【第28回】あのサンタクロースを「経費」や「歴史」の面から考えると? 身近なところに落ちている勉強の楽しさ

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第28回 あのサンタクロースを「経費」や「歴史」の面から考えると? 身近なところに落ちている勉強の楽しさ

■地球上の子ども全員にプレゼントを配ったら、いくらかかる?

はぁ~、早いものでもう師走ですね。
クリスマスやらお年玉で浮かれ気味の子どもに反比例して、家計を切り盛りするヤスコはため息ばかりです。忘年会に帰省、そして新年会など、まるで羽が生えたように財布からお金が出ていくのですから(笑)

きっとこの時期は、サンタクロースさんの家計も大変でしょう。世界中の子どもにプレゼントを配るんですもの。はい、ここで問題です。サンタのおじさんが、全世界の子どもにプレゼントを配るとすると、いったいいくら必要でしょうか?

国連の推計によると、2010年の15歳未満の子供の数は約18億4200万人。仮に1人に500円のささやかなプレゼントを配ったとしても、なんと合計9210億円。あと少しで日本の国家予算です。いったいサンタさんったら、普段どんな仕事で稼いでいるのかしら。

普段はファンタジーの世界にいるサンタクロースも、社会の事象と結び付けて考えてみるとちょっと面白いですよね。勉強の醍醐味って、こうやって遊べるところにもあるんじゃないでしょうか。

■「日本風の味付け」でデビューした明治時代のサンタさん

ほかにも、「歴史」と「サンタクロース」を繋げても発見があります。

日本の物語に初めてサンタクロースが出てくるのは、明治33年。子ども向け教材の挿絵だったそうです。ヤスコも実際に絵を見てみました。しかしーー

そのモノクロの老人は、やせ型で厳しい顔つき。赤い帽子もかぶっておらず、連れているのも角の立派なトナカイ……ではなく、小さなロバ。当然そりなども引いておらず、老人の手には杖が握られています。って歩いて来たんかい!?

残念すぎるサンタさんですが、これには理由があります。

明治時代は、まだ鎖国を解いて時代が浅く、日本は欧米諸国に追いつきたくて仕方がなかった時期なんですよね。教育にも外国文化を取り入れたかったけど、国民に受け入れられるには、ある程度「日本風の味付け」が求められる。だから、おじいさんの名前も「北國の老爺(ほくこくのおやぢ) 三太九郎(さんたくろう)」。また当時、国内にはトナカイはおらず、農家さんは荷物をロバに乗せて運んでいました。ストーリー自体も、「少年が助けたおじいさんが、クリスマスイブに贈り物をもってやってくる」という、まさに『鶴の恩返し』や『かさこ地蔵』の系譜を受け継いでいたのです。

たった1枚の挿絵からも、見方次第でたくさんの発見があります。

来年はこんなところからも、みなさんのご家庭のお子さんが勉強に興味を持ってくれるといいなぁ。みなさんも「こんな話が聞きたい」というのがあれば、マスター本部にでもかまいませんので、どんどん教えてくださいね!

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