【第60回】筆算で定規を使わなかったら160問やり直し!? 細かいマニュアル「学校スタンダード」、あなたの学校は?

筆算で定規を使わなかったら160問やり直し!? 細かいマニュアル「学校スタンダード」、あなたの学校は?

みなさん、こんにちは。先日息子のノートを見たら、あまりの字の汚さにのけぞってしまったヤスコです。ノートの取り方や書き方って、その子の個性がよく出るものですね。

 

手書きといえば、先月、Twitterやワイドショーなどでこんなことが話題になっていました。

――夏休みの宿題を提出したところ「筆算の横線を書くのに、定規を使っていない」という理由で、書き直しを求められた。しかも対象問題は160問分!

みなさんはどう感じたでしょうか。

 

「そこまで押し付けるのは、やりすぎじゃないの?」

「きれいに書けば見間違えも減りそうだし、よいのでは?」

「そもそも計算ミスが減る根拠って何? 説明不足では」

 

など、いろいろな意見があると思います。

 

取材班が、「定規使用」をすすめる理由を別のベテラン教師に聞いたところ、低学年では「定規の線引きの練習」、高学年では「見直しのしやすさや、面倒くさがらずに問題に向かい学力を向上させるため」といった答えが返ってきたそうです。

 

■机に入れる“筆箱や教科書の配置”まで指定する「学校スタンダード」

しかし、冒頭の教師からはこのような具体的な説明はなかったとか。では、どうしてこの教師はかたくなに定規を使わせようとしたのでしょうか? それには「学校スタンダード」と呼ばれるルールが関係しているという声も上がっています。

学校スタンダードとは、自治体や学校ごとに「授業中や休み時間の行動」や「持ち物」などを定めたマニュアルのようなもの。単に「スタンダード」と呼ばれることもあるようです。文科省が定めた「学習主導要領」とは別モノで、一部の学校で取り入れられているとのこと。

たとえば、神奈川県のある小学校の「〇〇〇小スタンダード(学校のきまり)」(児童・保護者版)では…

・靴箱は、かかとをそろえて、上のところに上履き、下のところに外靴を入れること

・給食のときは、ナフキンと口ふき用のハンカチ以外は机の中にしまうこと

・掃除は無言で「〇〇〇小 掃除スタンダード」のやり方で行うこと

 

などが、持ち物や帰宅後の行動まで細かく指定されています。

さらに、別の学校や自治体では…

 

・先生の目を見てあいさつする

・みんなに聞こえる声で発表する

・ノリはスティックタイプのものを1つ。(テープノリは使用不可)

・購入する鍵盤ハーモニカは5500円程度のものを

・学校の机の中は、左側に筆入れ、右側に教科書・ノート類を入れること

 

などがA4サイズの資料10~15ページにわたって書かれていました。これらは、学校や自治体のホームページで公開されていることがあります。

 

■内気な子や発達障害の子など、個人にあわせた柔軟な対応を

実はこれを見て、ヤスコは個人的にちょっと心配になってしまいました。教師がこのマニュアルに頼るあまり、自らの頭で考えて指導することがおろそかになってしまうのではないかと……。

「人の目を見てあいさつ」や「大きな声で発表する」は、たしかにコミュニケーションを円滑にする上で望ましいですが、果たして「どんな性格の子にも強要すべき」振る舞いなのでしょうか。

中には内気な子もいると思います。うつむいたままでも、小さな声でも、「本人なりの学び」ができているのであれば、それでよいという見方もあります。ボソボソと何を話しているのか分からないような研究者が、すごい発明をすることだってありますものね。極論ですが。

まぁ当然これらは指針のひとつなので、学校の先生方は子どもたちの個性を見極めて、柔軟に対応してくださっていることとは思います。また、これらのマニュアルをつくることで、経験の浅い教師でも「効果的に指導が進められる」というというメリットもあるようです。

ただ、子どもたちの中には、発達障害や性的マイノリティの子、また親御さんが生活に困っていて指定された道具がそろえられない場合もあります。このスタンダードを妄信することで、傷つけられたり不登校の子が増えないことを祈るばかりです。

あなたの町や学校は、いかがですか?してみてはいかがでしょうか?

 

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