうのでは?」という意見も当然あると思いますが、
「気持ちはわかる!」と断言したのは、ヤスコの元上司・Kさん(50代女性)です。

Kさんが例に挙げたのは、アニメのキャラクターなどを模してつくるお弁当「キャラ弁」を自粛した幼稚園の話。「自粛した幼稚園に賛同するお母さんが多くて、入園希望者が殺到したんだってー。だって忙しくて、お弁当を作るだけでも必死なのに、子どもが“キャラ弁じゃない”ということでいじめられたり、よその子と比べて悲しい思いをすると思うと耐えられないよね」と話していました。

確かに、「キャラ弁」の子が身の回りに誰もいなければ、子どもたちも「普通のお弁当」を卑下することなく食事ができそうものね。

Kさんは編集者をしていましたが、当時は共働きの子育て。長男の世話のために仕事を持ち帰り、子どもの眠るゆりかごを足で揺らしながら原稿を書いていたそう。「いくら我が子を大事にしていても、お金や時間をかけられない家もある」。そういう事情に、想いを巡らせることも必要かもしれませんよね。

うーん、ではどうすればいいんでしょうねぇ。例えば、遠足のおやつみたいに、「卒業式に着てくる服は〇〇円まで」と、上限の金額を設定するのはどうでしょうか?

プチプラ服やリサイクル服、知り合いに借りたりお下がりをもらったりして、工夫するのも楽しいかもしれませんね。「自粛」と聞くと、きゅうくつなイメージを持たれるかもしれませんが、「みんなが笑顔になれる自粛」という道を探していきたいものです。

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