【第93回】部活のコーチが外注になると、我が家の出費が増える?? 2025年までに移行の動き

部活のコーチが外注になると、我が家の出費が増える??
2025年までに移行の動き

安西光義、相田リコ、武田一鉄、烏養繋心、片岡鉄心――。これらの名前を見て今回のテーマがわかった方は、かなりのアニメ・漫画ファンとお見受けします。

「安西先生……!! バスケがしたいです」と聞けば、ピンと来るでしょうか?

そう、彼らはスポーツ漫画のコーチや顧問たち。2016年に行われた、アニメファンが選ぶ『理想的なアニメ・漫画の部活監督・コーチ』TOP5に輝いた名物キャラクターなのです。安西先生って、光義って名前なんですねー。知らなかった。
(ちなみにアニメのタイトルは、最初の安西先生から『SLAM DUNK』、『黒子のバスケ』『ハイキュー!』(2名)『ダイヤのA』)

もうすぐ夏休み、といえば部活にさらに熱が入るお子さんも多いはず! ということもあり、今回は、「部活動の顧問」のお話です。

まずは土日などの休日からスタート

先月6日、スポーツ庁の有識者会議が、公立中学校の休日の部活指導を「民間業者」に委ねる提言書を長官に提出しましたね。簡単に言うと、「学校が休みの日は、部活指導を外部の民間人に任せましょう」ということで、来年度から3年間で移行していくそうです。

これが実現すれば、子ども側のメリットはたくさんあります。
まずは専門知識をもった指導者から質の高い指導が受けられること。そして、地域の大人との交流や横のつながりも増えます。また、先生と生徒の上下がなくなるのでパワハラの減少も期待されているようです。

指導者の派遣サービスが、ビジネスチャンス?

ただし課題もあって、「そんな専門性の高い人をどこから探してくるんだ?」という人材確保の問題、また「指導員に払うお金はどこから捻出するの?」という資金確保の問題があります。

しかし、ビジネスチャンスを逃さない人は世の中にいるものでいるもので、最近では、部活の顧問やコーチ外注専用の人材派遣会社というものあるんですね。ホームページを見ると、登録コーチの顔ぶれも、ITのリモートワークで時間に余裕のある元チアリーディング選手、など個性豊か。しかも「有償で働くのだから『結果』を出します!」と、頼もしいコメントが書いてあったりして。そして、校内のさまざまな部活全体をマネジメントしてくれるサービスもあって、至れり尽くせりなことこの上ありません。

お金のかかる部活には入れない「体験格差」をなくせ

おそらく、最大の課題は資金確保でしょう。
これまでは、学校の先生がほぼボランティアで顧問を務めていたため、支出がなかったんですね。これは大きな問題です。
なぜかというと、外部指導員の費用を家庭が負担しなければならないとしたら、収入の低い家庭の生徒が部活を続けられなくなってしまうからです。これまでも、お金のかかる部活には入れないなど、生徒の間には多少なりとも「体験の格差」がありました。それは失くしていかなければならない、ということで、その方法がこれから庁内で議論されることと思われます。
対応はそれぞれの自治体に任せるとしながらも、具体的には、国から補助金を出すことや、地域でもサポーターとなって資金や道具、場所の応援してくれる団体を募ることなどが挙げられていました。

うーん、ほかにも何かいい案ないですかねぇ?

そういえば、先日見たドキュメンタリーで、面白いシーンがありました。
衣類用の洗剤を開発している会社が、地元のサッカークラブに洗剤をプレゼントする代わりに、ユニフォームや靴下などの汚れ物を提供してもらうというものです。通常、洗剤の実験には「人工的につくった汚れ」を使うそうなんですが、やっぱり自然にできたものとは違うらしんですよね。
なので「天然モノの汚れ」を提供してもらって、開発に活かすのだとか。要するに、会社のサービスとひきかえに、マーケティングを行っているということです。

だったら、部活動にも手法が応用できないですかね? スポンサーとしてメーカーが入って、「費用を出す代わりに、メーカーの運動靴を1週間履いてもらう」「コーチを無償派遣する代わりに、普段食べているおやつを教えてもらう」とか、なにかしらのトレードオフができたりして。

まぁ公立校ということで、いろいろな制約はあると思いますが‥‥‥‥、高いハードルを飛び越えるように、思い切った打開策を期待したいですね。
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