【第47回】“笑えるノーベル賞”受賞の医師が語る「いいことは伝わらない」から学べること

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【第47回】“笑えるノーベル賞”受賞の医師が語る「いいことは伝わらない」から学べること

みなさん、こんにちは! 秋の夜長にお笑いコントの鑑賞が止まらないヤスコです。あはは、あはは、笑って寝てしまえば翌朝もスッキリ。笑いのチカラは偉大ですねぇ。

そういえば今月の13日、アメリカのハーバード大学で「ちょっと“おバカ”だけど意義のある科学的研究」に贈られる『イグ・ノーベル賞』の授賞式が行われました。10月に発表されるノーベル賞のパロディとも言えます。たとえばこれまでの受賞研究は……

2012年には、長いおしゃべりをやめさせる装置「スピーチ・ジャマー」の開発(音響賞)
2014年には、「バナナの皮が滑る理由を解明」(物理学賞)

などがありました。実は、どちらも日本人の大学教授によるもの。日本人の受賞者は12年連続になるんです。ビバ、マニアックに突き進む研究者魂。

そして、今年の「医学教育賞」に輝いたのは――(ドラムロール)。じゃじゃーん! 長野県の病院にお勤めの医師・堀内朗さん(57歳)です!! なんと自分のお尻の穴に、イスに座ったまま内視鏡を突っ込んで大腸の中を探索。「大腸内視鏡は座って入れると痛くない!」ということに気づいたのだとか。

まさに身体を張った大研究。舞台の上でちょっと恥ずかしそうに、実際のポーズをとって見せる医師の姿が、会場を大いに沸かせていました。

■ユーモアの裏に込められた願い

これだけ聞くと、「この先生たちは、ただのひょうきん者なのでは……」という疑惑も湧いてきます。しかしこの受賞の裏には、専門家たちの真摯な想いが込められていました。

ANNのインタビューで、堀内先生は以下のように明かしています。

「大腸内視鏡検査を受ければ、大腸がんで死なないだろうということもだんだんわかってきたので、少しでも多くの人に受けてもらえるようにというのが研究の目的です」

日本医師会のホームページによると、大腸がんは女性のがんによる死亡率の第1位。男性の第3位とされています。大腸内視鏡で早期発見すれば、死のリスクも回避できることが分かってきたのですが、その検査が痛かったり辛かったりするので、躊躇する人も多かったようです。

実は、先ほどの「バナナの皮の研究」も、皮が滑る仕組みを「人工関節の痛み軽減」に使えないかという思惑がありました。

じゃあ、単純にそれを学会で発表したり、パンフレットなどで啓蒙すればよかったのかというと、それは違ったようで……

「私自身は今までずっと良いことをやっていると思ってやってきましたけど、良いことは伝わらないというのが私の実感、研究をしてきた実感です」

おそらく堀内先生は、こう言いたかったのではないでしょうか。「ものごとは“良い”ということだけでは人を動かさない。だから“面白さ”を交えて、大腸内視鏡を知ってもらおうとした」と。

「良いことだけでは、伝わらない」。これは、子どもとの対話においても、共通する点がありそうです。

・勉強はしたほうが良い
・勉強は、カレンダーで計画を立てて実行すると良い
・他人には親切にしたほうが良い

親が子どもに口酸っぱくお説教しても、子どもが動いてくれないとき。それは「頭ではわかって」いても「心からそうしよう」と思える動機が持てていないのかもしれません。「この方法だと面白い」「あなたの大好きなアイドルの〇〇さんは、こんなやり方で乗りきったらしい」などというワクワク感と結び付けてあげることで、子どもの行動も変わってくるかもしれませんね。

イグ・ノーベル賞授賞式の様子は、各テレビ局の動画コーナーでも無料公開しています。これを見るだけでも、「研究(勉強)って自由で楽しいものなんだ」と楽しくなりますよ。
笑いのチカラは偉大なり!

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