【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?

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第4回 東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?

■コンピューターが東大の入試問題にチャレンジ

こんにちは! ヤスコママです。

いよいよ年末。これから受験勉強の追い込みという子も多いと思いますが、実は、人間だけじゃなく“ロボット”も受験にチャレンジしていたことをご存知でしたか?

彼の名は、通称「東ロボくん」。国立情報学研究所という研究機関が中心となって、東京大学合格を目標に開発が進められていた人工知能(AI)のことです。「『ロボットは東大に入れるか』プロジェクト」として2011年からスタートし、2013年度から毎年、大学入試センター試験や模試に挑戦していました。

問題文はスタッフがコンピューターにデータとして入力して認識させるという方法をとっていましたが、今年からは、東ロボくんが出した答えを実際の解答用紙に書いてくれる「東ロボ手くん」という代筆専用ロボットも加わり、より人間らしく愛着がもてる姿になっていました。きっとコンピューターなら無敵のはず。フレ―、フレー、東ロボくん!

ところが先月、悲しいニュースが報じられたんです……。

東ロボくんの成績が伸び悩んでいるため、東大合格への挑戦は今年で終了とのこと(11月14日「日本経済新聞」web版)。別の分野に「進路変更」を考えているそうです。

え、いったい何があったの??

■読解力では人間が上……のはずが?!

東ロボくんはコンピューターなので、「暗記や計算」などの理系分野は得意でも、実は「話の流れやニュアンス」を理解しなければならない国語や英語は苦手でした。「ロボットは、読解力では人間にかなわない」ということなんですね。

しかし、同所の教授である新井紀子さんによれば、今の中高生の読解力も、東ロボくんを笑えないくらいに危機的な状況にあるかもしれないとのこと。

例えば、次は東ロボくんが「ロボットであるがゆえ」に正解できなかった問題(※)です。(   )に入る言葉が何か、みなさんはわかりますか? まぁカンタンなので、とりあえずやってみてくださいね。

「仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている」
この文から、次の空欄にあてはまるものを選びましょう。

「オセアニアに広がっているのは(    )である」

①ヒンドゥー教 ②キリスト教 ③イスラム教 ④仏教

正解は「②キリスト教」。文章をきちんと読めさえすれば、知識がなくても解ける問題なのですが、国立情報学研究所の調査によると、中学生のうち4割、高校生でも3割近くの生徒が間違えたという結果が出ています。

う~ん、ヤスコは心配です。

読解力はすべての勉強の基本ですが、それだけではありません。大げさかもしれませんが、将来の仕事や、保険や家などの契約などにも影響してくると思うんです。ブラック企業に入らない、詐欺にダマされない、根も葉もないネットの情報に振り回されないなど、「読解力」は子ども自身を守る防具にもなってくれるはずですから。

じゃあ、どうやって読解力を伸ばしてあげたらいいのかしら? ウチの息子みたいな本嫌いな子に、読書を強制してもなかなかムズカシイでしょうし。

……と思っていたのですが、実は最近試してみようかなとワクワクしている方法があるんです。「家庭にあるもので」「タダで」「カンタン楽しく」できそうなこと。詳しくは、また次回にお話ししたいと思いまーす。ではでは!

※出典 東京書籍(株) 中学校社会教科書「新しい社会 地理」

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