【第13回】小6の男子が考えた「分数ものさし」で、苦手な分数を一発攻略!

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第13回 小6の男子が考えた「分数ものさし」で、苦手な分数を一発攻略!

みなさん、こんにちは! ヤスコです。
今日は算数&数学ギライな子を悩ます「分数」が、あっという間に攻略できそうなアイデア教材のニュースです。(3月30日付中日新聞、4月3日付朝日新聞デジタル)

その名も「分数ものさし」。静岡県浜松市の小学校に通う山本賢一朗くん(6年生※当時)が、自分の経験をもとに「友だちにもわかりやすく教えてあげたい」と発案したもので、長さ12cmのものさしに5列の目盛りが付き、分母の違う分数が配列されています。

ものさしのイメージは、こんな感じ。

分数のイメージ

まさに目からウロコ! これなら異なる分母でも、大きさを理解するのがとてもカンタンですね。例えば、「3分の2」と「2分の1」のどちらが大きいかも感覚で判断できますし、「4分の2」と「6分の3」が同じ値だということも一目瞭然。そしてこのアイデアは、静岡大学教育学部の准教授に賞賛され、実際の教材化に向けて開発が進められているそうです。

実は、「分数ものさし」の威力はこれだけではありません。多くの子どもたちがつまずいてしまう「あの計算ルール」も、感覚で理解することができるのです。

■「6分の1」÷「2分の1」の解き方、本当に説明できますか?

「あの計算ルール」とは、割り算のやり方です。(みなさんも昔のことを思い出して、一緒に頭の体操にトライしてみましょう!)

例えば、「6分の1」÷「2分の1」という計算式を解くとします。セオリーでは、割る方の分母&分子をひっくり返して、「1分の2」をかけることになっていましたよね。いわゆる「逆数をかける」というステップです。

分数のイメージ

これは小学6年生で習うものですが、「どうして逆数にしなければならないか」が理解できず、その先に進めない子がとても多いのです。さらに中学生になっても引きずってしまい、他の単元に影響が出ているケースも少なくありません。

でもよく考えたら、難しいルールですよね。実は、ヤスコも息子に理由を聞かれたとき、上手く説明できませんでした。「ルールはルールなの!」と逆ギレ(汗)しちゃったりして……。もはや概念の世界となるので、学校の先生たちも苦労されているようです。

では、「分数ものさし」で見るとどうでしょうか?

分数のイメージ

まず、6分の1(割られる数)は、2分の1(割る数)の何倍かを考えるんですね。マスの数からして、1倍より少ないのはすぐにわかります。(この感覚がつかめることも大事!)
では具体的に何倍か? ものさし上で最小単位の「12分の1」を1マスと考えると、「6分の1」=2マス分、「2分の1」=6マス分ということで、「6分の2」=「3分の1」(倍)ということになります。

今はまわりくどい説明をしましたが、他のどんな割り算を試しても、分母と分子をひっくり返した逆数をかけるのと同じ値になるんですね。これを何度かくり返せば、そのうち考え込まなくてもルール通りにスムーズに計算できるはずです。

これは画期的! 今までなかったのが不思議なくらいです。教材としては、今年の夏以降のリリースを目途に準備が進められているそうですが、カンタンなものなら紙や無地の下敷きなどに描いて、すぐに家庭でもつくれそうです。「やってみたよ!」という皆さんからのご報告もお待ちしていますね!

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