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【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)

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第9回 学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)

みなさん、こんにちは!
寒い日は、首にタオルを巻いて寝ている完全武装派のヤスコです。

2月15日の朝のこと。ポストから新聞をとってきて、つい「おお!」と叫んでしまいました。

ついに公表されたんですね、今後の学校指導のベースとなる「学習指導要綱改定案」の詳細が。かなり具体的な内容が3面にわたってドドーンと紹介されていましたよ。ふむふむ……思わずパジャマ姿のまま、家にも入らず読み込んでしまいました。(へっくしょい!)

で、ヤスコの率直な感想としては――、

「こりゃ先生は大変だ」という同情に似た気持ちと、「学習内容がより“今っぽく”アップデートされていて面白い」というワクワク感がごちゃ混ぜになりました。いずれにしても、子どもたちのこれからを考える上で、知っておきたいことばかりです。

見逃した!という方のために、トピックスをお伝えしますね。

■授業時間が足りない! 先生たち「苦悩のやりくり」

小学校英語が正式な教科になるということは、前にもお話ししましたね(過去記事はこちら)。そのため、小3~小6の授業が年に35コマ増えることになりました。週に換算すると1コマ増。

えーっと、ちょっと待って。じゃあ、増えた分の授業はいつ行うのかしら。休み時間を削る? それとも休日出勤……いや、休日通学??

そうなんです。まさに今、「時間の捻出問題」が現場の先生たちを苦しめているんだとか。だって、指導要綱改訂前の今でさえ、授業スケジュールはすでにパンク寸前なんですから。

愛媛新聞には、こんな事例が紹介されていました。岐阜県大垣市小野小学校では、先生は朝7時半に出勤し、生徒は8時には教室入り。そして8時15分からは、15分間のプチ授業を行っているそうです。ちなみに取材当日の内容は、ピザづくりを話題にした英会話のワーク。「15分授業を週3回やれば、1コマ分に換算できる」という苦肉の策ですが、「反復することで定着する英語には向いている」という肯定的な意見も。なんとか前向きに考えて、やりくりするしかないのが現状のようです。

■すでにみなさんの学校でも行われているかも……

このような「短時間学習」は、すでに75%もの小学校が実施しているということなので、皆さんもご存知かもしれませんね。運動会や修学旅行などの行事に使う時間を確保するために、夏休みの短縮や土曜授業を決行した学校も多いとか……。

もし、ヤスコが先生なら「これ以上どうすりゃいいんだ~!」と雄叫びを上げたくなりますが、全国の学校のボスである文部科学省ときたら「それは現場で工夫してください」と丸投げ状態なんだそう。省内では、「英語が増えた分、何かの授業を減らせばいいのでは」という折衷案も出たとのことですが、「ゆとり教育のようになって、学力が低下したらどうするんだ!」という不安の声にかき消されたとのことでした。ふうっ……。いつの世も、しわ寄せがくるのはやはり現場なのですね(泣)

まだ救いなのは、この「学習指導要綱改定案」がまだ決定ではないということ。先生たちが頭を抱えずにすむような緩和策が盛り込まれることを祈っています。

先生の健康は、学校の健康! 学校の健康は、子どもたちの健康!

なーんてことわざはありませんが、ヤスコ個人としては「100%を目指して誰かが破たんする」よりも、「85%ぐらいでみんなが笑顔」のほうが良いかなぁと思うんですよ。あ、そうそう、もちろん「親の健康は、我が子の健康」! 保護者のわたしたちも、がんばりすぎには気を付けなくては(笑)

まぁ懸念点もありますが、一方で面白いこともあります。各教科のアップデートっぷりは、今の時代を反映していて、小・中学校共に非常に興味深いラインナップです。例えば「国語で電子メールの授業」や「家庭科では出汁にクローズアップ」、他には――

おっと、その話はまた次回の後編で。どうぞお楽しみにー♪
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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
【第2回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?
【第3回】オリンピックを境に「学校の授業」も変わる!?(後編)
【第4回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?
【第5回】東大を受験したロボットが、人間に勝てなかった「能力」って?(続編)
【第6回】一年のスタート、子どものやる気を引き出す「子ども手帳」はいかが?
【第7回】冬から増える「進路の悩み」への処方箋
【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?
【第9回】学校授業、バージョンアップの詳細がついに明らかに!(前編)
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【第8回】みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?

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第8回 みんなの給食メニューを「民主主義」で決める!?

みなさん、こんにちは!
今や「トランプ」と聞くと、カードゲームではなく、金髪の暴れん坊オジサンが目に浮かんでしまう、ヤスコです。

言わずと知れた、アメリカ大統領のことですね。世界中で反発のデモが起こったりして、大きな騒動を招いています。選挙中から相当な話題だったので、ヤスコはてっきり「アメリカ国民のほとんどが、投票に参加したのね」と思い込んでいたんですよ。ところが実際の投票率ときたら、6割にも満たない想定だそうで……。「投票になんか行かなくても、当然対立候補のヒラリーさんが当選するだろう」と踏んでいた人たちは、今ごろ後悔しているかもしれませんね。

でも考えてみれば、明日は我が身。アメリカだけの話ではありません。子どもの未来のためにも、選挙で意思表示をしておくのは大事! ということで、今回は神奈川県で見つけた面白い取り組みの紹介です。

■児童が頭を悩ませた「おいしい候補者」たち

神奈川県内の複数の小学校では、昨年末から今年1月にかけて、「給食のメニューを選挙で決める」という授業が行われました。各区の選挙管理委員会と明るい選挙推進協議会が主催となり、子どもたちに、選挙の仕組みについて体験を通じて理解してもらう目的で企画されたものです。

給食といえば、きっと子どもたちにとって一番の関心ごとですよね。具体的には、ある3つのメニューから児童たちが食べたいものを選んで投票、「当選」したメニューが実際に給食として提供されるそう。そして、おいしそうな「候補者」たちは、子どもたちの頭を悩ませるわけで――。

例えば、こんな顔ぶれ。
・サンマーメン、ミックスフライ、ハンバーグ(横浜市立森東小学校)
・キムチとたくあんを混ぜたキムタクごはん、ホイコーロー丼、ビビンパ(川崎市立上丸子小学校) 

サンマーメンが登場するあたりが、さすが発祥の地・横浜といったところ。キムタクごはんは通好みですね。現代っ子が持つ「食のストライクゾーン」の広さを感じます。

立候補者のチャーミングさに反して、実は選挙の流れはかなり本格的。投票箱や名前を書く記載台、票を数える計数機は実際の選挙で使用するものを導入しています。さらに、事前に教室などに貼られた「選挙公報」をもとに、候補者(食べ物の代理として、人間)がちゃんと演説を行ったんですって。

みなさんご存知の通り、実際の投票は短時間で簡単。結構あっけないものです。あの「簡単さ」を子どもたちが体感してくれたら、将来の投票率も上がるかもしれませんね。

■応援演説で、考える基礎体力が培われる

さて、ヤスコが特に感心したのは、「演説を子ども自身が行った」という学校です。自分が推薦するメニュー(おそらくホイコーロー)について、「ピーマン嫌いでも食べられる味付けです」など良さをアピールしたといいます。なんだか微笑ましい主張ではありますが、これってスゴイことですよ。だって漠然と「おいしそうだから」では「有権者」は動きません。食べたいメニューの魅力を論理的に考え、相手に響くように話すわけですから。

このような「考える力」や「コミュニケーションスキル」は、新しい物事を発見する力や人間関係にもつながるため、子どものうちから鍛えておくのに越したことはないはず。しかも、今回のように「楽しく」「勉強とは感じない」体験の中で培われればモアベターですよね。給食選挙は頻繁に行われるものではありませんが、何らかのキッカケになってくれるような気がします。

あ! でも「子どもの関心ごと」×「論理的説得」という組み合わせなら、外食先のセレクトやおやつ、さらにはレジャーの目的地でも実行可能かもしれませんね。兄弟(姉妹)対決や、たまには夫婦対決で子どもたちにジャッジしてもらったりして。ヤスコは今、静岡県の浜松に出かけて、高級ウナギをお腹いっぱい食べたいです。「財源はどうするのか」というご質問には……お答えしかねます(笑)
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【第1回】はじめまして、「ヤスコ」です
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