【第99回】これから文系の入試でも「数学」が必須に!?子どもの苦手意識をなくすため、家庭でできる3つの工夫

これから文系の入試でも「数学」が必須に!?
子どもの苦手意識をなくすため、家庭でできる3つの工夫

みなさん、新年あけましておめでとうございます!
今年の干支といえば、そう、ウサギ!

もふもふして愛らしいウサギですが、実はニンゲンの経済における「ある計算」について多大なる貢献をしているんです。いったい何だかわかりますか?

はい、正解は「人口の変動」や「経済成長」の予測

これは「フィボナッチ数列」といって、12世紀ごろにイタリアの数学者フィボナッチが発見した理論です。ベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』の中でもふれられていたので、記憶にある方もいらっしゃると思います。この考え方は、ウサギの子孫が増えていくようすを例に解説され、世界中に広まり、800年以上たった今でもその例が使われ続けています。

そんなわけで今回は、お子さんの進学に関わるかもしれない数学のお話です。

「数学が苦手なら、文系に進学」はもう古い??

ところでみなさんは、数学は得意ですか?ちょっと前までなら、「数学が苦手なら、文系の大学に行けばいいよね」という進学ルートが王道でしたが、これからはそういう逃げ道がなくなるかもしれないのです。

そんな近未来を予想しているのが、昨年12月21日の朝日新聞。

「大学の文系学部の入試で、数学を必須とする学校が増えている」というコラムです。
たとえば東洋大学の経済学部では、2021年度の一般入試から数学が必須の募集枠を設けて、22年度は約7割の一般入試入学者が数学を受けたそうです。

まぁ、確かにお金を扱う経済は、数学と切っても切り離せませんよね。実際、これまでも入学後には数学が関わる講義はあったようで、入試で数学必須枠を設けてから、入学後に数学を改めて学ぶ必要が減ったのと、数学が嫌で他の学部に逃げてしまう学生が減ったそうです。つまり、中学・高校で数学をきちんと身に着けたおかげで、「大学でしか学べないこと」に力を注ぐことができたのですね。

ちなみにその昔、ヤスコも文系の大学でした。「アートに数学はいらないでしょ」と入学前にタカをくくっていたら、実際はカメラの構造や光の屈折、フィルムや印画紙(懐かしい!)の化学反応など、数学や理系の知識が必須でして、友人たちと「詐欺だ~」と泣きながら三角関数の公式を勉強した覚えがあります……(遠い目)

なので、経済学部に限らず、数学と関わる分野の裾野は広いということ。

朝日新聞では、「大学教育の文理融合の促進」などから、全国の大学にこういった動きが広がっていると報告されていました。

子どもの苦手意識をなくすために、保護者ができること

ということは、数学が苦手になると、これまで以上に進学にダメージがあるということかもしれません。子どもたちに少しでも数学を好きになってほしい……いや、せめて嫌いにならないでほしい……。

そのために学校では先生にもがんばってもらうとして、家庭では何ができるでしょうか。

ある教育関係のサイトには、

  • 保護者の数学(算数)に対する考えを子どもに押し付けない
  • 子どもが自分で判断することに、自信を持たせてあげる
  • (自宅学習などでも)解答の速さを求めない

などが挙げられていました。

保護者が数学(算数)を習っていたころと、今の子が受けている授業は変わっているところもあるので、「昔は昔、今は今」と切り離して子どもの勉強を見守ってあげる。そして、もし可能であれば保護者自身も「何が違いはあるのかな?」などと好奇心を持って、一緒に教科書をのぞいてみるのも親子でいい刺激になりそうです。

まずは新年一発目に、冒頭のフィボナッチ数列の話題をお子さんに振ってみてはいかがでしょうか。そこから「じゃあ、どうやってウサギは増えているの?」や「フィボナッチってどんな人?」など疑問が出てくればしめたもの。楽しい数学への扉は、そんなところから開いていくのかもしれません。

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