【第106回】学習の見えない敵、「早生まれのハンディ」との向き合い方

こんにちは、今をときめく俳優の綾野剛さんと同じ誕生日のヤスコです!

ちなみに誕生日は1月26日だそうです。「それがどうした?」という声が聞こえてきそうですが、今日は「早生まれ」と「学習」についてのお話です。

幼稚園や保育園、小学校低学年のうちは、1月から4月1日までに生まれた早生まれの子は、「同級生に比べて体が小さく、成長が遅い」と言われることがありますが、実はそのようなハンディは高校生や大人になっても存在するということが最近の研究でわかってきたそうです。

早生まれと遅生まれで、偏差値が4.5違う

東京大学大学院の山口慎太郎教授らによると、高校生の同じ学年では3月生まれの「早生まれ」の生徒のほうが、同じ学年の4月生まれの生徒より4.5も偏差値が低いという調査結果が出たそうです。

高校生にもなれば、月齢の差なんて微々たるものだと思っていたヤスコはびっくり!

ちなみにこの傾向は、中学生や小学生など年齢が低くなるほどより顕著に表れるとか。

研究では、学力の他にも「感情をコントロールする力」や「他人とよい関係を築く」という非認知能力の点でも差があるとか。これはコツコツと学習を続ける力や、先生やクラスメイトとのコミュニケーションにも影響がありそうです。

これは一見、早生まれの子に不利なようですが、ヤスコ自身はポジティブなことだと思っています。

なぜなら、たとえば学校の授業についていけない早生まれの子がいたとしても、本人の能力不足や努力不足のせいではなく、単純に「月齢と学習環境が合っていなかった」という解釈もできるようになるからです。そしてどの子の能力も、月を追うごとに確実に成長していく証ととらえることもできます。

勉強が嫌いになってしまう一番の理由は「勉強に自信が持てなくなること」

だから、同級生と比べてうまくできないことがあっても、この研究結果を知っていれば「自分なりに成長していればOK」と胸を張ることもできるわけですね。

ちなみに冒頭の綾野剛さんを含め、早生まれで活躍している著名人も多数います。ある時期の芥川賞選考委員は、3月生まれの宮本輝さん、島田雅彦さん、小川洋子さんをはじめ、9割が早生まれだったそうです。

早生まれの子に成功体験を増やすクラス編成

しかし、画一的に学年で区切られてしまう今の日本の学校制度の中では、早生まれの子がハンディを背負ってしまう状況であることは確かです。

そんな中で、学習指導要綱にとらわれないインターナショナルスクールなどでは、柔軟に学年の選択ができる学校もあります。早生まれの子どもは一つ前の学年に入ることができたり、1年余分に幼稚部で過ごすことができたりするなどです。

また、東京都町田市にある私立玉川学園の小学部では、学年を生まれ月で2つにわけたクラス編成を行っています。そうすることで、早生まれの子にもたくさんの成功体験ができ、リーダーシップを取るチャンスが増えるそうです。

日本全体で見ると、早生まれの子への配慮はまだ発展途上と言えます。
しかし、今の段階でも同級生と比べて勉強ができなかったとしても、本人の能力だけの問題ではない」ということをお子さん自身や保護者、先生たちが知っていれば、もっと前向きに学習に取り組めるはずです。

夏休みは、お子さんの学習方法を見直すいい機会。家庭教師の先生と、お子さんの成長にピッタリあった勉強方法を見つけてみてはいかがでしょうか?

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